今回は、前回の「競馬場」の続き
さっそく残りの5場を紹介
【中山競馬場】

開催時期:1月・3月・4月・9月・12月
上がり3F地点:芝→3コーナー出口付近
上がり3F地点:ダート→3コーナー中間地点
中山競馬場も新潟同様「内回り」「外回り」コースがあります
新潟と違うのは、4コーナーから最後の直線に関しては「内回り」「外回り」も同じところを走ります
それより上の競馬場の形を見て、何か感じませんか?
中山競馬場って、向かって右側(3コーナーや4コーナー部分)に大きく傾いて見えませんか?
ゴール地点から1コーナーに向かって登りが続き、2コーナー手前が一番高い所です
ゴール手前直線の一番低いところと比べると、約5mほど高いのだ!
5mですよ!5m!
普通の家なら、1階と2階ぐらいの差がありますね
その2コーナーの頂点から3,4コーナーに向かって、下っていきます
当然、下りなので自然とスピードも上がりますよね
その勢いのまま直線に入ってくると、最後のゴール前200m地点で約2mほどの急坂が待ち受けている
馬たちからすれば「えーーーー!こんなところでまた登るの?聞いてねぇよ!」状態
中山競馬場の高低差は「全10場の中で最も大きい」
そのため、非常にタフなコース
中山競馬場に行かれたことない方は、ぜひ中山競馬場の1コーナー付近に行って4コーナーを眺めてください。ものすごく坂になっているのが、わかりますから(笑)
とくに芝の「内回り」コース
外回りは、図を見てもらってわかるように、コーナーのカーブが大きく緩やかだが、内回りコースはコーナーのカーブが急で「函館」や「札幌」みたいな小回り
この「内回りコース」で行われるG1レースは「有馬記念」や「皐月賞」
スピードだけでは押し切れず、最後の坂を登りきるスタミナも必要
こんなとんでもないコースで、あのオルフェーヴルは有馬記念で圧勝したのです(驚)
「中山芝1600m」のスタート地点は、1コーナー付近(上の図で説明すると、ちょうど高低差の矢印がある部分)
スタートして少し真っ直ぐに走り、外回りコースに入って急に直角に曲がるようなコーナーがやってくる
曲がると同時に3コーナー(内回りとの合流地点)まで一気に下っていきます
そのため、フルゲートの外枠の馬たちはずっと外を回らされることになり不利
逆に言えば、そんな不利な外枠から勝つような馬は、底力があるということ
「中山芝1200m」のスタート地点は、外回りコースの出っ張ったコーナーの部分
スタートしていきなり3コーナーまで下っていきます
そのため、他場の「芝1200m」と比べても『テンの3F(最初の600m)』が極端に速くなります
※もしどこかで「芝1200m」の前半600mタイムなどを比較することがあれば、中山芝1200mはコース形態上『必然的にテンの3F(最初の600m)は速くなるんだ』と覚えておいてくださいね
1200mの場合、「テンの3F」=「前半3F」と同じ意味
ということは、「上がり3F」=「後半3F」と意味は同じということ
600m+600m=1200mですからね
「ダート1200m」は、2コーナーの芝の部分からスタート
図を見てもらうとわかるように、3コーナーまで一気に下っていきます
ただ、外回りからスタートする「芝1200m」と違って、3コーナーのカーブが急で、内の馬は曲がり辛く、少し減速しないと曲がれない
そのうえ、4コーナーのカーブも角度が急だから、なかなか内を走っている馬たちは、外側に馬がいることもあってスピードに乗り切れない
ダートではないですが、最近では今年の皐月賞(内回りコース)で内枠に入った「ドゥラメンテ号」が、4コーナー曲がれず外にぶっ飛んでいったことは記憶に新しい
話を戻しますが、その分、外枠の馬はスタートして惰性をつけながら外を回っていける分、中山ダート1200mでは圧倒的に「外枠有利」
中山ダート1200mで7枠・8枠から馬券を買えば、2,3回に1回は当たるでしょうね

