イディオッツ
人々の偽善を、自ら知的障害者のふりをするというやり方で暴こうとする ストファー を中心としたグループ、イディオッツ。 カレン は立ち寄ったレストランで、口からよだれを垂らし突然泣き叫ぶ彼らに偶然出会う。それが演技だと分かり最初は怒りをあらわにする カレン だったが、次第に彼らに惹かれ、ストファーの叔父の持ち物である一軒家で共同生活を送るグループと行動を共にするようになるのだった、、、
こちらは1998年制作の デンマーク 映画になります ![]()
ラース フォン トリアー 監督の作品で、「奇跡の海」と「ダンサーインザダーク」 の
間に撮られた映画になります この3作を「黄金の心 三部作」と呼んでいるそうです
デンマークで起こった映画製作運動 「ドグマ95」 という撮影制限下の元で制作され
た物で「撮影はロケのみ」「映像と無関係な場所で作られた音を乗せない」「カメラ
は手持ち」「照明効果禁止」といった10項目からなる決まりの範囲の中での本作と
なります 予告と大まかなあらすじを見て、 健常者が知的障害者のふりをして、社会
の偽善を笑いものにして楽しむ、ブラックなコメディ風の映画かと思っていたのです
が、トリアー作品はそうはいきませんでした ![]()
前半は、割とそんな感じでお話が進みます 知的障害者のふりをして社会の人間の偽
善を笑って楽しんでいる、若者の コミュニティ なのですが、高級レストランで知的障
害者のふりをして騒ぎ出し、食事代をタダにしたり、工場見学に行きリアクションを
見て楽しんだり、ガラクタ同然の飾りを作っては、知的障害者のふりをして訪問販売
に出かけたり、彼等なりの大義はあって、愚か者に振る舞う事で、自分の悪い内面を
開放して、真の自分を見いだす といったような事らしいのですが、途中 役所の人間
が、彼等の暮らす家にやって来たリ、本物のダウン症の人達が訪問して来たりするの
ですが、リーダー格の男はそんな彼等に嫌悪感を露わにします この場面の彼の怒り
は、自分も偽善者だと気付いたからなのかも知れません ![]()
後半は、このコミュニティの存在自体を試す為、それぞれの家に戻り、家族の前で白
痴でいられるかを試す事になります その中の カレン にスポットを当て、私達は カ
レンの行動を見る事になるのですが、カレン は見事にやってのけます しかし家族の
反応は言うまでもありません そのまま家を出て行く カレン その後どうなったのか
ヒントは劇中に挟まれるインタビュー映像にある気がします 誰がインタビューして
いるのかは不明なのですが、どうやら コミュニティが解散した後に撮られているよう
です その中に カレン の姿はありません、、、
本作で トリアー監督が何を伝えたかったのかは明確には分かりません ここに登場す
るイディオッツ (愚者) 達は皆、心の何処かに穴が開いているような、傷を負ってい
るような小心者です、とどのつまりは普通の人間です それが 知的障害者 というバリ
アを付けて、自分達を特別な存在であるかのように振る舞う事で、逆に社会的に優位
に居るかのような目線で、他者を笑っていたのです つまり彼等こそ 障害者を差別
し、利用していたに過ぎない存在だったのではないでしょうか? それを トリアー監
督は、逆説的に表現したような気がします
この作品はビデオで撮影されていて、自然光のみの為 カット事に色味が変化してしま
っている所や、ボケているショットもあります 俳優さん達も細かな部分はアドリブ
で演じています あたかも ドキュメント映画 を観ているような作品で、その為か途中
ちょっと間延び感もあるのは否めません
(裸のシーンも、特別凄い訳でもあり
ません 笑ってしまう程度です)
しかし沢山の映画がある中、新しい物に挑戦しようとする チャレンジ精神 には敬意を
表したいと思う私なのでした 知的障害者を演じる俳優さん達は見事です しかし、
それを良く思えない方も居て当然ですし、観て気分を害する人もおられるかも知れま
せん それは観た方それぞれの判断にお任せするしかありませんが、良くも悪くも記
憶に残る作品だと思いますので興味が湧いた方はご覧になってみてはいかがでしょう
か、です
では、また次回ですよ~! ![]()










