さて、この5話〜7話が前半の肝というべき要素が詰まっています。でもそれは今は無視して秋月、蕭白、春花の中の【愛】についてのみスポット当てていきますね。もうこの検証をあらすじがてら読んで下さい。あらすじ30話も書けんわ。←離脱
まずは続き。
何故こうなったかと言うと…葉顔が妹である小蕾が図々しく帰宅したと思い込み、消そうとしたので仕方なく花闕をヤってしまいました。
そこで、秋月は最初こそ葉顔に対して怒りましたよ、春花の兄を殺したな!ってでも、おい待てよ…どうせ春花は別人級に記憶がない(秋月も別人と気付いてます。気付いていながらの芝居です)
だったら兄になりすます絶好のチャンスやん。という打算ですね。秋月のこういう狡猾な部分は結局いつか自分の首を絞めます。
この、春花の意識又は魂が入った身体の花小蕾の実家で起きる事は秋月の心理を探るヒントが沢山あります。というのも、この花家の娘であるという事が判明してからの蕭白の態度がこれまでと一変して軟化した事も秋月の心の闇をざわつかせているからです。
心に風鈴があると想像して下さい。この辺りから秋月の心にずっと絶えず風に揺れる風鈴が鳴っているような感覚です。決して大きな音ではない。心地も悪くない。
ただその原因である心に吹き来る風が何の風かは分からない。それが次第に強まり嵐となる。あまねく空をうねり嵐となる。嵐の最中にその風の名が【愛】だと知ります。ですからまだまだ序の口入り口に立ったばかりです。
春花の兄花闕になりすました秋月。
蕭白と会う事になる。花家とは疎遠だった事、千月洞洞主秋月を誰も見たことがないので白は花闕と信じます。
しかし、目の前でまぁ春花は白にアタック中。秋月はいちいち面白くない。
この表現を秋月役の李宏毅君が見事にやってます。そこを見てください。
蕭白にうっとりの春花に
蕭白は君子なので、未婚の男女が?とか実家がわかったのに?とか言えば春花をあっさり置いて帰るのはわかりきっています。
それを見ては寂しく思う秋月。
未練がましいのはどっち?
結局、白と引き離す事に成功する。
この時、春花にとって兄だと思っていた秋月が実は兄ではなかった。
前日に実兄がやって来ましたからね。真実は春花の前身(春花の意識が入り込む前)の花小蕾とただならぬ仲だったと。ここが春花へついた嘘の1つです。
でも、秋月は春花のあの言葉に執着を見せます。
『ずっと一緒にいる』
その言葉はその場凌ぎに何気なく春花が放った言葉です。結構重い言葉を使うんです。
相手によりますが秋月にとってのその言葉の破壊力は尋常じゃない程、心の硬い殻を破壊して春花が押し入ってきた。そんな感じだと思います。
ですから強く執着する。
秋月の心春花知らず。
何で邪魔するか妹でもないのに妹と呼ぶのか聞く春花に
【家族】この言葉が実は全てです。
秋月は春花に対して事実とは違うことは言いますよ。その場凌ぎの嘘を。
兄妹ではないのに妹だとか。利用しようとしていたのも確かです。そもそも、別人のような花小蕾の記憶喪失の事実確認でもある。
でも感情についての発言には一切嘘は言わないのです。終始正直に話しています。
アザの事は何故知っているのかと聞くと
今度は記憶喪失前の事を持ち出し春花の弱味で縛ろうとする。それを言われたら春花は前身花小蕾と秋月がどうだったか分からない。知っているのは花小蕾と秋月だけなのですから。
秋月は蕭白以上に不器用な男だなと思う部分です。脅迫ですからね。
白には言えるはずもない事実。
本当の兄も同じ事を言っていた。【夫婦同然であった】と。
でもそれを春花は思い出さずに封印すると言う。
秋月との過去は無かったことにする。
それは秋月からすれば春花からの完全なる拒否。否定です。
その言葉に傷つく秋月。
私は単に怒ってるのかと思いましたが、秋月は春花の言葉にいちいち傷ついている。
入れ物だった小蕾は我を愛したのに何故中身の春花は我を愛さぬのか?