【中京競馬場】

開催時期:1月中旬~2週間 3月・7月・12月
上がり3F地点:芝・ダートとも4コーナー入り口地点
1コーナーから向正面半ばまで緩やかな登り、そこから直線入り口まで一気に下ります
その後、約2mの急勾配の坂が待ち受ける
この直線の坂の勾配は「西日本の競馬場では最大」
その急勾配の坂を登りきっても、ゴールまでまだ200m残っています
「中山」の場合は、急坂を登りきって100mほどでゴールですが、中京は急坂を登りきってもゴールまで長いのだ
こちらも中山同様、タフなコース
直線入り口の一番低いところから、向正面中間の一番高いところの高低差は「3.5m」
3.5mを一気に下ってきて、いきなり2mの急勾配の坂ですよ
馬たちからすれば、中山同様「ふざけるなよ!」と言いたいはず(笑)
そのため、芝コースは圧倒的に「差し・追込み馬」が好走する舞台
当然、「上がり3F」も遅くなりますし、全体の時計も掛かります
中京競馬場の3~4コーナーはスパイラルカーブで、若干角度もあり(競輪でいうバンク)、惰性をつけながら曲がって来れるので、外を回ってくる差し・追込み馬でもスピードに乗ったまま直線に入って来れる
ただし、コーナーの外側を走っている馬はさらに外に振られることも・・・
芝1200mなどでも、前半後方待機しながら3~4コーナーで内を回り惰性をつけながら直線で外に出して差し切るシーンをよく見かけます
ダートも同じようにタフなコース
ただ、ダートの場合、タフなコースすぎて後ろから来る馬もそれほど伸びない
その結果、前に行った馬がそのまま残るケースが多いです
中京のダートに関しては、基本的に「前から狙った方が得策」
芝に関しては、反対に「後ろから行く馬を狙う」

