ありとあらゆる食品に使われている食品添加物。
健康のためには取らないに越したことはない...ということは何となく理解はしているものの、食品添加物にはどういうものがあって、実際に食品にどのように使われていて、そして最終的にどれくらい摂取しているのかということは実はあまりよくわかっていない...というのが一般的な認識ではないでしょうか。
そんな食品添加物を扱う専門商社に勤めていた著者が、食品添加物使用の実態を明かし、壊れゆく日本人の食文化に警鐘を鳴らすのがこの本です。
この本では、食品添加物が食品加工の現場でどのように使われているのか、どういった加工食品に多く使われているのか、どういった食品添加物がどういった用途で使われているのか、パッケージの添加物表示のカラクリなどを実例を示しながら解説しています。
「白い粉」だけで作られるとんこつスープ...
ドロドロのくず肉に「30種類の白い粉」を加えて作るミートボール...
ふにゃふにゃ低級タラコを添加物に一晩つけるとぷりぷり高級タラコ...
水と油と「白い粉」で作るコーヒーフレッシュ...
○○風調味料...
虫をすりつぶしてできた染料で染めた健康飲料...
などなど...
こういうところだけ読めば加工食品が得体の知れない気持ちの悪いものに思えてしまいます。
実際に加工食品を製造する現場で働く従業員が「ウチの食品は家族には食べさせたくない。」と言うことも少なくないようです。
しかし、この本ではいたずらに食品添加物の危険性や不透明性を指摘するばかりではなく、むしろ「食品添加物がどのように使われているかを知った上で、今一度、忘れかけている日本の食文化を見直してみませんか?」ということ強く訴えています。
その中でもとりわけ今の子供たちの舌が添加物の味に犯されていることを憂慮し、子供たちに手作りの味や食の大切さを伝える努力をしてほしいということを強く主張している点は大いに共感できます。
特に小さい子供を持つお父さん・お母さんに読んでもらいたい、考えさせられる一冊です。