ストレンジャー、地元を走る
昨日が研究会の春学期最終発表会で、終了後の飲み会では開放感からお酒が進んでしまいした。帰りの電車待ちで、ヒアリングに伺ったC社デザインセンターの方と出くわしてしまい、非常に気まずかった… 一日経って、やっとアルコールが抜けたところです。
妹が明日まで予備校の合宿に行っており、母と2人の数日間。朝から地元で母の買い物に付き合ったり、お茶をしたりお昼を食べたり、のんびりした一日を過ごしました。
家と目的地とを往復する日々なので、ちょっと車に乗って地元を走ると、すぐ知らない小宇宙に突入します。降りると素で「どこですか、ここ」って。
小さなギャラリーでの展示会で買い物した後、ものすごく久しぶりにケーキ屋さんキャトーズ・ジュイエへ。
間違いなく、フランス菓子では越谷一のお店です。我が家の近所まではるばるドライブしてきた先輩を連れて行ったこともあったなあ… http://www.14juillet.jp/index.html
それから、今日初めて訪れて衝撃を受けた、ギャラリーじょんのび。
なんと、北国の民家を移築してギャラリーに使っているのです。(移築って、莫大な費用がかかるんですよね…) いい感じに黒ずんだ梁が廻らされた、天井の高い室内は、根拠なく郷愁を誘います。年に三回展示会のために開放しているそうですが、普段は住居。オーナーファミリーは藍染の職人さんで、母屋の隣には藍染小屋があります。今回の展示会は、藍染の服飾製品+ガラス作家江波富士子さんと小西潮さんの器でした。ガラス作家のお二人は、最近メディアへの露出度も高いようです。母が、加藤登紀子ばりの藍染のシルクストールを購入。
近所でこんなにクオリティの高いものに出会えるとは思っていませんでした。掘りごたつで柱時計の音を聞きながらいただいた美味しいコーヒーや、壷に生けてあったガマの穂のお土産など、ホスピタリティにも感激。すぐにまた来たいけれど、今回の展示会は明日までだそうです…
odd eye please!
随分間が空いてしまいました。やれやれ、思い出したように夏らしくなりましたね。
先週、彩の国劇場に蜷川+是枝対談を聞きに行ったのですが、そこへ向かう電車の中でのこと。正面の席に、赤いポロシャツの粋な初老の男性が座りました。ふとお顔を見ると、向かって右の目がノーマルな黒。左の目が透き通るようなブルー。それがもう、アクアマリンのように透き通っているのです。あまりに美しかったので、思わず見入ってしまいました。
odd eye(虹彩異色症)と言うのですね。妹が教えてくれました。小学校に、やはり片目がブルーの女の子がいたそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A2%E3%82%A4
昨年のクリスマスに、右目がブルー、左目がゴールドの猫くんの絵葉書を気に入って飾っていたのですが、あの猫くんもodd eyeだったのか… wikiに色々と出ていますが、役者さんにもodd eyeの方が結構いるのですね。
オーランド・ブルームの恋人(だった?)、ケイト・ボスワースも。
いや、きれいですね… 遺伝子のいたずら。神様のフェティシズムといったところでしょうか。
ロジカル先生に聞け!
