昨春訪れた「せきざわ」でうまい蕎麦でも食べようと、小布施にやってきました。
が、この季節、しかも三連休ともなると混んでますね。
店の外まで待っている人があふれていました。
お店の人に聞くと「2時間くらい掛かりますが...」とのこと。
とはいえ、この後の予定が決まっているわけでもなかったので、番号札をもらい、しばらく付近を散策してみることにしました。

訪れたのは岩松院 です。
ここにある北斎の「八方睨み鳳凰図 」を一度観てみたかったんです。
いやぁ、畳21畳分という大きさの鳳凰が天井から圧し掛かってくるように睨みつける迫力には圧倒されますね。
この作品は北斎89歳の頃、つまりほぼ晩年のものらしいですが、この年にしてこのような大掛かり、かつ精巧な絵を描けるとは...すごいです。
岩松院をゆっくり見物したあとは、再び「せきざわ」へ。
思ったより早く待ち行列がはけており、結局1時間待ちで蕎麦にありつけました。
今回は”生粉打ち”、”変り”、”鴨なん”の茜三昧をいただきましたが、やっぱりおいしいですね。
前日食べた上田の「刀屋」と比べると価格は3倍近いんですが、高級グルメと、B級グルメのようなもので、それぞれに魅力的なお店です。
そばを食べた後は、小布施の中心部へ。
特に当てもなく歩いていると、ある店の前で行列を発見。

小布施の栗を使ったお菓子が有名な「桜井甘精堂 」が出している洋菓子と紅茶のお店「栗の木テラス 」です。
小布施の栗を使ったモンブランやシュークリームが有名なようです。
しかも、店の前に掲げれられている”新栗モンブラン出来ました”の文字...
栗好き、モンブラン好きなら並ぶしかないでしょう!
と、思わず並んでしまったのですが、店員さんが少ないため、回転がすこぶる悪く、買うまでに1時間近くかかってしまいました。

こちらがそのモンブランとシュークリーム。
極めて素朴なフォルムですが、素材の良さがよく出ていておいしかったです。
でも、さすがにこれだけ買うのに時間がかかると、2回目はないですね^^;

蕎麦とデザートを食べた後、訪れたのは「北斎館 」。
明らかに岩松院の八方睨み鳳凰図でインスパイアされてますね^^;
こちらには肉筆画を中心に北斎の作品が数多く収蔵されています。
北斎というと、「富嶽三十六景」などの版画のイメージが強かったのですが、実に様々な作品を残しているんですね。
個人的には北斎最晩年、絶筆に極めて近い作品「富士越龍」が特に印象に残りました。
しかし、小布施って、今まであまり気にも留めませんでしたが、結構観光客で賑わう街なんですね。
歴史ある町並みを活かし、そこに美術館やら博物館やらおいしいものが食べれるお店やらを集めた街づくりは、関西方面で言うと、長浜や倉敷のようなイメージでしょうか。
この日はこれで日が暮れてしまいましたが、またスキーの帰りにでも寄ってみたいですね。
小布施の後は、再び志賀高原方面へ戻って湯田中の駅前温泉楓の湯へ。

ここは文字通り、駅に隣接する建物にある日帰り温泉施設です。
湯田中温泉は、なかなか気軽には立ち寄りがたい印象があるのですが、ここができてからは、電車でも車でも、気軽に楽しめるようになりました。

湯田中駅のホームにはレトロな電車が止まっていました。
長野-湯田中間を結ぶ特急列車のようです。

温泉に入って出てきたら、今度は別のカラーリングの電車が到着しました。
と、同時に昭和歌謡的な歌がホームに流れ始めました。
「美わしの志賀高原」という歌だそうです。
ここから志賀高原方面行のバスが出ていることもあり、旅情をかきたてようということなんでしょうね。
ほとんど乗降客はいないようですが...^^;