ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)/堤 未果- ¥756
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Ⅰにも衝撃を受けましたが、このⅡの内容も負けず劣らず衝撃的でした。
教育、医療、年金、そして刑務所まで。
人生にかかわるあらゆるものが自由と市場原理主義の名のもとに商品化され、強欲に支配されたマーケットに飲み込まれていく。
それは単に市場の力学だけではなく、医産複合体や刑産複合体など、政府との癒着によって利益を得る企業や団体の影響力によるところが大きいと言います。
オバマ大統領の登場でこの状況は変わったのか?
昨日、オバマ大統領が内政での最重要課題の1つに挙げていた医療保険改革法案が下院で可決されました。
しかし、”歴史的転換”とも評されるこの医療保険改革法案も、医療保険業界や製薬業界からの圧力や巧みな情報操作によって、当初目標としていた日本の健康保険のような「単一支払皆保険」案から大きく後退した、骨抜きの法案に過ぎません。
教育、医療、年金...これらを国としてどのように支えていくべきなのか...根本的な課題はどこの国でも共通です。
つまり、日本においても、今、アメリカにおいて起こっているような状況に陥る可能性がないとは言えないということかとは思います。
しかし、ここまで極端な格差と貧困を招くのはやはり、何より自由を重んじるアメリカという国家の理念や国民性によるところが相当に大きいのではないか...そのような気がします。