久々に病院に行ってきました。趣味ではありません。
主治医の診察日に合わせることができなかったので、本日初めての先生に診ていただいたのですが、結果的に非常に良かったです。
ずっと聞きそびれていた検査の結果を解説していただいたのですが、それが素人の小生にも非常にわかりやすかったのと、「こういう根拠でこの薬を出して、これこれこういう理由でこれだけの期間経過を見るんだ」という辺りの説明に、思わずなるほど!と膝を打ちたくなるような説得力がありました。
主治医の先生も家族のように暖かい方で、家族そろって信頼を置いているのですが、言葉が割りと直感的な方なので、今日の先生は新鮮でした。
そういったわかりやすさとか論理性って、治療のプロセスにおいても非常に重要だと思うのです。心身ともに納得してこそ、元気になれるというものです。
…治したり、教えたり、モノつくったり売ったり、票集めたり。皆違うことをしているようで、な~んか同じようなスキルを必要としているなあと思いました。
Cubic "U"
留守電にも、慌てずゆっくり話しかける祖母。案の定途中でブチッと切れまして、「ハハハ、無慈悲な留守電だ」と言おうと思ったら、なぜか口をついて出たのが「ハハハ、無慈悲なケンタッキーだ」。
「留守電」→「ケータイ」→「ケンタッキー」
後半にかけて激しい飛躍が見られますが、こんな分裂気味な思考回路も、概念辞書は拾ってくれるのでしょうか。
今日は、オフィス什器メーカーのU社にヒアリングに行って参りました。U社は、兄貴分Mの就職先でもあります。
このアクリルキューブ、いいでしょう? 中に入っているのは、U社のエポックメイキング的商品のミニチュア。気泡を入れずに閉じ込めるのは、相当難しいはずです。
これは、U社のタンジブル・インターフェイスという概念に基づいて製作された、プロジェクションテーブルというアーカイブシステムです。実は昨年の春から人伝に聞いていて、ずっと生で見てみたいと思っていました。4.5×4.5のミニチュア入りのキューブ(このサイズも、人間工学的な見地から割り出されたものだそうです)を黒いテーブルの縁にかざすと、画像+テクストの詳細な説明が机上投影されます。
http://www.uchida.co.jp/tsushin/nl/nl-c/c007.html
これはもう、実際にやっていただかなくては伝わらないと思いますが、非常にキモチいいです。説明されるクライアント側だけでなく、説明する側の快適性を追求したという意味で、非常に斬新でした。そういう視点って、結構欠落しているものだと思うのです。
他にも、キューブを並べると順番にガイダンスしてくれたりと、「キモチいい!」を促進する機能が色々と付いています。
ミズノやピジョンに導入されているようですが、元々は社長の一声で開発が始まった、プロダクトアウトな製品。コアチームは、プランナー+技術屋+博物館スペシャリストの3人編成。開発の過程を活き活きと物語るかっこいいスケッチも見せていただいて、大興奮でした。
一式800万。「ミュージアムにどうですか」とのことでしたが… 私に全権があったら、あっさり「三台シルブプレ」って言うと思います。そうでなくとも、本当に余裕があったら自信を持って先生にお薦めしていると思います。そのどちらでもないんだもんなあ… 学校主体のプロジェクトの難しいところです。
デザイナーの方々の人間性に、かなり心打たれました。モノをつくっている人間の余裕を感じました。そして学部生と2人、そんな環境で働けるMに激しく嫉妬しましたw 見てろ…経営で上り詰めて、プロジェクションテーブルをささっと三台注文できるような人間になってやる!と、密かに野心を燃やしたのでした。
バックシャンなテレビ
以前、母が「バックシャン」と言うのを聞いて、意味が解らないながらに(何て80年代っぽい匂いがする言葉なんだ…)と思っていました。”シャン”という響きからそう思ったのか、胡散臭い折衷感からそう思ったのか、最早覚えていませんが。
今日、「バックシャン」に再会しました。しかも何と、テレビの形容詞として。
バブルを目前にして、相変わらず市場を占拠している家具調のテレビに閉塞感を感じた松下のデザイナーが、マスコミやファッション、建築関係者約150名にヒアリングして回った結果、浮かび上がったキーワードは「大型・箱ではない形状・床置き・バックシャン」。
これらのキーワードを軸に、ブラウン管そのもののフォルムを光らせるべくデザインされたのが、1984年発表の「αチューブ」。 http://www.from-casado.com/DESIGN/JAPAN_TV/TUBE/tube.html
販売数よりも、未来的な家具の在り方のプレゼンテーションとして、大きなインパクトを与えたようです。
(参考:『ニッポン・プロダクト デザイナーの証言、50年!』 JIDA、2006年)
…ちなみに「バックシャン」ですが、後姿美人のことだそうです。厳密には、後姿は美しいが、前から見るとそうではない女性のこと。な、なんか失礼だぞ?
