小さな悪の華
修道院 寄宿学校に通う少女 アンヌ と ロール ふたりは修道院での禁断の書、ボードレールに陶酔していた アンヌは夏休みに行なう“恋魔を祭る儀式”の準備に、聖杯や僧衣を盗む計画を立てた夏休みになり自分の家に帰った二人は牧童を誘惑したり、庭番の小鳥を殺害したり、悪魔崇拝儀式を取り行うなど、思うがままに残酷な行為を繰り返していた。
こちらは1970年制作の フランス 映画になります ![]()
お話の元は、1954年にニュージーランドで起こった 二人の少女が母親を殺害 する
という事件(この実際の事件をほぼ忠実に映画化した作品に、 ピータージャクソン監
督の「乙女の祈り」という、これも秀作ですが、ございます)が監督の脳裏に焼き付
いており、その事件と監督自身の カトリック寄宿学校での体験を織り交ぜた物を、脚
本化したオリジナルストーリーでありますが、映画化にあたり フランスで資金が集ま
らず、ほぼ自費製作になった本作 ![]()
その上当時は、フランス本国のみならず、海外での上映も 日本とアメリカ 以外の国で
は上映禁止となった、いわくつきの作品であります ただそれは映画の内容が 反カト
リック的な内容によるものが大きいのでして、日本等では、さほどピンと来なかった
のかも知れません
15歳の アンヌ と ロール は一心同体のような存在で、カトリックの寄宿舎で暮
らしていながら 悪 というものに魅かれているのでした
ミサの聖体受領のパンを後
の黒ミサの為にとって置いたり、シスター同士のキスを目撃し、神父に告白の名目で
告げ口したりしては二人で楽しんでいました そんな寄宿生活に夏休みが訪れ、それ
ぞれの実家に帰郷します
遂に開放された二人は互いの家も近く、毎日のように会い自由を謳歌します そして
暇つぶしのように近所の農場の男を試すように誘惑してみせます それに乗って来た
男に一撃を食らわせ農場の牛を逃がしてしまいます 次に アンヌ の家にいる精神薄弱
の庭師の小屋に忍び込み、彼が可愛がっている鳥に毒を与え殺してしまいます ここで
は実際の鳥の苦しんで死んでゆく様を、私達も一緒に見る事になるのですが、リアル
の画力を思い知らされます ![]()
次には、農場に火を点け火事にさせる等、エスカレートして行きます そして庭師に
手伝わせ 黒ミサの儀式を行い、二人は固い絆で結ばれるのです 数日後、ガス欠で止
まった車の男と出くわし、両親が居ないのを良い事に家へ招き入れます、男の前で服
を脱ぎ、からかうように誘惑すると、ロール に男が襲って来ます アンヌはその男を
薪で殴り殺してしまい、池に二人で沈めるのでした
夏休みも終わり寄宿舎に戻る二人でしたが、警官が二人を訪ねて来ます あの男の車が
近所に止まっていたからです ロール は不安がりますが、アンヌ は落ち着いてどんな
事があっても二人は一緒だと ロール をなだめます 学芸会が近づいたある日 警官に
アンヌ から招待状が届きます そして学芸会当日、ダンス等が披露された後、アンヌ
とロール二人の詩の朗読が始まります、予定とは違う、学芸会にはふさわしくない
ボードレール の 「悪の華」 を朗読するのですが、、、
本当に大まかなストーリーになってしまっておりますが、書ききれない細かな部分が
多々ありますし、謎は残ります 何故 悪 という物に魅かれていたのか?それは カト
リック という世界に疑問を持っていたからでしょうか、それに対する反発が、教えに
背く事だったからかも知れません 思春期にある、外の世界に対する憧れや、死や性
に対する不安と歪み
![]()
寄宿舎の画面は冷たく、外の世界になると色鮮やかになります そして二人は移動す
るのに 自転車を使っています
その時の二人は本当に楽しそうで、自転車が彼女達
の自由を象徴しているかのようです 映画では思春期なりのエロティックな場面もか
なり出て来ます
それは大抵、異性の 男 を汚らわしい生き物の対象として描かれています、それもべつ
の世界への不安や恐怖の対象だからでしょうか
二人をこの世界に繋ぎ留めて於け
る物が、自己防衛としての 悪 というもので、それが二人の自由だったのでは、と思う
私でありました
ソフトな画面と ダニエルリカーリ を思わせる歌と音楽によって、この残酷でせつない
お話を寓話的な映画にしています 鳥のバレエシーンは可愛くて素敵でした
そして、オープニングとエンディングの重ね方は見事でござりまする ![]()
不思議な魅力を持った作品で、一度観ると記憶に刻まれるような映画ではないかと思
いますので、見かけたら手に取ってみてはいかがでしょうか
では、また次回ですよ~! ![]()