【京都競馬場】

開催時期:1月・2月・5月・10月・11月
上がり3F地点:芝(内回り)→4コーナー入り口
上がり3F地点:芝(外回り)→4コーナー過ぎ
上がり3F地点:ダート→3コーナー出口
京都競馬場の芝コースも「内回り」「外回り」の2種類が存在
「中山」や「新潟」ほど極端にコースが違うわけではない
上の図を見てもらうとわかると思いますが、向正面半ば~3コーナー部分が盛り上っていますよね
あの部分が「坂」になっています。坂と言うよりは、ほぼ「小さい丘」
高低差は書いているように、外回りコースだと約4m以上あります
京都競馬場の芝コースの特徴は「3コーナーの丘からずっと下っているわけではなくて、下りの部分は4コーナー入り口まで」
4コーナーからゴールまでは、直線も平坦
その下りを、いかに上手く下れるかがポイント
とくに「天皇賞春」や「菊花賞」では、スタート地点が3コーナーの丘の手前から
コースを2周するため、最初の下りの部分をゆっくり下らないと、馬がもうすぐゴールと間違えて全速力で走ろうと勘違いします。非常に大事なポイント
普通のレースだと、その下りの惰性を利用して直線でトップスピードに持っていくため、どうしても他場より「上がり3F」が速くなったり、全体の時計が速くなったりします
それと春秋の京都開催は、非常に時計の出やすい馬場状態に変身することが多い
コース形態と馬場の管理によって、高速タイムの決着が多くなるのも特徴
ダートレースも同様で、他場のダートレースよりも「上がり3F」が速くなりやすい傾向
「京都ダート1400m」のスタート地点は、2コーナー奥の芝部分
こちらも「東京ダート1600m」同様「外枠」の馬が芝の部分を若干長く走れるため、下のクラスでは「外枠」が好走することが多いです
芝・ダートとも高速決着になりやすく、基本的には「逃げ」「先行」の占有率が高い
ただ、「逃げ」「先行」の馬でも速いタイムに対応できないような馬は、最後止まってしまうことも・・・
それと開催時期によっては、芝コースが「Cコース」「Dコース」という風に、内側の馬場を保護するために内側の柵が移動してきます
とくに注意が必要なのは「Dコース」
これは騎手のみなさんもおっしゃていることですが「京都の芝Dコースは、差し追込み馬には厳しい」
とくに8枠を引くと、ほぼアウト
今年の芝Dコースのレースも馬番⑭から外の馬は未勝利。2着も1回のみという散々な結果
「Aコース」の時の内柵が「Dコース」になると、内から約10mほど外に設置され、走れる芝のコース幅がかなり狭くなり、その結果「外から差そう」と思えば、かなり外を回ることになります
だから、騎手のみなさんも「Dコース」の場合は、外を回りたくないので、出来るだけ「内もしくは真ん中から差す」ことを優先されるみたいです
「Dコース」で競馬が行われる時に、じっくりレースを見てみてください
みんな、内に拘る騎乗をされるからある意味、面白いですよ
ただ、雨が降ったりすると内側の馬場も悪くなってきますので、逆に外を走らせる場合もありますけどね
「Dコース」で開催が行われるのは、5月後半の開催のみ
JRAなどのHPで『今年の5月17日以降の京都芝コースの成績(Dコース)』を見ていただければ、ほとんど4コーナーで前にいた馬の勝利
ちなみに「天皇賞春」は「Cコース」、「菊花賞」「秋華賞」は「Aコース」、「エリザベス女王杯」は「Bコース」、「マイルCS」は「Cコース」で行われています
Cコースで行われている過去の「天皇賞春」や「マイルCS」のG1では次のような現象が起こります
後方待機の追込み馬が直線追い込もうと思っても、内を走っている先行馬がはるか前にいて差し届かない
最初は後ろにいても、直線入るまでにある程度、前目の位置まで上がってきていることが好走条件
Dコースになると、それがさらに顕著に反映されます
開催前半は内側の馬場状態が良いので、内を通れる「逃げ・先行馬」が活躍するケースも多い
京都競馬場と「函館」や「札幌」は、真逆の関係であることを覚えておきましょう
「京都」=全体の時計が速くなりやすい
「函館」「札幌」=全体の時計が掛かり(遅くなり)やすい

【阪神競馬場】

開催時期:3月・4月・6月・9月・12月
上がり3F地点:芝(内回り)→4コーナー入り口過ぎ
上がり3F地点:芝(外回り)→4コーナー中間
上がり3F地点:ダート→4コーナー入り口
阪神競馬場の芝外回りコースは、1周が2089mあり、これは「右回りの競馬場の中では、日本一長い」
1周の長さだけなら、東京競馬場よりも長いのである
上の図で「内回りコース」を見ると、形が何かに似ていませんか?
阪神競馬場の芝内回りコースは、「おむすびの形」
以前は、1~2コーナーの角度もかなり急で三角形に近かったのですが、「スパイラルカーブ」を採用したために以前よりも緩やかなカーブになりました
「内回り」コースは、3コーナーから直線半ばまで緩やかな下り坂
「外回り」コースは、ちょうど「上がり3Fの地点(600m)」から直線半ばまで緩やかな下り坂
ゴール前に急坂があるのは「中山」と同じ
勾配は「中山」の方が急ですが、阪神競馬場も遜色ないぐらい急坂です
阪神競馬場は、雨が降るとかなり力の要る馬場に変身し、コース形態からもパワーを必要とします
そのため馬体重の軽い馬は、雨が降ると厳しい戦いに・・・
「外回り」コースは、騎手のみなさんゴール前の坂を意識して、スローペースで流れることが多い
今年の「桜花賞」がスローペースの代表的なレースですね
そのため、意外と前が残るレースもあり、脚質的な有利・不利はあまりないですね
ダートコースは、直線に坂があるため、京都よりは「差し馬」が上位に来れる確率が高い
「阪神ダート1400m」も「京都ダート1400m」同様、スタート地点が2コーナー奥の芝部分
外枠の馬たちは、内枠の馬たちより芝部分を走る距離が若干長く、真ん中より外枠の好走馬が目立ちます

