今日から、そのときに読み終わった本のレビューを書くことにしました。

で、今日は記念すべき1回目。

レビューする本は、『野生の思考』(著者:レヴィ・ストロース)。

読み終えるのに、1月以上かかり、しかも内容が難しくてとっつきにくかったです。

内容は、われわれ文明人の思考と未開人の思考に、本質的な差は全くなく、むしろ未開人はわれわれが気づかないような微細なモノや事象を区別して名前をつけている、という話です。

そして、そうした未開人の思考は「野生の思考」とも呼ぶべきもので、われわれ文明人にも通じる、ということです。

その具体的な例として、世界各地の未開人(インディアン、アボリジニーなど)を引き合いに出しながら、彼らのモノや事象を言語をして構造化していくプロセスを解説しています。

大学1年のときに文化人類学の講義を受講してから、文化人類学への関心が高まって、今回はこの分野では有名なレヴィ・ストロースの著書を読んだわけです。

1976年に出版された本だけど、今読んでも全然古臭くなく、とても刺激的で面白かったです。

そして、この本の中で印象に残った一節がこれ↓

「人間の多様性を研究しようとするなら、身近なところを見つめなければならない。しかし人間の一般性を研究するにあたっては、遠くを眺めることを知らなければならない。固有性を発見するためには、まず差異の観察から始めなければならない。」

これはルソーの言葉を本書において、引用していたものであるが、これから本格的に研究に取り組もうとしている僕には、研究に通じるものを感じ取り、この言葉を忘れないように心掛けたいと思いました。
今日、野沢正光さんの特別講義が上のタイトルでありました。

今回はその内容を自分なりにまとめてみます。

内容は大きく3部構成で、最初に『1930年代~70年代の日本の建築について』、次に『技術的観点からみたデザインの変遷について』、最後に『野沢さん自身が設計した建物について』で語られていました。


1.『1930年代~70年代の日本の建築について』
ここでは、野沢さんいわく【「デザインすること」を自分に説明してくれる理屈がほしい】ことを体現した建築を取り上げていました。

最初に、昭和初期の実験住宅である「聴竹居」(設計:藤井厚二)を紹介して、この時代に高温多湿の気候に対していかに『夏を旨とする』建築を設計しようとしていたかを説明してくれました。

続いて、「山越邦彦自邸」や吉村順三の作品(「NCRビル」「脇田邸」「亀倉邸」「宮本邸」「池田山の家」)を取り上げてました。

特に、「NCRビル」(1962年竣工)は、ファサードに設備がデザインされている建築として、レイナー・バンハムの「環境としての建築」に紹介されるに値する作品との話は刺激的でした。


2.『技術的観点からみたデザインの変遷について』
続いて、野沢さんは「サステナブルデザインが次の技術テーマではないか?」と述べ、近代以降の技術の変遷について、海外の実例を挙げながら語ってくれました。

具体的には、時代順に
「ブルネルが設計した橋」…設計プロセスでの合理的アプローチ
「ストックホルム駅舎」…気候的にスチールで作るのは難しいので集成材で設計
「ファン・ネレ工場」…目的に合わせたものを、目的に合わせて作る
「グリムショウが設計した巨大温室」…3層のメンブレンで構成されていて、湿度の状況に応じてコントロール可能

そしてその流れで、現代のノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノの建築を『エコロジー』と『サステナブルデザイン』の2つで説明でき、現代版“Less is More.”を実現しているのではないか、と野沢さんは説明されました。ここでは、Less=最小限の資源材料、More=より快適に作る、を意味しており、サステナブルデザインをうまく言い当てていると思いました。

さらに、【気候をデザインすること=その場所の微気候の読み取りが大事(府中と国分寺でも異なる)】や【環境をコントロールするテクノロジーは、様相に合わせて様々に変化しているのではないか?】との発言は印象深かったです。

ちなみに後者の発言は、ドイツの構造家ヴェルナー・ゾーベックが設計した「ガラス張りの自邸」や「ポストタワー」を引き合いに出しながら出てきたものでした。


3.『野沢さん自身が設計した建物について』
最後に野沢さん自身が設計された「いわむらかずお絵本の丘美術館」「長池ネイチャーセンター」「野沢正光自邸」を紹介して、講義が終わりました。

その各建築では、随所に気候を目に見える形でデザインに落とし込んでいて、無駄がなくかつすべてのデザインが説明可能である印象を受けました。

特に【「痛まないこと」が建物をつくる根拠になるのではないか?】との発言は、前半で紹介された「NCRビル」と通じるもので、今回の講義の中でも伝えたかったコア部分であると思います。


4.まとめ
野沢さんは、【建築は骨・皮・マシンの3つで出来ている】と述べ、この3つそれぞれの理屈あるデザインを通じて、サステナブルデザインが実現できると言いたかったのだと思います。

それは例えば、骨であれば木構法のアイデアであり、皮であればペア障子であり、マシンであれば温熱の供給システムであったり。

加えて、「Royal Festival Hall」で『快適な室内と快適な運営』、「Tate Modern」で『建物のプログラムを考えること=建物を継続的に使うために必要なこと』と指摘していたように、ソフト面をデザインすることの重要性も考えなくてはならないでしょう。

今日の講義を聴いて、自分の中でのサステナブルデザイン観がかなり整理されました。その上で、去年読んだ『環境としての建築』をもう一度読み直してみようと思います。

昨日、大学の先生のオープンハウスを見にいって、そのついでに「表参道ヒルズ」も見に行ってきました。

まずはオープンハウスから↓




一般的に建築雑誌に掲載されるような家は、たいてい家具が納まっていないので空間構成がいいのか悪いのかよくわからないのが実情です。

ところが昨日は家具の入った状態で拝見できたので貴重な体験でした。

今回は空間構成というより、材料の使い方とその納まり方が特徴的だったと思います。

また、家が中庭を囲むようなつくりになっていて、光の入り具合といい、とても心地よかったです。(別に持ち上げているわけではありません)


次に表参道ヒルズ↓

土日だからなのか、それとも表参道ヒルズ効果なのか、表参道の通りはありえないくらいの人だかりでした。

そして、いよいよ話題のヒルズへ!

内部の紗路が表参道の坂の勾配と同じとのことですが、歩ききるにはちょっと長い気がしました。





あと階高がとても低いのが気になりました。商業施設なのに住宅と同じ2300mmくらいだと思います。

僕は途中で歩きつかれて、エレベーターを使ってショートカットしてしまいました。

それでも、一番下まで降りて改めて全体を見渡してみると、何ともいえない迫力を感じました。
たぶん学校の建築設計課題でこういうのを作ったら、絶対先生に注意されそう(笑)

空間構成は、斜路が折りたたまれているのが特徴的なこともあって、OMAの「ベルリンオランダ大使館」や「エデュカトリアム」と同じフォールディングアーキテクチャーを連想しました。


安藤さんも、こんなことやるんだな、と。

そして、これだけのテナントを誘致した森ビルの努力は並々ならぬものを感じました。

ただ、斜路にはたくさん人が歩いていたけれども、お店にはあまり人が入っていませんでした。
これからが本当の勝負なのでしょう。


帰りは裏原宿のお店で『ラムステーキ丼』を食べて帰りました。880円ですが、ごま油が効いていてともておいしかったです!!!