人体 失敗の進化史 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


人体 失敗の進化史 (光文社新書)/光文社
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機械や道具は、何か構造や機能に不都合が出れば、元の設計図を白紙に戻して一から書き換えることができます。

しがらみを捨てて、その時その時の理想の形を追い求めることができます。

しかし、ヒトや動物の進化についてはそうはいきません。

長い年月をかけて、元の設計図のごく一部をほんの少しずつ消したり、書き加えたりといった変更を繰り返すことでしか進化を遂げることはできません。

そして、その進化は理想形に向かって一直線に進むものではなく、失敗の繰り返し。

今を生きるヒトや動物は、過去から未来へと続く進化の過程の中での現在形。

その身体を調べれば、数々の失敗の痕跡が見られます。

この本では、そんな失敗だらけの進化を、具体的な例を挙げながら紹介しています。

そのひとつひとつが驚きに満ちているのですが、とりわけ、二足歩行は面白いですね。

体の向きを90°転換するという困難な進化を成し遂げるために、どれほど多くの設計変更が行われたか。

また、それが画期的な進化である一方、どれほど多くの負担とそれに起因する新たなトラブルを生み出したか。

さらに、そこには、急激に変化する現代人のライフスタイルが、長い年月をかけてゆっくり進化してきた身体に及ぼす影響も...

教科書で習うのとは一味違う、目からウロコの進化のお話です。