はじめての日本神話: 『古事記』を読みとく (ちくまプリマー新書)/筑摩書房- ¥819
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昨年、古事記編纂1300年とかで、書店でも古事記の特集なんかが組まれていました。
その頃、何か神話初心者向けの分かりやすそうな本でも読んでみようかと思って手に取ったのがこの本です。
古事記を中心に日本神話のあらすじを紹介したうえで、神話が伝えようとしていることの意味を読み解いていくという本なんですが、初心者にはちょうどいいレベルかと思います。
しかし、神話というのは現代人の感覚で読むと、なんともまあ荒唐無稽な話ですね。
超越的な存在である神々を中心とした話なので、人智の及ばないような営みが描かれているのは当然といえば当然ですが、神々が人間のような姿で描かれるためについつい人間の営みを追うように読んでしまい、なかなかストーリーが頭に入ってきません。
それゆえに、我々のような現代の一般人が神話に触れようと思った場合は、こうした専門家の解釈の手助けが必要になってくるわけですが、そうしてひとつひとつの話を読み解いていくと、そこには陰に陽にモチーフというものがあり、そのベースには古代の人々の抱いていた世界観というものがあるということを窺い知ることができます。
特に、八百万の神などと言いますが、神話においても人と自然(神)との関わりが大きなテーマとして存在しているということがよくわかります。
そうした神話のモチーフが脈々と受け継がれているという面もあれば、忘れられてしまっている面もある、というのが現代かなと...
今だからこそ神話に学べること...あるかもしれません。