ニンフォマニアック
寒い冬の夜、年配の独身者セリグマンは裏路地でぶちのめされたジョーを見つける。
セリグマンは彼女を家に連れケガの帰り治療をし、彼女の人生について尋ねる。ジョーは高度にエロティックな人生についての淫欲にまみれた物語を8章にわたって語る。
こちらは2013年制作の デンマーク
ドイツ
フランス
ベルギー ![]()
イギリス
による合作映画です。
「ニンフォマニアック」=「色情狂」 というタイトルの本作は、女性のセクシュアリ
ティをテーマに強い性的欲求を抱えた女性の半生を2部構成で描いたR18作品です
これを監督したのが クセが強い!でお馴染みの ラース・フォン・トリア―。 観たい
と気にはなっていたものの、Vol. I が117分 Ⅱが123分と2部構成の長尺作品。
勇気のない私はそれぞれ2週に分けてお取り寄せして鑑賞致しました。
映画は早朝の路地裏でセリグマンという男が傷だらけで倒れている女を発見する
所から始まります。彼は女を家に運び入れ介抱します。女の名前はジョーと言い、こ
こに至った彼女の性にまみれた幼少期からの人生を、セリグマンとの対話によって回
想を始めるのでした、、。
作品は大きく2部構成で、それぞれのエピソードが8章によって語られます。
Vol. I 1「釣魚大全」 2「ジェローム」 3「H夫人」 4「せん妄」 5「リトル・オ
ルガン・スクール」 というタイトルが付けられた章では、子供時代の父との思い出
と性の目覚め
処女喪失への憧れ、ジェロームとの初体験、複数の男性との性交、ずっと気になって
いたジェロームに再会し性交するもジョーはに何も感じなくなってしまう、、。
Vol.2 6 「東方教会と西方教会(サイレント・ダック)」 7「鏡」 8「銃」 不感症
ながらもジェロームとの間に子供を授かるジョー、快感を取り戻そうとSMの世界へ
快感を取り戻すがその為に子供とジェロームとは別れる事に、
禁欲のカウンセリングに通うも色情狂である自分を受け入れてしまう、会社勤めを辞
め取り立て屋へ転身、仕事でPという娘と知り合う、Pとは公私共にパートナーへ、
取り立て先でジェロームとPが関係を持つ嫉妬からジェロームを殺そうとするが、、
というジョーの人生を様々なイメージのコラージュ映像と宗教、哲学、文学的な会話
によって綴られます。 この手法は本作の次に作られた 「ハウス・ジャック・ビル
ト」 でも応用されていて、トリア―作品の中でもテーマはともかく、映画としてはか
なり観やすい作品です。
色情狂のジョーと性交経験が全く無いセリグマンとの対比や、ジョーが苛烈な性体験
を回想する度に、釣りや音楽、ユングや哲学という膨大な本からの知識で例えるセリ
グマン。 セックスとインテリジェンスの対当バトルが面白く、時々交わされる言葉
の中には撃ち抜かれるようなドキッとするセリフがあったりと刺激的です。
そのままのセックスシーンや局部 (当然ボカシがありますが) のオンパレードです
が、あまりいやらしさを感じる事がないのは映像の美しさだったり、見せ方のセンス
だったりを感じます。 逆に言えば、性本来の汚らしさはソフトに止まった感があり
ます。
一通り話を終えたジョーは 「私はセクシャリティーを排除する」 と告げ眠りにつきま
すがちゃんと最後にはトリア―映画らしい流石のエンディングが待っていました。![]()
「もしこれが男性の物語であったなら、とても凡庸なものだっただろう」 と語るセリ
グマンの言葉にもあるように、拭いきれない男、女、という性の呪縛。 それを強烈に
印象付けるラストはある意味痛快でもあり、結局人間なんてこれの繰り返しなのだと
思い知らされた私でありました。 ![]()
懺悔室のようなセリグマンの部屋と、そこで告解しているようなジョーの構図はトリ
ア―監督の意図的な悪意の表れでしょうか? Vol は快楽を VoⅡでは痛みを中心に人
間の欲望と探求が描かれた本作。
そんな解釈すらも、どうでもいいと思わせてしまう不思議な魅惑に満ちたトリア―作
品です。「愛とは、嫉妬交じりの性欲にすぎない」 あぁ、なんて説得力のある言葉で
しょう、、。
出演は主演の シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド の他にも シ
ャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレーター、ユマ・サーマン、ウィレム・デフォ
ー・ジェイミー・ベル という豪華な俳優陣が出演されていていて、そちらでも楽しめ
ます。 ![]()
色々なわずらわしさに戸惑った時や、鬱になりかけの時にでもご覧になると、特に女
性には、何処かに手掛かりが隠されているかも知れない作品ですので、滅多にないそ
んな機会にでもご覧になってはいかがでしょうか?です。 ![]()
では、また次回ですよ~! ![]()



