この言葉って、小蕾と春花が別人である事を秋月がわかっているからこそ出た言葉ですよね?
春花は私達春花と秋月には縁はなかったと言い切ります。でも、秋月は怯まない。欲しいものは全てどんな事をしても奪ってきた男です。
春花をあくまでも妹。家族だといいます。言い張ります。
プチ検証兄妹てなんぞでやりましたが
すなわち『春花は私が守るべき者だ』と言っています。
食い下がる秋月に苛立つ春花ですけど、でも春花もかなりやっちまってます。正直小悪魔です。というより相手が悪かった。
だって家族の愛に飢えた孤独の男に『兄上には私がいる』ってあの千月洞で中秋節で言っちゃったんだもの…悪気はないけど罪深い。
春花は春花で孤独で寂しげな兄を想い発したのです。
こういう経緯があるので春花は嘘に怒るし、秋月は妹や家族にこだわり春花に執着していきます。
其処には【千月洞洞主の妹】である者に対しての執着もあります。これはまだ後になりますがよく例え話に出る【誰か】の事。その誰かを春花に投影しています。
春花からしたら秋月にとって花小蕾は蕭白の許嫁であり、利用価値も都合の良さもある。だからこそ秋月の言葉には不信が募る訳です。
【不信感】とは一度ついたら拭えない、半紙に落とした墨の点みたいなもの。ゆっくりと時間をかけて滲み大きく広がる。消そうとして消せるものではないのです。
でも、無碍にはしないのが春花。懐の広いというか柔軟な所。だってこのまま言い合っても埒が空きません。平行線ですから。
貴方がそう望むならそれを受容する。
『あの件』はどの件だ?
よく言うよ。
春花の単純で純粋な部分を突けば良いとわかっている所。
春花が先に取引したのに、白には言わないことを認めるかわりに理想の妹を演じればな。
と逆に弱味を味付けにしてくる。
そう言われたら弱くなる春花。
理想の妹でなければ事実を蕭白に告げても許される。というフラグを立てた部分です。
結局秋月に言いくるめられています。
でもその春花の愚かさが秋月には可愛い。
あっさり騙される。
その夜、兄花闕として妹の部屋を訪ねる秋月。
妹として兄の言うことは何でも言う事聞くんだろ?的な感じで寝所で戯れようとします。
氷蚕珠の競走。
どちらの光が早く消えるか…
これは私、秋月の幼少期に弟妹がいたらしたかった事なんだろうなと思うのと同時に、春花との2人だけの空間を味わいたい男心の表れだと思って切なくなる所です。
凄く好きなシーンなので、その後や番外に書き立ててますがね。秋月の無垢な魂を垣間見てしまう訳です。魔性の男。女子と寝所に入ったらヤることは1つな筈なのに…その魔性の色気と、純情さのチグハグに心が震えます。
自分の光が消えそうになって思わず珠を持ち出し外へ出て月光補充する春花
そうです。氷蚕珠は互いに呼び合う珠。
だから競走なんて意味がない。どちらかの光がなくなるなんてありませんから。
秋月は春花を心の中で呼び、春花もそうである。と言い聞かせる訳です。
互いに呼び合う珠を渡された意図を感じ、そして、競走にならないのに布団を被って狭い空間に居たがった秋月の男心に気付き春花は黙ってしまう。
秋月の話もまともに聞くと心揺れますから、時々春花は無視します。無視というか敢えてスルーというか。
この時、秋月の目には春花しか映っていない事に気付いてキュン死しかけました。
珠に月光浴をさせる春花をただ見つめる姿に何処か切なさがあります。
趙露思ちゃんのまた小悪魔的な動きやググ3段活用的に甘えたりするのも可愛いし。
話それましたが。この花家編はじっくりやりますんで次回をお楽しみに!←してねーわ。
その3へつづく