レイモンド・チャンドラーの小説 「大いなる眠り」 を 「紳士は金髪がお好き」 等のハワード・ホークスが映画化したサスペンス映画。

 

 

 

 

 

 

 

           -  THE BIG SLEEP - 監督・製作 ハワード・ホークス

 

 出演 ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール 、ジョン・リッジリー 他

 

こちらは1946年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(114分)

 

ある時代の男の象徴のハンフリー・ボガートと、これまたかっこいい女性の象徴のようなローレン・バコール が共演した大人のサスペンス映画です。 

 

 

 

 

  1940年代のロサンゼルス。 最近地方検事の調査員を辞めて私立探偵になったフィリップ・マーロウは、有名な資産家のスターンウッド将軍の屋敷に呼ばれます。屋敷には大富豪の娘としてわがままに育った姉のヴィヴィアンと妹のカルメンが住んでいましたが、この美しい姉妹は将軍の頭痛の種でもありました。 将軍は古書店主のガイガーが妹のカルメンに対しバクチの借金の名目で脅迫してきた事をマーロウに打ち明け、ガイガーを追い払ってほしいと依頼します。 それと同じく、用心棒として雇っていた​​リーガンという男が、ひと月前に賭博師のマースの妻と一緒に姿を消しているのを知らされます。 依頼を引き受け帰ろうとするマーロウを、姉のヴィヴィアンが呼び止めます。彼を警戒するような態度を見せるヴィヴィアンからは、用心棒だけでなく運転手も消えていた事も聞かされるのでした。

 

 

 

 

マーロウは早速客を装ってガイガーの古書店へ探りに行きますが、本人には会えず、向かいの本屋で待っていると、ガイガーが車で出かけるのを目撃し、マーロウもすぐに車で尾行を開始します。 ガイガーの乗った車が止まり、彼はラバーン・テラスにある一軒家に入っていきました。 マーロウが張り込んでいると、しばらくして別の車で到着した女が中へ入っていくのを見ます。その女はカルメンでした。しばらく車の中で待っていると、家の中から女の悲鳴と銃声が聞こえます。 その直後、家の脇から2台の車が走り去るのを目撃します。 マーロウが家の中へ入ると、酒で酩酊したカルメンの前に、ガイガーの射殺死体が横たわっていました。 置物の中には隠しカメラが仕込まれており、フイルムは何者かに持ち去られてて空の状態でした。マーロウは室内を調べた後、カルメンを屋敷まで送り届けます。

 

 

 

 

屋敷の使用人とヴィヴィアンに詳しい事情は伏せ、「カルメンは家にいたことにしろ」と忠告して、マーロウは自分の車が置かれたままの殺害現場へと再び戻ります。しかし現場には殺されたはずのガイガーの死体は消えているのでした、、。物語の始まりは非常にシンプルに思えたこのお話ですが、あれよあれよと言ってるうちにどんどんと話がややこしくこんがらがってくる袋小路プロット映画でありました。依頼そのものも娘を脅している人物を排除するという内容だったようなものに、用心棒と運転手の失踪というおまけが付き、それが整理出来ないうちに様々な人物が事件に絡んできて、もう頭の中はパニック状態のカオスになります。

 

 

 

 

そのカオスの中を颯爽と探偵のマーロウが突き進むものですから、今いったい何の捜査の為にここへ出向いたんだっけ?という後追い感が見ている間じゅう付きまといました。 まぁかなりややこしく入り組んだ構成の映画という事だけは確かです。とりあえず初回は細かい事は気にせずに、込み入ったプロットを俯瞰で感じながら、男ボガードの立ち居振る舞いと、バコールのツンデレ感を楽しむのが最良の観方かもしれませんし、結局そこが見物だったりします。

 

 

 

 

ボガードを引き立てるように、ちょっと登場する女性達がもれなく美人さんで、もれなくマーロウに気がある素振りを見せるという、ちょっと面白い現象も見れて、時代と共に移り変わるモテ男の変容も楽しめます。 耳たぶを掴む癖が印象的な男臭いボガードとは正反対のバコールの妖艶さ。キラキラのブロンドヘアーにサラサラのシルク風のローブを身にまとった彼女たるや、もう圧倒的なハリウッド女優の輝きを画面に放っておられます。 その妹の病み演技もなかなかのインパクトがありました。 「YOU ARE CUTE!」 恋の矢

 

 

 

 

入り組んだプロットと数珠つなぎの事件、それにまとわる人間模様。 複雑な事件の最後は、ポアロ顔負けの独断の判決を下すというラストも凝った作品となっています。クラシカルな映画ながら、現在観てもなかなか複雑な構成を持った作品ですので、機会がありましたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか、です。

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

ハンフリー・ボガート、 通称 ボギー といえばこの曲です!  麗しのジュリー 音譜