巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、コピーライターであるジャスティンは、心の病を抱えていた。その鬱症状が引かないうちに僚友マイケルとの披露宴を迎えた彼女は、母であるギャビーとともに奇矯な行動に出て、祝宴の雰囲気をぶち壊すだけでなく上司ジャックや、他ならぬ新郎マイケルとの関係決裂を招いてしまう。そんなジャスティンをなじる姉クレアだったが、仕方なく夫のジョンや息子とともに彼女との生活を続ける。だが、ジャスティンの病状が穏やかになるとともに、地球に奇妙な周回軌道をとる惑星が接近する。彼女は周りの狼狽を意に介さず惑星の到来を朗らかに出迎えるのだった。

 

 

 

 

 

 

こちらは2011年制作の デンマーク デンマーク国旗 スウェーデン スウェーデン フランス フランス国旗 ドイツ ドイツ国旗 の

 

合作映画になります

 

「イディオッツ」「ダンサーインザダーク」の ラース・フォン・トリアー 監督の作品

 

で今回も、中々クセのある (オリジナリティ溢れる) 映画となっております

 

 

 

 

オープニング、8分からなる スーパースロー映像と音楽のみで、映画が始まり、まず

 

度肝を抜かれます このシーンはこの後起こる出来事の回想、暗示になっている事は後

 

になってから気付く事になるのですが、、、 まさかこのままエンディングまで

 

か!?(だと面白いな~とちょっと期待してしまった) と思っていると、タイトルが

 

出て、「第1部 ジャスティン」 と表示され、普通にストーリーが始まって行くのであ

 

りました 狭い田舎道を、曲がり切れないで右往左往する白のリムジンを真上から捉

 

えるカメラ  このシーンも意味深なのですが、その後部座席に乗っているのが ジャス

 

ティン と婚約者。

 

 

 

 

姉の計らいで、豪華な結婚パーティとなる姉の家へ向かう途中だったのですが、結局

 

歩いて向かう事になります 豪邸に揃った人々を2時間も待たせパーティ  結婚。 は始ま

 

るのですが、ジャスティン の様子が徐々に落ちて行き、パーティが終わる頃には仕事

 

も辞め、婚約も解消となっているのでした 叫び そんな中 惑星メランコリア は地球に

 

接近しているのでありました 地球 流れ星

 

 

 

 

「第2部 クレア」ストーリーはそのまま続きますが、ここからは姉の クレア の目線

 

を中心としたお話になります パーティから数日が経ったある日、ジャスティンが憔

 

悴しきった状態で クレア の家にやって来ます 酷い鬱 状態でお風呂にも一人で入れ

 

ない妹を助けようとクレア なりにサポートして行きます 近づく メランコリア は地

 

球に衝突せずに過ぎ去って行くはずだったのですが、軌道を外れ地球に衝突する事が

 

明らかになります

 

 

 

 

その頃になると 二人の精神的立場は逆転して 幼い息子のいる クレア は不安と絶望で

 

混乱した状態になり、ジャスティン は落ち着いて、安定した精神状態になっているの

 

でした いよいよその日がやって来ました ジャスティン と クレア は最後に互いを心

 

から許し合いクレア の息子と3人で、その時を迎えるのでありました、、、

 

 

 

 

監督自身 の体験 鬱 の精神状態を基礎にしているらしく、登場する人物や状況にそれ

 

が反映されていて、それを最も象徴した存在として登場するのが 惑星メランコリア で

 

あります 憂鬱や鬱を意味するそうですが、それが日ごとに大きくなり迫ってくる得

 

体の知れない恐怖 第1部では他者の大勢いる場所で、普通に振る舞おうとする自分

 

とのバランスが保てなくなり状況が悪化してしまう ジャスティン 

 

 

 

 

第2部では、ごく限られた人数の中で自分を偽る必要が無くなり、自分を取り戻すジ

 

ャスティン 監督曰く 「普通の幸せな人々は、悲惨な状況ではパニックに陥りがちだ

 

が、鬱病の人は地獄に落ちても当然だと思っているから、かえって冷静に行動する」 

 

多少なり 鬱 になった事のある人は理解してしまうかも知れません

 

 

 

 

また、「彼らは世界の一面しか見ていないのだと気づいている。世界がひっくり返る

 

ような事態になれば、異常だと思われていた人の方が実は正常であると判るかもしれ

 

ない。」 とも語っております  しかし今作に登場する男、ジャスティンの婚約者、

 

父親 、仕事の上司 クレアの夫といい、逃げたり、権力を振るったりと、何ともな急け

 

ない奴らばかりでありました

 

 

 

 

今作は、ほとんどが手持ちカメラで撮影されておりますが、時折 絵画を意識したよう

 

な美しい場面もあります キラキラ 出演は豪華で、キルスティン・ダンスト、シャルロッ

 

ト・ゲンズブール、キーファー・サザーランド、シャーロット・ランプリング、ジョ

 

ン・ハート といった多国籍な布陣で楽しませてくれています 特にジャスティンを演

 

じた キルスティン・ダンスト は、この作品でカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞し

 

ております ベル

 

 

 

 

確かに好みが分かれる監督さんですが、常に新たな事や、問題に挑戦している姿勢は

 

応援したくなってしまう私なのでありました 宇宙目線で人間の 憂鬱 を描いた作品で

 

あります 鬱経験の方はラストにある種の共感を感じてしまうかも知れません 興味

 

が湧いた方はご覧になってみて下さいましです

 

では、また次回ですよ~! バイバイ