Twitter社会論 | Archive Redo Blog

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Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)/津田 大介
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メディアジャーナリストである著者がTwitterが社会に与えるインパクトについて熱く語った本です。

Twitterは「いまどう(なに)してる?」という問いかけに対して140文字以内のテキストをリアルタイムに投稿する(つぶやく)だけという非常にシンプルな仕組みで、実際につぶやかれる内容は、「今コーヒーを飲んでいます。」といったような無意味なものから、事件、災害、イベント等の状況報告まで、要は全く自由なわけですが、その最大の特徴はリアルタイム性の高さにあります。

ただ、記事のタイトルやカテゴリの設定などが不要なブログの簡易版と解釈されることも多いTwitterですが、140文字という制限の中で表現しなければならないため、発信される情報の多くは断片的で真偽すらはっきりしないものも含まれます。

つまり、新鮮な生情報である一方で、玉石混交のジャンク情報でもあるというわけです。

このような性質を持つTwitterを情報源として有益に利用したいと考える場合、情報を利用する側としては滾滾と湧き出る”つぶやき”の中から有益な情報を選別し、精査し、再構築する能力が必要となってきますし、情報を発信する側としても140文字の中に発信したい情報をなるべく損なわずに圧縮する能力が必要になってきます。

シンプルであるがゆえに、有効に利用するにはそれなりに高度なスキルが必要になるということだと思います。

また、こうした生の情報を必要とする人はそれほど多くはないと思いますし、必要だとしてもそれは特定の事象、人物など、極めて狭い範囲の情報に限定されると思います。

ですから、決して万人受けするツールであるとは思えません。

しかし、(特にIT系の)メディアにとっては、従来足で稼いでいた情報や、足で稼ぐこともできなかったような情報をTwitterを介して個人の”つぶやき”から得られるわけですから、ジャーナリズムのあり方を大きく変えるようなかなり革新的なツールだと思います。

このあたりにメディアが興奮してTwitterを取り上げる理由があるということなのでしょうね。