チョコレートの世界史 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書 2088)/武田 尚子
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チョコレートの原料となるカカオ(学名:テオブロマ・カカオ)。

テオブロマとはギリシャ語で神(Theos)の食べ物(broma)を表す言葉だそうですが、その言葉通り、原産地である中南米で、かつて一大文明を築き上げたマヤ人、アステカ人にとっては、まさに神々への供え物として、あるいは経済的には貨幣として、また、支配階級にとっては健康増進のための飲み物として珍重されていたそうです。

そのカカオが、植民地支配を進めた白人の手によってヨーロッパへと渡り、現地での生産体制、貿易体制、そしてヨーロッパでの製造・販売体制が強化されるにしたがって、貴族階級の嗜好品から庶民の味へと広がっていった過程を追ったのが本書です。


以前に読んだ「コーヒーが廻り世界が廻る」という本をイメージしながら読んだんですが、概ねそういった流れで非常に興味深く読むことができました。

ただ、そもそも著者がこの本を書こうと思ったきっかけは、キットカットを生み出したイギリスのロウントリー社の歴史にあり、その歴史がイギリスにおけるココア・チョコレートの歴史の歩みと一致しているというところから、カカオロードの探求へと導かれたということのようです。

そのため、近代以降の話がキットカット、ロウントリー社、イギリスに偏り過ぎており、チョコレートそのものに興味を持っていた私にとってはその辺りがちょっと物足りないというか、肩透かしというか、そういう感じもいだきました。


それはともかく、カカオの品種や製法の話は面白いですね。

クリオロ種のビター・チョコレートが食べたい...


コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液 (中公新書)/臼井 隆一郎
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