エコノミストを格付けする | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録


エコノミストを格付けする (文春新書)/東谷 暁
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金融危機とその後の世界的な不況という現実を踏まえて、人気エコノミスト達を批評した本です。

まぁ、済んだことについては何とでも言えるのですが、

結局、経済というものはいくら膨大なデータを解析し、精緻な理論を組み立ててみても、それですべての問題を解決できるというようなものではない。この不況から脱却するには、数学的な統計に表れない社会構造や人間心理の変化が大きな鍵となるであろう。だからこそ経済を論ずるものは謙虚でなければならない。

というふうに結んでいるところは共感できます。

格付けにあたっては主張の一貫性や論拠となるデータをとりわけ重視しており、そこに市場も経済学も完璧なものではないと言いながらエコノミストに完璧を求めているという矛盾を感じてしまいますが、これも、あえて完璧を求めた評価をして、総じて中途半端な採点(総じて60点台~70点台)となることを示し、上記の結論に結び付けたかったからなのでしょう。

つまるところ、エコノミストの主張など話半分に聞いておけということですね。