丕緒の鳥 | Archive Redo Blog

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丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)/新潮社
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新潮文庫から新たに完全版シリーズとして順次再刊行されている十二国記に、はじめて新刊として登場した短編集です。


王や麒麟を主人公として描かれる長編シリーズとは異なり、この短編集に収められている4編は、下級の役人などが主人公となっています。


国家というスケールに比べれば、はるかに小さく限られた世界ではありますが、いずれも己の為すべきことに対して真摯に向き合い、様々な苦難に煩悶しながらも、その使命を全うしようとする人々の生き方が描かれています。


いずれもその根底にあるテーマは哲学といってもいいほど深く重く、読み手の心の奥深くに強いインパクトを残します。


その辺は長編と変わりなく、このシリーズの醍醐味かと思いますが、短編であるだけにそれがよりストレートに伝わってきます。