怪怪怪怪物!

 

いつもクラスメイトにからかわれ、いじめられているリン・シューウェイはある日、問題を起こし、いじめっ子の3人とともに奉仕活動として独居老人の手伝いを命じられる。そして、手伝いのために訪れた老人宅でシューウェイたちは、夜中に2匹のモンスターと遭遇。1匹のモンスターを捕獲したシューウェイたちは、彼らなりの調査と実験をスタートさせる。 しかし、それは姉妹のモンスターだった、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の 台湾映画  です。(110分)

 

タイトルにかなりのB級臭が漂う本作でございますが、これが原題という異色の台湾

 

映画であります。 グロめのホラーと学園ドラマがミックスされたおバカ作品と思い

 

きや、、なめたらダメダメという、なんともビターな後味の作品です。

 

 

 

 

 

 

  成績は優等生ながら、クラスでいじめられているリン。 ある日問題を起こした彼

 

はクラスでいじめの中心となっているドアン達3人と、独居老人の奉仕活動を言い渡

 

されます。しかし、手伝いに訪れた住居で老人をむさぼる2匹の怪物と出くわします

 

リン達を見つけた怪物は追って来ますが、そのうちの1匹が車にはねられます。

 

 

 

 

 

 

ドアン達はその怪物を捕まえ、学校の地下室に監禁します。 鎖で柱に括りつけ、実験

 

と称して歯を抜いたりの残虐行為をくり返し、怪物の苦しそうな姿を見て楽しみます

 

リンはまだ幼そうなその怪物に同情しますが、自分がいじめの標的になられないよう

 

ドアンに言われるまま怪物をいじめてしまいます。怪物が死なないように自分の血を

 

与え、逃がすチャンスを伺うリンでしたが、ドアンの報復を恐れて行動できないまま

 

でした

 

 

 

 

 

 

その頃、残された怪物は消えた幼い怪物を探していました。2匹は元々は人間の姉妹

 

でした。 妹の行方を探す姉の怪物は、学校でドアンが起こしたある事件をテレビで

 

見た事で、妹が彼等の学校に関係があるのを知ります。

 

 

 

 

 

 

そこから怪物の姉はその学校の生徒達を襲いはじめ、リンとドアン達は姉が妹の怪物

 

を探している事に気付きます。ドアンの彼女も殺された事を知った彼等は姉の怪物を

 

おびき出し、2匹とも焼き殺そうと計画を立てるのでしたが、、。 というお話です。

 

 

 

 

 

 

理不尽にいじめを受けているリンの視点で描かれるこのお話は、学校生活の中という

 

限られた空間で、他人の気持ちなんて全く考えず自分が楽しければ良い、他人がどう

 

なろうと関係ない、という加害者側と、その被害を少しでも免れたい、逃れたいとい

 

う被害者側の心理が、怪物という存在が現われた事により、両者の欲求がそこへ集約

 

する事で、どんどん暴力が加速していく恐ろしさが描かれています。

 

 

 

 

 

 

自分の快楽の為に他者を虐待するいじめの恐ろしさと、他者の犠牲によって自分がそ

 

の標的から免れる、といういじめの構造と心理が実に上手く表現されています。

 

 

 

 

 

 

その相手が人間ではない怪物なら余計何をやっても大丈夫、罪悪感など微塵も感じな


いその凶暴性に、人間の恐ろしさを感じます。 滝汗  反面、怪物の姉が人間達に復讐

 

する場面に胸が躍ったりする観る側の残酷性も、、。

 

 

 

 

 

 

いじめをするドアン達も当然クズなのですが、それを指導する教師達もクズ。 さて、

 

いじめられているリンはというと、怪物が可哀そうという気持ちはありながらも、内

 

心自分の身代わりが出来て助かったと、まるで怪物をいじめる事でドアン達の仲間に

 

なったような錯覚をする始末。 

 

 

 

 

 

 

同時に、そう思いつつも怪物に慈悲の気持ちを持っている自分は彼等とは違うとも考

 

えている矛盾。(それが最も普通の人間らしい思考かも) 「この世には悪人とバカし

 

かいない」 と言い放ったリンのその 中途半端な良心 の葛藤がラストシーンのカタル

 

シスとなって昇華します。 いつも一人で食事をとるリンと、肩を寄せ合いながら生き

 

ていた怪物との対比にも皮肉を感じる私でした。

 

 

 

 

 

 

若干、登場人物達がキャラクター的過ぎる感もありますが、映像や編集に斬新さもあ

 

り音楽を含め、見所は沢山あります。 台湾映画なめてた自分に反省です。

 

 

 

 

 


B級モンスター映画と見せかけて、人間の集団心理と残酷さを見せつけられる作品

 

で、怪物が虐待される場面では、つい コンクリート詰め殺人事件 を思い出すような、

 

嫌な場面もありました、、。 

 

 

 

 

 

 

「本当の怪物はいったいどちらなのか?」 という疑問と恐怖がふつふつと沸いてくる、

 

正真正銘の 青春ホラー映画 で、何故かラストシーンには充足感まで起きた程でした。

 

という訳で、どこかで見かけたら一度ご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

 

では、また次回ですよ~!  パー