「死刑の基準 -「永山裁判」が遺したもの」 堀川恵子 読了
年頭から重い題材の本が続いている。
この第32回講談社ノンフィクション賞受賞作は4人の何の罪もない人たちを拳銃で
殺害した”永山則夫”をめぐる殺人に至るまでの幼少期からの生育環境や第一審から
死刑確定までについて詳細な取材をもとに時には熱を帯びた情感と冷静な視点から
永山を観察している。量刑について「死」を以って償うべきか、「生」を以って
償うべきかを読者に問うているように感じた。
私個人としては人を殺めた犯人に対しては極刑をもって臨むべきではあると
考えていた。情報が溢れている現代であるからこそそうであるべきとも思う。
それは、例え少年であったとしても確実な殺意があるのではれば例外では無いように
考える。しかし、本書を読んで「生」を以って償うべき方法もあるのではないかとも
考えるようになった。殊に人の命を扱うのであるから、裁くべき人にも厳格な
態度、情報、思慮が求められるのは当然のことといえよう。
当たり前のことではあるが、一長一短の感傷では決められるべきことではないのであるから、今後もニュース等に注視しながら考えていきたい。
何年後かにもう一度手に取りたいと思えた一冊である。