【小倉競馬場】

開催時期:2月・8月
上がり3F地点:芝→3コーナー中間
上がり3F地点:ダート→3コーナー入り口
小倉競馬場で間違えやすいのは「平坦コース」と思っている方が多いこと
上の図を見てもわかるように、1~2コーナー部分が盛り上っていて「2コーナーは小高い丘」になっています
高低差は3mあるので、決して平坦コースではありません
平坦なのは、直線部分に坂がないということだけ
1~2コーナーの中間地点が一番高く、そこから向正面入り口まで下り、向正面では平坦の直線を走り、3コーナーから4コーナーにかけて少しまた下ります
小倉競馬場の3~4コーナーのカーブも「スパイラルカーブ」のため、スピードを落とさず回って来れます
ですから、小倉芝1200mのレースは要注意
「小倉芝1200m」は、2コーナーの奥からスタートします
スタートしてすぐに下り、3コーナーからまた下り、1度も登りを走ることはありません
「下り」と「平坦」しか走らないうえに、スピードの落ちないスパイラルカーブ
当然、他場の「芝1200m」よりタイムは速くなりやすい
開催前半の芝1200mは、圧倒的に「逃げ・先行馬」が有利
ただし、各馬のスピードが落ちないため、ハイペースになりオーバーペースで前が止まることもあります
小倉の芝1200mを狙う場合は、とにかく「1200mのタイムが速い馬から狙う」
1200mの速いタイムがなくても、直線1000mで好走しているような馬でもOK
「逃げ馬がたくさんいる時は、オーバーペースになりやすく、差し馬から狙ってみても面白い」
ダートに関しては、コース形態から「逃げ・先行馬」が有利
芝もダートも「上がり3F」に関しては、3コーナーの地点からの上がりなので、「函館」や「札幌」などと同じように「上がり3F」の半分以上は、コーナーを走っていることになります
ただし、上記したようにスパイラルカーブ採用ですから、札幌などに比べると「上がり3F」も若干速い

以上、2回にわたって10場の競馬場を紹介しました
競馬場のコース形態を知っていると、競走成績欄を見てもイメージがしやすく、予想する時も「あそこに坂あったなぁ~」とか「スタートして下り坂だなぁ~」など自分の頭の中でレース映像を妄想することも可能
「上がり3F=ゴールまで600mの区間」は、10場それぞれ違うことが理解していただけたと思います
成績欄の「上がり3Fタイム」を比べる時は、出来るだけ同じ競馬場の同じコースを走った馬たちで比べた方がいいし、各競馬場のコース形態を理解した上で「あの競馬場ならタイムが遅いのも仕方ない」という風に検討出来れば、あなたも立派なベテラン競馬ファン
「上がり3F」が重要な要素となる最近の競馬では、予想をする上でなくてはならない項目ですが、あくまでも「目安」として考慮してくださいね
違う競馬場の「上がり3F」のタイムをそのまま比較して優劣を付けてしまうと、全く違う方向の予想に向かう恐れがありますから要注意です
また、短距離戦(1000m~1200m)などでは、「上がり3F」よりも『テンの3F(前半3F)』の速い馬に注目していくと「どの馬が逃げれるかな?」とか「前に行けるかな?」ということが、ある程度見えてきて予想の参考になると思います
あと「スパイラルカーブ」を採用されている競馬場(函館・福島・中京・阪神・小倉・京都内回り・新潟内回りなど)のコーナーは、スピードを落とさず進入できる代わりにコーナーの出口の角度が厳しく、外に振られることもあります
今回の競馬場のコース特徴を理解された上で、前々回の「レースのペースとタイム」を組み合わせていけば、さらに競馬の予想が楽しくなると思いますし、馬券が的中される確率も数段アップされることでしょう
いろんな角度から競馬を見て、みなさんなりに新しい発見をしてみてくださいね
ぜひ、この機会に「競馬場のコース形状」を覚えてみてはいかがですか
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました
予想の参考に少しでもお役に立てれば幸いです
さっそく残りの5場を紹介
【中山競馬場】

