夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)/森見 登美彦- ¥580
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”ジャケ買い”という言葉がありますが、この本も食いつきはそれに近いものがありました。
イラストもいいし、タイトルの語呂もいいですよね。
しかし、女性向けなのかなと思い、何となく敬遠し、先に読んだのは「四畳半神話体系」の方。
それが面白かったので、こちらにも手を伸ばしたという次第です。
「私」と、「私」が心惹かれる後輩の「彼女」。
この2人の一人称の物語が、交錯しながら並列で進んでいくという構成。
様々な場所で不可思議な体験と邂逅を繰り返しつつも、「彼女」を追い続ける「私」と、「彼女」の距離は縮まりそうでなかなか縮まらない...
この作品と「四畳半」、主要登場人物や舞台設定に共通するところが多いのですが、ストーリーには連続性や関連性は全くないんですね。
ただ、時間、空間、そして人を、現実世界の枠を適度に踏み外しつつ自由に組み合わせているという点では同じ。
若干おふざけが過ぎるのが「四畳半」の方ですかね。
でも、こういう試みができるのも小説の魅力。
どちらも楽しい作品でした。
四畳半神話大系 (角川文庫)/森見 登美彦- ¥700
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