日本のリアル 農業・漁業・林業 そして食卓を語り合う (PHP新書)/PHP研究所- ¥777
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食卓を通して「家族の絆」を研究する岩村暢子氏。
耕さず農薬も肥料も使わない不耕起栽培で強い米を作る岩澤信夫氏。
豊かな海を育むために森や川を育む運動を続ける畠山重篤氏。
密度管理による間伐法を提唱し健全な人工林を育てる鋸谷茂氏。
農業、漁業、林業、食卓...リアルな「モノ」に携わる人や、ごくありふれた日常を研究する第一人者と養老さんとの対談集です。
人間の営みが、自然が本来持つ力をかえって弱めてしまったり、循環を断ち切ってしまっていること。
また、日常においても本来生きるためにリアルに必要なものが失われつつあること。
そうした人間にとって本当に大事な問題について考えさせられる一冊です。
文明化や都市化によって現代人は(現実的な意味での)自然という不安定な要素を切り離し快適な生活を手に入れることを追求してきたわけですが、その一方で知らず知らずのうちに人間が本来自然の一部であるという現実に対する感覚がどんどん失われていっているんですね。
都会人が山や海に出掛けて行って自然と触れ合うとか、そんな仮想現実に近いものではなく、もっと根源的な意味での自然の感覚というものが...