開催時期:1月・3月・4月・9月・12月
上がり3F地点:芝→3コーナー出口付近
上がり3F地点:ダート→3コーナー中間地点
中山競馬場も新潟同様「内回り」「外回り」コースがあります
新潟と違うのは、4コーナーから最後の直線に関しては「内回り」「外回り」も同じところを走ります
それより上の競馬場の形を見て、何か感じませんか?
中山競馬場って、向かって右側(3コーナーや4コーナー部分)に大きく傾いて見えませんか?
ゴール地点から1コーナーに向かって登りが続き、2コーナー手前が一番高い所です
ゴール手前直線の一番低いところと比べると、約5mほど高いのだ!
5mですよ!5m!
普通の家なら、1階と2階ぐらいの差がありますね
その2コーナーの頂点から3,4コーナーに向かって、下っていきます
当然、下りなので自然とスピードも上がりますよね

その勢いのまま直線に入ってくると、最後のゴール前200m地点で約2mほどの急坂が待ち受けている
馬たちからすれば「えーーーー!こんなところでまた登るの?聞いてねぇよ!」状態
中山競馬場の高低差は「全10場の中で最も大きい」
そのため、非常にタフなコース
中山競馬場に行かれたことない方は、ぜひ中山競馬場の1コーナー付近に行って4コーナーを眺めてください。ものすごく坂になっているのが、わかりますから(笑)
とくに芝の「内回り」コース
外回りは、図を見てもらってわかるように、コーナーのカーブが大きく緩やかだが、内回りコースはコーナーのカーブが急で「函館」や「札幌」みたいな小回り
この「内回りコース」で行われるG1レースは「有馬記念」や「皐月賞」
スピードだけでは押し切れず、最後の坂を登りきるスタミナも必要

こんなとんでもないコースで、あのオルフェーヴルは有馬記念で圧勝したのです(驚)
「中山芝1600m」のスタート地点は、1コーナー付近(上の図で説明すると、ちょうど高低差の矢印がある部分)
スタートして少し真っ直ぐに走り、外回りコースに入って急に直角に曲がるようなコーナーがやってくる
曲がると同時に3コーナー(内回りとの合流地点)まで一気に下っていきます
そのため、フルゲートの外枠の馬たちはずっと外を回らされることになり不利
逆に言えば、そんな不利な外枠から勝つような馬は、底力があるということ
「中山芝1200m」のスタート地点は、外回りコースの出っ張ったコーナーの部分
スタートしていきなり3コーナーまで下っていきます
そのため、他場の「芝1200m」と比べても『テンの3F(最初の600m)』が極端に速くなります
※もしどこかで「芝1200m」の前半600mタイムなどを比較することがあれば、中山芝1200mはコース形態上『必然的にテンの3F(最初の600m)は速くなるんだ』と覚えておいてくださいね

ということは、「上がり3F」=「後半3F」と意味は同じということ
600m+600m=1200mですからね
「ダート1200m」は、2コーナーの芝の部分からスタート
図を見てもらうとわかるように、3コーナーまで一気に下っていきます
ただ、外回りからスタートする「芝1200m」と違って、3コーナーのカーブが急で、内の馬は曲がり辛く、少し減速しないと曲がれない
そのうえ、4コーナーのカーブも角度が急だから、なかなか内を走っている馬たちは、外側に馬がいることもあってスピードに乗り切れない
ダートではないですが、最近では今年の皐月賞(内回りコース)で内枠に入った「ドゥラメンテ号」が、4コーナー曲がれず外にぶっ飛んでいったことは記憶に新しい

話を戻しますが、その分、外枠の馬はスタートして惰性をつけながら外を回っていける分、中山ダート1200mでは圧倒的に「外枠有利」
中山ダート1200mで7枠・8枠から馬券を買えば、2,3回に1回は当たるでしょうね

