真っ赤なウソ (PHP文庫)/養老 孟司- ¥480
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世の中にあふれる様々な”ウソ”について、養老さん流の解釈を語っているのですが、何かにつけて宗教のあり方に絡めているところから、どうも宗教(仏教)関係者の集う場所での講演の内容を活字に起こした本のようです。
この中で、「宗教とは何か」という問いに対して、養老さんは「ウソから出たマコト」と答えています。
マコトというのはそれしかない。人間は本当の意味ですべてを知ることはできない。それがわかった上でリアリティーという形で真実を追求してきたのが宗教というものだと。
このリアリティーという言葉を、養老さんは、「真・善・美」、つまり「リアリティーがある」ということを「より真であり、善であり、美である」と解釈しています。
巷で「ハリー・ポッター」や「千と千尋の神隠し」のような言わば”真っ赤なウソ”の作品が売れるというのは、人々がそういうリアリティーを求めているということである。
ということは、元々そういう役割を果たしていた宗教に対するニーズは、実は今でもとても高いのではないか、というわけです。
要するに宗教も一種のファンタジーということですね。
確かにそのとおりかもしれません。
禅問答的な話も多々ありますが、養老さんの話は”ムフフ”な感じでおもしろいですね。