ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていく。この事態に危機感を抱いたイギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じ、1940年5月26日、軍艦はもとより、民間の船舶も総動員したダイナモ作戦が発動。戦局は奇跡的な展開を迎えることとなる。
こちらは2017年制作の イギリス アメリカ
フランス
オランダ の合作映画です(106分)
いつもは お家で、DVDで映画を観ている私なのですが、クリストファー ノーラン
監督作で、劇場にて 重低音体感上映 という上映(IMAXは近場になくて) 知人も
興味があるとの事、総合的な判断で 久々に、劇場での鑑賞と相成りました
お話は 第二次大戦中のフランス 英仏連合軍が、ドイツ軍の攻撃に遭い フランス北
部の ダンケルク の海岸まで、追い詰められてしまっています 後ろからはドイツ軍、
前には冷たく荒ぶる海 逃げ場の無い状況の兵士達 その数は 40万人 その兵士
達を、対岸のイギリスへと救出させる為に行われた 軍、民による一連の行動を陸 海
空 の3つの視点から描いた、史実に基づく 力作でありまするが、日本人の私達には
(多分) 全く知らない出来事ですが、イギリス人には有名なお話のようです(日本で
は 1986年 三原山 の噴火で、島民等 1万人を民間の漁船も含め、救出したお話は
有名ですが、、、 ) そんなイギリス人には思い入れのある 史実に基づきノーラ
ン監督のオリジナル脚本による本作 オープニング、ダンケルクの人が避難し誰も居
ない町を、6人の兵士が海岸へと彷徨う姿から始まります
上空からはドイツ軍の 宣戦布告 のビラが舞い降りています
そこへ突然、敵から
の銃撃が始まり、逃げまどう兵士達 一人、また一人と倒れて行きます このシー
ン、まぁ~音の大きさに身体が ビクッとなる程の音響で
その瞬間から観客は、
否が応にもその戦場へと叩き込まれてしまうのであります 銃撃からたった一人逃れ
た新兵の トミー(フィオ ホワイトヘッド)陸パートは彼がメインで描かれます トミ
ー は非常にシンプルで、この戦場から生き抜いて、故郷へ帰る事が最大の目標であり
ます 戦争どうこうではなく、ただただ生き延びて帰りたい! その為には多少のず
るい手を使ってでも、数少ない船に乗り込もうとする姿は、姑息でいやらしくも見え
ますし 自分だったら同じようにしてしまうだろうな~、という共感もする 人間の
2面性をこちらに感じさせるようなキャラクターであります
空パートは、イギリス空軍の スピットファイア戦闘機 3機に搭乗するパイロッ
トの ファリアー(トム ハーディ) と コリンズ ダンケルクの海岸に避難している仲間
の軍を、ドイツ軍の空爆から守る為、敵機との空中戦となります 隊長機は撃墜さ
れ、コリンズの機も攻撃により 海へと落下して行きます ファリアーの搭乗機は燃料
計が動かなくなり、いつまで燃料が持つのか分からない状況での戦闘となっていまし
た ここでの トム・ハーディ は、ずっとマスク
を装着しての演技となり 目 の
み の演技が続きます 戦闘機を降りる一瞬まで、彼の顔が ちゃんと拝めないのは
残念ですが、「大脱走」のラストの マックイーン のような、かっこよさと哀愁の残
る 印象深いシーンでの 幕引きとなるのでした
海パートは、民間人の船長 ドーソン (マーク ライランス) 小型船ながらも息子と青
年を乗せ 対岸の ダンケルク へと向かうのであります ドーソン というキャラクター
がこの映画の中で 良心 という物を一手に引き受けたような設定となっております ダ
ンケルク に向かう途中で、撃墜された機に取り残されたイギリス兵 (キリアン マー
フィー) を助け(その事で青年が負傷する事になってしまいますが) 海上に着水し
てきた コリンズ の命も救う事になります そして遂に ダンケルク の海岸が目前に差し
掛かるのでありました
今作は最初の銃撃を受けてから、ハンス ジマー によるBGMが常に流れ、緊張した人
間の心理を、よく表現した効果として働いています カッチカッチカッチカッチカッ
チ、、、という秒針の動く音や シェパードトーン という、音の高さが無限に上昇し続
けるように人間の耳が錯覚してしまう現象を利用した音と、重低音による不安を予期
させるような音が常に耳に聞こえている状態で鑑賞する事になります







