評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)/徳間書店- ¥1,000
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内田樹先生と岡田斗司夫さんの対談というのと、イワシの絵がなんとなく面白そうな予感がして食いつきました。
ポスト資本主義社会における新しい共同体のあり方について語り合ったものですが、そのキーワードとなるのが評価と贈与です。
贈与については、内田先生がたびたび主張していることで、経済の基本原理というのは、そもそも「贈与と反対給付」にあり、資本主義経済、貨幣経済では立ちいかなくなってきた今こそ、そこに立ち返るべきなのではないかという考え方です。
ただ、その意味するところを理解していなければ「贈与と反対給付」のサイクルの中にはなかなか入っていけないし、サイクルが長くてスピードも遅くて非効率であるという難点もある。
そこをフォローするために「評価」という仕組みが必要になってくるのですが、こちらは岡田さんが常々よく考えているところのようです。
結局、同じような共同体のデザインを描いているのかなと思うのですが、それぞれの立場の違いからくるものなのか、贈与する側に立った視点と、評価される側に立った視点が交錯する様が、今の世の中を表しているようにも感じられ、興味深い対談でした。