【中京競馬場】

開催時期:1月中旬~2週間 3月・7月・12月
上がり3F地点:芝・ダートとも4コーナー入り口地点
1コーナーから向正面半ばまで緩やかな登り、そこから直線入り口まで一気に下ります
その後、約2mの急勾配の坂が待ち受ける
この直線の坂の勾配は「西日本の競馬場では最大」
その急勾配の坂を登りきっても、ゴールまでまだ200m残っています

「中山」の場合は、急坂を登りきって100mほどでゴールですが、中京は急坂を登りきってもゴールまで長いのだ

こちらも中山同様、タフなコース
直線入り口の一番低いところから、向正面中間の一番高いところの高低差は「3.5m」
3.5mを一気に下ってきて、いきなり2mの急勾配の坂ですよ

馬たちからすれば、中山同様「ふざけるなよ!」と言いたいはず(笑)
そのため、芝コースは圧倒的に「差し・追込み馬」が好走する舞台
当然、「上がり3F」も遅くなりますし、全体の時計も掛かります
中京競馬場の3~4コーナーはスパイラルカーブで、若干角度もあり(競輪でいうバンク)、惰性をつけながら曲がって来れるので、外を回ってくる差し・追込み馬でもスピードに乗ったまま直線に入って来れる
ただし、コーナーの外側を走っている馬はさらに外に振られることも・・・
芝1200mなどでも、前半後方待機しながら3~4コーナーで内を回り惰性をつけながら直線で外に出して差し切るシーンをよく見かけます
ダートも同じようにタフなコース
ただ、ダートの場合、タフなコースすぎて後ろから来る馬もそれほど伸びない
その結果、前に行った馬がそのまま残るケースが多いです
中京のダートに関しては、基本的に「前から狙った方が得策」
芝に関しては、反対に「後ろから行く馬を狙う」

【京都競馬場】

開催時期:1月・2月・5月・10月・11月
上がり3F地点:芝(内回り)→4コーナー入り口
上がり3F地点:芝(外回り)→4コーナー過ぎ
上がり3F地点:ダート→3コーナー出口
京都競馬場の芝コースも「内回り」「外回り」の2種類が存在
「中山」や「新潟」ほど極端にコースが違うわけではない
上の図を見てもらうとわかると思いますが、向正面半ば~3コーナー部分が盛り上っていますよね
あの部分が「坂」になっています。坂と言うよりは、ほぼ「小さい丘」
高低差は書いているように、外回りコースだと約4m以上あります
京都競馬場の芝コースの特徴は「3コーナーの丘からずっと下っているわけではなくて、下りの部分は4コーナー入り口まで」
4コーナーからゴールまでは、直線も平坦

その下りを、いかに上手く下れるかがポイント
とくに「天皇賞春」や「菊花賞」では、スタート地点が3コーナーの丘の手前から
コースを2周するため、最初の下りの部分をゆっくり下らないと、馬がもうすぐゴールと間違えて全速力で走ろうと勘違いします。非常に大事なポイント
普通のレースだと、その下りの惰性を利用して直線でトップスピードに持っていくため、どうしても他場より「上がり3F」が速くなったり、全体の時計が速くなったりします
それと春秋の京都開催は、非常に時計の出やすい馬場状態に変身することが多い
コース形態と馬場の管理によって、高速タイムの決着が多くなるのも特徴
ダートレースも同様で、他場のダートレースよりも「上がり3F」が速くなりやすい傾向
「京都ダート1400m」のスタート地点は、2コーナー奥の芝部分
こちらも「東京ダート1600m」同様「外枠」の馬が芝の部分を若干長く走れるため、下のクラスでは「外枠」が好走することが多いです
芝・ダートとも高速決着になりやすく、基本的には「逃げ」「先行」の占有率が高い
ただ、「逃げ」「先行」の馬でも速いタイムに対応できないような馬は、最後止まってしまうことも・・・
それと開催時期によっては、芝コースが「Cコース」「Dコース」という風に、内側の馬場を保護するために内側の柵が移動してきます
とくに注意が必要なのは「Dコース」