(背中をかいてあげたい…)
泳いでいる彼、映画『ネバーエンディングストーリー』のファルコンに似ていませんか?
http://www.flickr.com/photos/28143475@N00/190715883/in/photostream/
ファルコンて、元々ハヤブサのことなんですね。SWのルークたちの船もファルコン号といいますが、こちらのファルコンくんは何とも大きくてふわふわで、埋もれてみたいなあといつも思っていました。
…案外、こういうシーンから着想を得ているのかもしれませんね。
Juste des vetements
熟女に揉まれてきました。ボランティアで。やれやれ… 基本的に女性礼賛主義ですが、こういう時だけは本当に、「もう無理」と思います。
…母のバーゲンに付き合っただけです。前々日の予習もあり、満足のいく結果に終わったようです。小生も、ハンガーラックと試着室の間を何度も行き来した甲斐がありました。
個人的にも収穫がありました。昨年の夏にルーブルの一角にあるMusee de la Mode et du textileで開催された山本耀司の展覧会、「Juste des vetements」のドキュメントが出ていて、お駄賃に買ってもらったのでした。
Musee de la Mode et du textileのページの紹介記事
http://www.ucad.fr/fr/00artsdecoratifs/04archivesexpos/42yohji.html
cinephileさんのページが詳しかったので、紹介させていただきます
http://cinephile.exblog.jp/1487736/
Musee de la Mode et du textile…? 何故観ていないんだ!と思ったら、私が訪れた昨年9月は丁度改装中。雨の中宝飾展だけ観て、向かいのマックで友人Iとメッセして帰った覚えがあります。
ドキュメントは、Yohji Yamamotoの店頭で扱っています。写真が美しいし、テクストも興味深いです。教えてくれた店員さんは、何と入社したての22歳。原田知世似の、非常にかわいらしい方でした。「Juste des vetements」は、内定前にパリまで観に行ったそうです。やはり、そのくらい情熱のある方でないと入れないのですね。
耀司は「洋服は、”ばさっ”と着られてしまうところがいい」とよく言います。小生も○ニクロや○APを”ばさっ”と着ているわけですが(無関係)、そういった意味でこのタイトルは非常に耀司らしいですね。
…しかしまあ、血眼でラックを漁る熟女たちに”Juste des vetements!”とはとても言えまい。
軽やかなアイディアマン
小休止ばっかりじゃねえかという気がしなくもありませんが、小休止。今日は自宅で作業です。
普段しないのに何となく昼寝をしてしまったんですが、劇的にすっきりしまして、むしろ愕然としました。ああ、最近だるかったのは眠かったのかと。寝る前にコーヒーを飲むと、起きた時すっきりしていいですよ♪
.automealさんのケータリングメニューから一品。先週土曜日に秋葉原ダイビルでシンポジウムを行ないまして、その時に出していただいたものです。テーマは「秋葉原でアフタヌーンティー」だったそう。ミントの緑が目に鮮やかです。こちらにもっときれいな写真がたくさんあります
→http://www.add-info.com/meal/archives/001063.php
この一週間(?)は思い付きで読書会を始めてみたり、未来の職場で友人と実験準備をしたり、C社のデザインセンターで冷や汗だらだらのヒアリングをしたり(デザイナーがえらいシビアだった)、上記のシンポジウムがあったり、ちょこちょこと動きのある一週間でした。そうそう、上野に若冲展も観に行きました。
…読書会といえば、後輩に教わって始めたブクログ→http://booklog.jp/users/delestage/
ビジュアリスティックで、楽しいでしょ? アマゾンと連動していて、言葉どおりヴァーチャルな本棚を創設することができます。よかったら、仲間になりませんか。まだレビューを書いていませんが、読書会ではIDEOの本を攻めています。気に入った格言を抜き出して、トイレの壁に張っているのですが、心なしか毎日が楽しいです。
