岐阜で岐阜城へと思いきや、今回は岐阜城はスルーし、高山本線に乗り換えて鵜沼に向かいました。
と言っても、鵜沼に見たいものがあったわけではありません。
鵜沼から木曽川を渡って、対岸の犬山に行きたかったのです。
(正確には犬山は愛知県なので、美濃路散策ではないのですが...^^;)

鵜沼から犬山へと木曽川の橋を渡っていると、対岸の西側の小さな山の上に犬山城が見えてきます。
(やっぱり城かよ...^^;)

犬山城は国宝四城の中で最も古いお城です。
1537年、織田信長の叔父、織田信康によって築城され、関ヶ原の頃にかけて城郭が整備されていったそうです。
天守閣は三層で、二層目に増築された破風の間や南東角に張り出した付櫓が特徴的です。
犬山城の天守閣は古いだけに、彦根城などと同様、内部構造は見学向きではありません。
階段は(彦根城よりはちょっとましですが)非常に急ですし、最上階に登ると、外をぐるりと一周できるのですが、高欄が低く、ネットも何もないので、ちょっと怖いです^^;
ただ、遮るものがない分、見晴らしは最高です。

犬山城は別名「白帝城」と呼ばれています。
江戸時代の儒学者、荻生徂徠が唐の詩人李白の詩にちなんで命名したそうです。

李白の詩に登場する白帝城は長江沿いにあり、三国志の時代に劉備が息を引き取った城として有名ですが、荻生徂徠は、木曽川のほとりに建つ犬山城の姿と長江のほとりに建つ白帝城の姿を重ね合わせ、そう名付けたのでしょうね。
犬山城の後は、犬山の城下町の方へ少し回ってみました。

犬山城下には古い建物や寺院が多く残っており、城下町らしい風情です。
そして、所々にこんななが~い蔵が点在しています。

この中には、犬山祭で曳かれる車山が格納されているそうです。
城下には車山や車山に付けられたからくり人形などに関する展示施設もありました。
そして、犬山の城下町の風情を味わった後は、犬山のもう1つの国宝がある有楽苑へ。
有楽苑は織田信長の実弟であり茶人の織田有楽斎が建てた茶室で、国宝茶席三名席の1つだそうです。

有楽斎の隠居所、旧正伝院書院を中心に、如庵、元庵、弘庵の3つの茶室があり、そのうち、この如庵が国宝に指定されています。

中には入れませんが、窓からのぞくと内部はこんな感じになっています。
茶室の様式はよくわかりませんが、随所に独創的な工夫がこらされているそうです。
旧正伝院書院ではお抹茶(有料)をいただくこともできるようですので、時間に余裕があれば、お抹茶をいただきながら、いろいろな話を聞いたりするのもいいかもしれません。
有楽苑を見学した後は、再び木曽川を渡って鵜沼駅へ。
その途中、木曽川に架かる名鉄の鉄橋がなんだかレトロで洒落ていたので電車が通過するタイミングで思わず写真を撮ってみました。

この橋は犬山橋(通称ツインブリッジ)という橋で、十数年前まではこの鉄橋内に道路が敷かれ、その中央に線路が走る鉄道道路併用橋だったそうです。
鉄道専用橋となった今日でも趣がありますね。
パノラマカーと一緒に撮るとなお一層よさそうです。
(3)へつづく...