映画「マルタの鷹」
ダシール・ハメットの同名探偵小説をジョン・ヒューストンの脚本・監督で映画化した作品で、 ヒューストンの監督デビュー作でもある。ハードボイルドの古典である原作を忠実に映像化したフィルム・ノワールの代表作
- THE MALTESE FALCON - 監督 脚本 ジョン・ヒューストン
出演 ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、グラディス・ジョージ 他
こちらは1941年制作の アメリカ映画
です。(101分)
サンフランシスコのスペード・アンド・アーチャー探偵事務所に女性の依頼人がやってきます。 名前はワンダリーと言い、妹が家出したので見つけ出してほしいという用件です。手がかりはサースビーという男でした。 どうやら彼が妹を誘惑したらしいというのです。 ワンダリーが彼に会った後、スペードの相棒のアーチャーが自ら彼を尾行。サースビーの泊まっているホテルを突き止めますが、その夜、アーチャーは死体となって発見されます。スペードはその知らせを聞き、ワンダリーに連絡を取ろうとしますが、彼女は宿泊先のホテルをチェックアウトした後でした。 その後サースビーまで殺されたため、スペードは彼を容疑者と怪しむ警察の尋問を受けます。
翌日、再びワンダリーから連絡が来ます。 スペードと会った彼女は、自分の本名がブリジッド・オショーネシーであること、妹などおらず、サースビーは自分を裏切った恋人であることを告白します。 間もなく、ジョエル・カイロという男がスペードを訪ねてきます。サースビーについてスペードが何か知っているか探りに来たのです。彼は自分が黒い鷹の像を探している事、見つけてくれたら5000ドルの謝礼を出す事を彼に告げますが、スペードが何も知らないと言うと、カイロは銃を突きつけて事務所を探し回り、何も見つけずに帰ってゆきます。
オーショネイとカイロの間に関係があると睨んだスペードは2人を対面させます。そこで2人は黒い鷹の置物を探している競争相手であり、2人の他に「肥った男」と称するガットマンという男が存在していることも分かりました。 スペードは自分を尾行するガットマンの用心棒のウィルマを利用してガットマンに会い、黒い鷹の真相を追及しました。3人が探していた鷹の置物は16世紀にマルタ騎士団がスペイン王に献上するために作った純金の像で莫大な値打ちがあること、ガットマンは高い価値のあるその像を持ち主のロシア人から買おうとしたのですが、何者かによって盗まれたため、ずっとその行方を追っていたのでした。 オーショネイとカイロも互いに、この宝物を独占しようとしていたことがわかってきますが、、。 という物語です。
面白い推理小説をちょこっと調べていた時に目に留まったのが、英国推理作家協会史上最高の推理小説100冊 というランキング。 ホームズの本場、イギリスの作家さんたちが1990年に発表したランキングの上位の中で映画化された作品が数点あり、本作は10位にランクインしていました。 アメリカ探偵作家クラブが発表した1995年のランキングで本作は 2位という順位でランクインしていました。 これはまだ観ていないな~と思い、ワクワクしながらレンタルしてみました。
1941年の作品ですが、それ以前に既に2回も映画化されているダシール・ハメットの推理小説の映画化作品で、前2作はいまいちの出来だったようで、このジョン・ヒューストン監督デビュー作で、ハンフリー・ボガート主演の本作が決定版になっています。モノクロで時代的な雰囲気たっぷりのハードボイルド作品ですが、私的にはあまりピンとこない内容でした。 推理ものでランキングが上位というので私の期待値がかなり高かったのが大きな原因です。
アガサ・クリスティのような綿密な殺人計画や意外な犯人という驚きや、最近の凝りに凝りまくったサスペンスものに慣れてしまっている私達が、勝手に期待してしまっているツイストのようなものがほとんど無い事が、擦れた私のような人にはちょっと推理ものとしては物足りなく感じてしまう所がある映画でした。そういった先入観を持たず、フィルム・ノアール作品の探偵ものとして観ればちゃんと楽しめる内容です。 マルタの鷹という像のミステリアスな存在やラスボスとのユーモラスな駆け引き、拳銃の存在が希薄な世界観 (持ってても気にしないのだ)、そして「ザ・男」の世界に生きるボガードと涙を武器にするブリジッドのしたたかさ。 等々
個人的にはカイロというキャラクターのクセといい、悪ながらどこか可愛げのあるガットマンに魅力を感じてしまった私。 主人公に一番感情移入出来なかったのが私の悪い癖かもしれません、、。エンディングの乾いたスペードの判断と、価値を知らない警察が鷹の像の重みをスペードに訊ねた時の 「夢がつまってるのさ」 という含みある答えの粋な返事が残ります。
ハードボイルドとはこういうものだ!という雰囲気と、その時代の空気を楽しむにはもってこいの映画だと思いますので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。
では、また次回ですよ~!










