追悼のざわめき
誠は仕事もなくブラブラしていたが、ある日矮人の兄妹に雇われて下水道の清掃をすることになった。仕事ぶりは真面目だが、彼はマネキンを菜穂子と名づけ、若い女性を殺してはその肉を人形に埋め込んでいった。マネキンに導かれるように美しい兄妹やルンペンがやってくる。兄は妹を暴行し、その屍を食べた。矮人の妹・夏子も兄を殺して肉を食べた。それぞれの魂が彷徨を始めた。やがてマネキンは胎児を産むが、すべては夏子によって燃やされてしまう。誠は学生の投げた競技用の円盤が後頭部に当たって死んだ。
こちらは1988年の 日本映画 になります ![]()
インディペンデント系の作品で、製作開始から公開までに5年の歳月がかかったよう
です。 日本のカルト映画の中でもかなり上位に入るランクの内容で、数々のタブー
を描いております。
廃墟の屋上に マネキン と共に暮らす 誠 という男を、一応 軸 にして、ストーリ
ーは進んで行きます。
大阪の あいりん地区 と思われるドヤ街 誠 は定職を持たずフラフラと歩いています
公園に集まる鳩を殺して首をもぎ取る 誠 その同じ公園で二人の女子生徒が会話をし
ています。この映画で唯一テーマに触れている会話かも知れないので記述します ![]()
「きのう夢みてん」 「どんな」 「あんな、鳩がえさ食べとるんやけど、そこに一匹の
白い鳩が入ってきよんねん。けど、灰色の鳩がいっぱいいて、白い鳩は、えさに近づ
けへんねん」 「へぇ、かわいそ、それで」 「そしたらな、白い鳩がいなくなって、こ
んどは黒い鳩がでてきよんねん」 「えっ?黒いってそれやったらカラスやん」 「そう
なんや、カラスなんや。それで、くちばしでなんかつつきだしよるねん。それがどう
も人間みたいやねん。」 「こわっ。へんな夢」 「そやろ」 、、、以上です ![]()
白い鳩
(愛や純粋な心の持ち主でしょうか?) 灰色の鳩 (大多数の一般人?)
カラス (常識から逸脱してしまった人間を意味しているのでしょか?)
そんな女子生徒の遠目には、傷痍軍人二人がアコーディオンと歌を披露しています。
その二人に 誠 が近づき 「お前ら本当に日本人か?チョンとちゃうんか?」 と言いが
かりを付けボコボコにして募金箱を持ち去ります その後 誠 は女性を襲い、お腹を裂
いて子宮を奪い取ります その子宮は 誠 の愛する マネキン の 股間の穴に入れている
のでした。
それも何人もの女性を襲っては、同じ事を繰り返しているのでした。そして夜な夜な
マネキンを抱く
のであります。 そんな 誠 がある日面接を受け、下水道の清掃の
仕事に有り付きます。
この会社は 小人症 の兄妹二人で経営しています この兄妹も世間から差別されて生活
しています 互いに異性を知る事が無い為、近親相姦をしているのでありました。
そんな町に ルンペン が彷徨っていました、ずた袋と一緒に 木 も引きずっています。
それは幹が二つに分かれた物で、女性の腰のような形状をしていて真ん中に穴の開い
た物です。 そしてもう一組、若い兄妹もその町を彷徨っています どちらも美しく、
掃き溜めに鶴のようです。 カメラも彼等を写す時だけは、とても詩的で美しく撮影し
ています。そんな彼等達が、偶然からか運命なのか、誠 の住む廃墟へと導かれて来る
のです。
そして、それぞれ マネキン に出会い、それぞれの行動に駆り立てられます 小人症の
妹は兄を殺し 同じように 廃墟へと入って行きます 誠 に好意を抱いていた妹は マネキ
ン のお腹を破戒します すると中から胎児が出て来るのでした それを引きちぎる妹
そして マネキン に火を点け屋上は煙だらけになります (すぐ近くに高速が走ってい
るこの火災の場面ですが、恐らく無許可での撮影でしょう。 消火活動場面まで撮影さ
れていました
![]()
一人ふらふら町へ出て行く 小人症の妹、胎児を持ったまま、ある中学校に入って行き
ます。 校舎の外に居た女生徒は逃げまどっています、1分程のこのシーンですが、
かなりの望遠で撮影されています。
これまた無許可での撮影でしょう、女生徒達のリアクションのリアリティ が物語って
います 今では考えられない撮影方法です 誠 は本当にあっけない最後を迎え小人症
の妹が、通天閣から下界を見ているショットで幕を下ろします。 ![]()
この作品には 鳩を殺し、傷痍軍人への暴行、殺人と遺体損壊、臓器の持ち去り、障害
者差別 近親相姦、強姦、カニバリズム 等々が登場します そして女性器、子宮への
憧れ。 それは生命、そして生まれ変わりや、現在からの転生への願望、つまりは 生き
る という事が現実と幻想の中で描かれている作品ではないかと思う私でありました。
二時間半という長めの作品であります、画面も内容も重めの映画でありますが、珍し
い作品である事は間違いありませんので、興味が湧いた方はご覧になってみてはいか
がでしょうか 但し、体調と気力の良い時に観る事をお薦めいたしまする ![]()
では、また次回ですよ~! ![]()

















