「吹き抜けって、寒いんですよね?」
「吹き抜けって、寒いんですよね?」
これも、ご相談の中でよくいただくご質問です。
「冬は暖房が効かないと聞いたので。」
「光は入れたいけれど、寒いのは困ります。」
そんなお話を伺うことも少なくありません。
確かに、そう思われる理由はあるのだと思います。
でも私は、このご質問にも、すぐには「寒くないですよ。」とも、「寒いですよ。」とも、お答えしないことが多いんです。
「吹き抜けの、どんなところに魅力を感じられていますか?」
そんなふうに、お聞きすることから始めています。
すると、ご家族によって理由は本当にさまざまです。
「明るいリビングに憧れているんです。」
「開放感があって気持ちよさそうなので。」
「家族の気配を感じられるかなと思って。」
「SNSで見て素敵だなと思いました。」
同じ「吹き抜けが欲しい」という言葉でも、
その理由は、一つではないように思います。
以前、ご相談いただいたご夫婦も、
「吹き抜けには憧れるけれど、寒いですよね。」
と少し迷われていました。
そこで、
「吹き抜けが欲しいと思われたのは、どんな暮らしを想像されたからでしょう。」
と、お聞きしてみました。
すると奥様が、
「朝、カーテンを開けたときに、光がたくさん入る家って気持ちよさそうだなと思って。」
と話してくださいました。
その一言を聞いて、
もしかすると求められているのは、
吹き抜けそのものではなく、
明るく心地よい朝なのかもしれない、と思いました。
そう考えると、
吹き抜け以外にも方法があるかもしれません。
窓の位置を工夫すること。
高窓を設けること。
庭とのつながりを考えること。
そんな設計でも、その願いを叶えられる可能性はあります。
もちろん、
吹き抜けだからこそ生まれる心地よさもあります。
縦に広がる空間。
季節によって変わる光。
家族の気配がゆるやかにつながる感覚。
それは、吹き抜けならではの魅力かもしれません。
一方で、
快適に暮らすためには、
断熱性能や窓の性能、空調の計画も、とても大切になってきます。
吹き抜けだけを切り取って、
「寒い」「寒くない」と言い切ることは、少し難しいように思うのです。
ですから、
「吹き抜けって、寒いんですよね?」
と聞かれても、
私は、まず別のことをお聞きするようにしています。
吹き抜けが欲しい理由は、何でしょう。
明るさなのかもしれません。
開放感なのかもしれません。
家族とのつながりなのかもしれません。
その理由が見えてくると、
吹き抜けが一番いい場合もありますし、
別の方法の方が、そのご家族に合っていることもあります。
家づくりでは、
「吹き抜けをつくるかどうか」よりも、
「どんな暮らしを望まれているのか」。
私は、そこから一緒に考えていけたらと思っています。
「リビングは広い方がいいですよね?」
「リビングは、広い方がいいですよね。」
これも、ご相談の中でよくいただくお話です。
家族が集まる場所ですし、
開放感もありますし、
せっかく家を建てるなら、広いリビングに憧れる方も多いように思います。
私も、そのお気持ちはよく分かります。
でも私は、このお話にも、すぐには「広い方がいいですね。」とはお答えしないことが多いんです。
「どんな時間を、そのリビングで過ごしたいと思われていますか?」
そんなふうに、お聞きすることから始めています。
すると、ご家族によって返ってくる答えは、本当にさまざまです。
「子どもがのびのび遊べるようにしたいんです。」
「友人を呼ぶことが多いので。」
「家族みんなで、ゆっくり過ごせる場所にしたくて。」
「なんとなく、広い方がいいと思っていました。」
同じ「広いリビング」という言葉でも、
思い描かれている暮らしは、それぞれ違うように思います。
以前、ご相談いただいたご夫婦も、
「できるだけリビングは広くしたいです。」
とおっしゃっていました。
そこで、
「今のお住まいでは、リビングでどんなふうに過ごされていますか。」
と、お聞きしてみました。
するとご主人が少し笑いながら、
「結局、家族みんなダイニングテーブルに集まっているんですよ。」
と話してくださいました。
ソファはあるけれど、