これは騎手のみなさんもおっしゃていることですが「京都の芝Dコースは、差し追込み馬には厳しい」
とくに8枠を引くと、ほぼアウト

今年の芝Dコースのレースも馬番⑭から外の馬は未勝利。2着も1回のみという散々な結果

「Aコース」の時の内柵が「Dコース」になると、内から約10mほど外に設置され、走れる芝のコース幅がかなり狭くなり、その結果「外から差そう」と思えば、かなり外を回ることになります
だから、騎手のみなさんも「Dコース」の場合は、外を回りたくないので、出来るだけ「内もしくは真ん中から差す」ことを優先されるみたいです
「Dコース」で競馬が行われる時に、じっくりレースを見てみてください
みんな、内に拘る騎乗をされるからある意味、面白いですよ

ただ、雨が降ったりすると内側の馬場も悪くなってきますので、逆に外を走らせる場合もありますけどね
「Dコース」で開催が行われるのは、5月後半の開催のみ
JRAなどのHPで『今年の5月17日以降の京都芝コースの成績(Dコース)』を見ていただければ、ほとんど4コーナーで前にいた馬の勝利
ちなみに「天皇賞春」は「Cコース」、「菊花賞」「秋華賞」は「Aコース」、「エリザベス女王杯」は「Bコース」、「マイルCS」は「Cコース」で行われています
Cコースで行われている過去の「天皇賞春」や「マイルCS」のG1では次のような現象が起こります
後方待機の追込み馬が直線追い込もうと思っても、内を走っている先行馬がはるか前にいて差し届かない
最初は後ろにいても、直線入るまでにある程度、前目の位置まで上がってきていることが好走条件
Dコースになると、それがさらに顕著に反映されます
開催前半は内側の馬場状態が良いので、内を通れる「逃げ・先行馬」が活躍するケースも多い
京都競馬場と「函館」や「札幌」は、真逆の関係であることを覚えておきましょう

「京都」=全体の時計が速くなりやすい
「函館」「札幌」=全体の時計が掛かり(遅くなり)やすい

【阪神競馬場】

開催時期:3月・4月・6月・9月・12月
上がり3F地点:芝(内回り)→4コーナー入り口過ぎ
上がり3F地点:芝(外回り)→4コーナー中間
上がり3F地点:ダート→4コーナー入り口
阪神競馬場の芝外回りコースは、1周が2089mあり、これは「右回りの競馬場の中では、日本一長い」
1周の長さだけなら、東京競馬場よりも長いのである
上の図で「内回りコース」を見ると、形が何かに似ていませんか?
阪神競馬場の芝内回りコースは、「おむすびの形」
以前は、1~2コーナーの角度もかなり急で三角形に近かったのですが、「スパイラルカーブ」を採用したために以前よりも緩やかなカーブになりました
「内回り」コースは、3コーナーから直線半ばまで緩やかな下り坂
「外回り」コースは、ちょうど「上がり3Fの地点(600m)」から直線半ばまで緩やかな下り坂
ゴール前に急坂があるのは「中山」と同じ
勾配は「中山」の方が急ですが、阪神競馬場も遜色ないぐらい急坂です
阪神競馬場は、雨が降るとかなり力の要る馬場に変身し、コース形態からもパワーを必要とします
そのため馬体重の軽い馬は、雨が降ると厳しい戦いに・・・

「外回り」コースは、騎手のみなさんゴール前の坂を意識して、スローペースで流れることが多い
今年の「桜花賞」がスローペースの代表的なレースですね
そのため、意外と前が残るレースもあり、脚質的な有利・不利はあまりないですね
ダートコースは、直線に坂があるため、京都よりは「差し馬」が上位に来れる確率が高い
「阪神ダート1400m」も「京都ダート1400m」同様、スタート地点が2コーナー奥の芝部分
外枠の馬たちは、内枠の馬たちより芝部分を走る距離が若干長く、真ん中より外枠の好走馬が目立ちます

【小倉競馬場】

開催時期:2月・8月
上がり3F地点:芝→3コーナー中間
上がり3F地点:ダート→3コーナー入り口
小倉競馬場で間違えやすいのは「平坦コース」と思っている方が多いこと

上の図を見てもわかるように、1~2コーナー部分が盛り上っていて「2コーナーは小高い丘」になっています
高低差は3mあるので、決して平坦コースではありません
平坦なのは、直線部分に坂がないということだけ
1~2コーナーの中間地点が一番高く、そこから向正面入り口まで下り、向正面では平坦の直線を走り、3コーナーから4コーナーにかけて少しまた下ります
小倉競馬場の3~4コーナーのカーブも「スパイラルカーブ」のため、スピードを落とさず回って来れます
ですから、小倉芝1200mのレースは要注意

「小倉芝1200m」は、2コーナーの奥からスタートします
スタートしてすぐに下り、3コーナーからまた下り、1度も登りを走ることはありません
「下り」と「平坦」しか走らないうえに、スピードの落ちないスパイラルカーブ
当然、他場の「芝1200m」よりタイムは速くなりやすい
開催前半の芝1200mは、圧倒的に「逃げ・先行馬」が有利
ただし、各馬のスピードが落ちないため、ハイペースになりオーバーペースで前が止まることもあります
小倉の芝1200mを狙う場合は、とにかく「1200mのタイムが速い馬から狙う」
1200mの速いタイムがなくても、直線1000mで好走しているような馬でもOK
「逃げ馬がたくさんいる時は、オーバーペースになりやすく、差し馬から狙ってみても面白い」
ダートに関しては、コース形態から「逃げ・先行馬」が有利
芝もダートも「上がり3F」に関しては、3コーナーの地点からの上がりなので、「函館」や「札幌」などと同じように「上がり3F」の半分以上は、コーナーを走っていることになります
ただし、上記したようにスパイラルカーブ採用ですから、札幌などに比べると「上がり3F」も若干速い

以上、2回にわたって10場の競馬場を紹介しました
競馬場のコース形態を知っていると、競走成績欄を見てもイメージがしやすく、予想する時も「あそこに坂あったなぁ~」とか「スタートして下り坂だなぁ~」など自分の頭の中でレース映像を妄想することも可能
「上がり3F=ゴールまで600mの区間」は、10場それぞれ違うことが理解していただけたと思います
成績欄の「上がり3Fタイム」を比べる時は、出来るだけ同じ競馬場の同じコースを走った馬たちで比べた方がいいし、各競馬場のコース形態を理解した上で「あの競馬場ならタイムが遅いのも仕方ない」という風に検討出来れば、あなたも立派なベテラン競馬ファン

「上がり3F」が重要な要素となる最近の競馬では、予想をする上でなくてはならない項目ですが、あくまでも「目安」として考慮してくださいね
違う競馬場の「上がり3F」のタイムをそのまま比較して優劣を付けてしまうと、全く違う方向の予想に向かう恐れがありますから要注意です

また、短距離戦(1000m~1200m)などでは、「上がり3F」よりも『テンの3F(前半3F)』の速い馬に注目していくと「どの馬が逃げれるかな?」とか「前に行けるかな?」ということが、ある程度見えてきて予想の参考になると思います
あと「スパイラルカーブ」を採用されている競馬場(函館・福島・中京・阪神・小倉・京都内回り・新潟内回りなど)のコーナーは、スピードを落とさず進入できる代わりにコーナーの出口の角度が厳しく、外に振られることもあります
今回の競馬場のコース特徴を理解された上で、前々回の「レースのペースとタイム」を組み合わせていけば、さらに競馬の予想が楽しくなると思いますし、馬券が的中される確率も数段アップされることでしょう
いろんな角度から競馬を見て、みなさんなりに新しい発見をしてみてくださいね
ぜひ、この機会に「競馬場のコース形状」を覚えてみてはいかがですか

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました
予想の参考に少しでもお役に立てれば幸いです
