ポートレート・イン・ジャズ | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)/和田 誠
¥830
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和田誠さんが描いたジャズ・ミュージシャンの絵に、村上春樹さんが文章を付けるという体裁の本です。

各ミュージシャンごとに村上さんお気に入りのアルバムを1枚ずつ紹介しているので、ジャズの入門書として読むこともできますが、そこにとらわれず、そのミュージシャンについて思うこと、また思い出されることを自由奔放に語っているところがむしろ面白いところです。

ミュージシャンの人選は、完全に和田さんの好みで、ジョン・コルトレーンのような大物が抜けているかと思えば、ちょっとマイナーな、よほどのジャズ好きでないと気にも留めないようなミュージシャンも入っているのですが、どの人をとっても、かなり聴き込んだ人にしか到底書けないような深みのある文章が添えられており、村上さんのジャズに対する思い入れの強さ、造詣の深さに舌を巻きます。

和田さんの絵のタッチもまた、とても温かみと愛嬌があり、絵を見ながら文章を読んでいると、音が鳴りだし、絵の中のミュージシャンがスイングしだしそうな気すらします。

最近、ジャズのアルバムを買っていなかったんですが、この本をトリガーに、ジャズの魅力を再発掘してみたくなってきました。