食事のあとも、そのままダイニングで話をしている。
そんな毎日だったそうです。
そのお話を伺って、
もしかすると必要なのは、
リビングを広くすることではなく、
家族が心地よく集まれる場所をつくることなのかもしれない、と思いました。
もちろん、
広いリビングがぴったり合うご家族もいらっしゃいます。
一方で、
リビングを少しコンパクトにして、
その分だけ書斎をつくったり、
庭とのつながりを豊かにしたり、
収納を使いやすくしたり。
そんな選択が、そのご家族らしい暮らしにつながることもあるように思います。
家の広さには限りがあります。
リビングを広くすれば、
どこか別の場所とのバランスも考えることになります。
だからこそ、
「広い方がいい」と決める前に、
何を大切にしたいのかを考えてみることも、大切なのかもしれません。
ですから、
「リビングは広い方がいいですよね?」
と聞かれても、
私は「広い方がいいですね。」とは、お答えしないことが多いんです。
まず知りたいのは、
そのリビングで、どんな時間を過ごしたいと思われているのか。
家族みんなで食卓を囲む時間なのかもしれません。
休日にのんびり本を読む時間なのかもしれません。
お子さんが元気に遊ぶ毎日なのかもしれません。
その暮らしが見えてくると、
必要な広さも、ご家族ごとに少しずつ変わってくるように思います。
家づくりでは、
部屋の大きさを決めることよりも、
そこで流れる時間を想像すること。
私は、その時間を一緒に思い描くことの方が、大切なのではないかと思っています。
「平屋にしたいと思っています。」
「平屋にしたいと思っています。」
最近、本当によくいただくご相談です。
雑誌やSNSでも平屋を見かけることが増えましたし、
「将来のことを考えると平屋がいいですよね。」
というお話を聞く機会も多くなりました。
そう考えられる方が増えているのも、自然なことなのかもしれません。
でも私は、このお話をいただくと、すぐには「平屋がいいですね。」とはお答えしないことが多いんです。
「どうして平屋にしたいと思われたんですか?」
そんなふうに、お聞きすることから始めています。
すると、ご家族によって理由は本当にさまざまです。
「階段がない方が安心だと思って。」
「家族との距離が近くなりそうで。」
「掃除が楽そうだから。」
「なんとなく憧れているんです。」
同じ「平屋にしたい」という言葉でも、
その背景は、一つではないように思います。
以前、ご相談いただいたご夫婦も、
最初は「平屋しか考えていません。」とおっしゃっていました。
そこで、
「平屋の、どんなところに魅力を感じられていますか。」
と、お聞きしてみました。
すると奥様が、
「子どもがどこにいても気配を感じられるのがいいなと思って。」
と話してくださいました。
その一言を聞いて、
もしかすると求められているのは、「平屋」という建物の形ではないのかもしれない、と思いました。
ご家族のつながりを感じられる暮らし。
それが本当に望まれていることなのかもしれません。
もちろん、
平屋だからこそ実現しやすい暮らしもあります。
階段がない安心感。
上下の移動が少ない生活。
庭とのつながり。
ワンフロアならではの心地よさは、確かにあるように思います。
一方で、
土地の大きさや周辺環境によっては、
二階建ての方が、そのご家族らしい暮らしになることもあります。
庭を広く残せたり、
周囲からの視線を避けながら明るさを取り入れられたり。
そんな可能性もあるからです。
ですから、
「平屋にしたいと思っています。」
と聞かれても、
私は「平屋がおすすめですね。」とは、お答えしないことが多いんです。
まず知りたいのは、
平屋で、どんな暮らしをしたいと思われているのか。
家族の気配を感じながら暮らしたいのかもしれません。
将来も安心して暮らせる家にしたいのかもしれません。
庭とのつながりを大切にしたいのかもしれません。
その願いが見えてくると、
平屋がいいのか、
二階建てがいいのかという答えも、少しずつ見えてくるように思います。
家づくりでは、
建物の形を決めることよりも、
その中でどんな毎日を過ごしたいのか。
私は、そこから一緒に考えていけたらと思っています。