今年の大河ドラマは司馬遼太郎原作の「功名が辻」 。
律義なことだけが取り柄で大した武功もなく凡庸な武士であった山内一豊が、妻千代の支えと励ましによって土佐二十四万石の大名となるまでの夫婦の物語です。
「功名が辻」はまだ読んでいなかったので大河ドラマがスタートする前に読んでみたのですが、なかなかに面白かったです。
(司馬遼太郎の作品に限った話ではないですが)誰もが知っているような偉大な人物の物語もいいですが、その脇の人物を描いた作品というのも一味違った面白さがあります。
しかし、如何せん山内一豊では一年間視聴率を維持するには華がなさ過ぎるのでしょうか?
大河では原作にかなりの脚色が加えられており妙な感じです。
1つ1つの話を膨らませてより詳細に描かれていたり、登場人物や、その人物像、役割が多少違うのはまだわかるのですが、5話終了時点でまだ五十石取りに過ぎない一豊や千代や不破市之丞(千代の養父)が原作よりもかなり重要なポジションに据えられており、しばしば戦局を大きく左右するほどの役割を担わせているのはいささかやり過ぎなのではないでしょうか。
信長、秀吉、竹中半兵衛、お市、ねねといったキーマンたちとの距離感がとにかく近すぎるのです。
もっともっと地味で凡庸な「一豊様」を描いてくれたほうが原作のイメージに合うのですが...
まぁ、ドラマだからそんなものなのでしょうか。
昨年の「義経」もそうでしたが、下手に予備知識をインプットしていると、史実や原作とのギャップが気になって素直に見れなくなってしまうのが悲しい性ですなぁ...^^;
こういうドラマは原作を読む前に見たほうがよさそうです^^ゞ