特に好きなものを一つ。
プロトタイプ制作はダンスだ。ときには音楽にのれなかったり、ステップを失敗することもある。しかし、それはダンスをやめる理由にはならない。
(『発想する会社!―世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』より)
…最大の学びは、「自分の産んだものに対して、もっと軽やかにならねばならない」ということです。私は頭の固いキャンパスの出身であるせいか、レファレンスする時に、出典とか初出とか、はたまた誰の発案だとかいうことを、すごく気にするタイプです。もちろん権利を認めることは、ある程度活動の根拠になるわけで、重要といえば重要なのですが、こだわりすぎると逆に新しいものを産み出しにくい状態をしていくんだな、ということを感じました。
日常においても、「あれ?それはあなたの成果物…?皆のブレストの結果じゃないの?」と思うシーンはぽつぽつとあります。後輩などのプレゼンで、目に余る場合は注意しますが、IDEOのやり方を観ているとそれもナンセンスだったかなと。本当に才気あふれる優秀な人は、まるでアイディアの泉のようで、自分の発案が幾度ものパスを経て昇華していくことを、むしろ喜んで傍観しているのです。思えば、私の周の優秀な人は皆そうかもしれない。
ちゃんと読んでいないので自信がありませんが、web2,0もそういう発想ですよね。ウィキペディアも、書き込む時はコピーライトの放棄を求められます。でもそれを超越したビジョンがあるから、今日も更新されていくわけです。
…せめて心構えだけでも、今っぽい人間になりたいものです。
フードの写真をもう一枚。先生と企業さんに連れて行ってもらった六本木のイチイ
→http://www.weeds-corp.com/ichii/
生ハムの下に敷かれた、ピンク色のソースが気になりますよね。ホールの方を通して聞き出したのですが何のことはない、黙って色を楽しんでいれば良かったのだと悟りましたw
『主役の男が女である時』
先週から放っておいた記事、やっと続きを書きます。コンドルズ埼玉公演以来のダンスです。大分趣向が変わりますが…
ヤン・ファーブル、私は初めて観たのですが、何とあの昆虫記のファーブルの曾孫なのだそうです。ジェンダー論と舞踊論を専門にする学部時代のゼミの先生が評を書いていたこともあり、私好みのダンスに思えてすぐ予約しました。正確には、会員証を渡して予約してもらいました。どんなに過激な内容のパフォーマンスでも、常に親子仲良く観に行く我が家。
…開演10分くらい前にバタバタと最寄駅の改札を出ると、タクシー乗り場の前に長蛇の列が。人身事故があったのか何だか知りませんが、非常にたくさんの人がギリギリに到着した模様です。待っていてもしばらく乗れないのは目に見えているので、重い体に鞭打って急ぎます。つられて周囲の人も走ります。走る、走る走る―チーム・ヤン!
ダンサーは韓国人のスン・イム・ハー。元々リスベット・グルウェーズというダンサーが演じる予定だったそうなのですが、彼女自身とファーブルの意向で、スン・イム・ハーに変更されたようです。リスベット・グルウェーズのパフォーマンスを知らないので良し悪しの断言はできませんが、スン・イム・ハーヴァージョンを観ることができてよかったなあ、と思いました。なんというのか非常に清潔で、無垢で、明るいオーラが満ちていました。そして、いい意味で深刻さがなかった。そもそも、深刻に踊るダンスではないのかもしれません。コピーの”至福”という言葉が、妙にかっちりきました。
深刻でないとは言え、後半は一糸纏わぬ姿で、吊り下げた瓶から滴るオリーブオイルにまみれて激しく踊ります。肌がつやつやと金色に輝いて、今生まれてきた動物のようです。踊りながらスン・イム・ハーは、金属の球やオリーブといった男性のメタファーを弄び、性別と性別の間を行ったり来たりします。それはちょっと滑稽で切ないくらいなのだけれど、一定感覚で盛り上がる音響と相まって、女の体の恐ろしさみたいなものが迫ってきます。
…ボーダレスで、非常に体育的なダンス体験でした。ふう~と汗を拭って客席を立つような。飛び散ったオリーブオイルのお掃除が大変なのでしょう、夜の公演のために、あっという間に追い出されましたが。











