アンダーグラウンド映画の帝王とも呼ばれた映画監督 ケネス・アンガー の作品

 

 

 

 

 

 

                    -  LUCIFER RISING  - 監督 ケネス・アンガー

 

              こちらは1972年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(29分)

 

 

 

 

  普段レンタルや配信ではなかなか観れない摩訶不思議なアンダーグラウンド映画を探していたら本作にめぐり合いました。 初のケネス・アンガー体験でございます。

 

 

 

 

彼の作品の多くは自身が深く傾倒する神秘主義、悪魔主義をテーマに描かれていて、本作は特にその思想を具現化したような作品になっています。

 

 

 

 

この作品の撮影は1966年に始まっていたそうですが、主演を演じた少年の事故死によるキャストの変更、フィルムの盗難、代役の役者がマンソンファミリーの事件に関わり逮捕という諸々の事情の末、80年になって公開されたといういわくつきの作品です。

 

 

 

 

映画の内容としては、監督の主観と特異な表現で映像が綴られている事、言葉による説明がない事、オカルト的な自然、神秘主義な解釈も相まって、具体的な理解は難しい内容ではありますが、一応の流れはある為ちゃんと楽しみながら観れる作品です。

 

 

 

 

 プログレッシブなギターの音色と共に、画面に映し出される大地とマグマの噴火

 

 

 

 

 

 舞台は古代エジプトになり、神話のイシスとオシリスが天に向かって祈りを捧げます

 

 

 

 

 

 奇跡は起こり、悪魔であるルシファーが誕生しました

 

 

  

 

 ベッドから起き上がった彼は光る筒を取り出し、金の玉座に君臨します

 

 

 

 

 

 美しい少年を殺したルシファーはその返り血を浴びますが、浴槽でその血を洗います

 

 

 

 

 

 石棺から灰色の女が起き上がります 遺跡の前で天に祈りを捧げます

 

 

 

 

 

 頂上を目指す信者のたいまつ 女も一人で山頂を目指していきます

 

 

 

 

 

 頂上に辿り着いた女は神殿に向かって祈り、太陽のご加護を浴びます

 

 

 

 

 

 不気味な儀式を行う信者 ノリノリの音楽に合わせトランス状態になるサイケな映像

 

 

 

 

 

 後ろに LUCIFER とで描かれたスカジャン姿のドヤ顔ルシファーが登場!

 

 

 

 

 

 トランプで運命を占うルシファー 最後はそれすらも放り投げてしまいます

 

 

 

 

 

 赤と白、白と黒 のいで立ちで登場したルシファー 人種を象徴しているのでしょうか

 

 

  

 

 

 お化粧とバスローブ 誕生日らしいケーキのデコレーションは宇宙船か核なのか

 

 

 

 

 

 爆発によって破壊されてしまった部屋 誰かを失い、悲しみの涙を浮かべる女性

 

 

 

 

 

 死んだのはルシファーか? 灰色の女はルシファーに似た男と出会いました

 

 

 

 

 

 神殿を歩くイシスとオシリス ルシファーが天に祈りを捧げます

 

 

  

 

 天から稲妻が落ち大地が裂けます それを見ていたイシスが手を掲げると

 

 

 

 

 

 神殿の上空に赤い物体が飛来してきました 新たな何かの力が統治するのでしょうか

 

 

 

 

 

 古代エジプトの舞台を軸に過去、現在、未来の時間が交錯して描かれる独特な世界観

 それを上回る斬新でチープな映像とサブリミナルが私達を異世界に誘います。

 

 

 

 

上映中ずっと流れる音楽もロックを中心にかなりプログレッシブなもので、何故か不思議な高揚感があります。 製作当初はレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが担当していたというから驚きです。

 

 

 

 

80年代のパルコのCMのような攻めた映像と、「不思議、大好き。」的な訳の分からない世界観がみっちりと詰まった観念トランス映画の本作。

 

 

 

 

日常に刺激を求めている方にはもってこいのアンダーグラウンド作品だと思いますので、機会がありましたらご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー