今回、初めて参加することになった「尚巴志ハーフマラソン」。
尚巴志とは、15世紀に琉球王国を統一した偉大な王様の名前で、その王様の出身地である南城市で毎年開催されているのが、このマラソン大会なのである。
坂道が多く、なかなか過酷なマラソンコースとしても知られている。
今回、ワタシがこの大会に挑むことになったのには、ある理由がある。
実は昨年、持病のヘルニアを悪化させてしまったワタシ。
約一ヶ月も寝込んでしまうほど、ひどい腰痛に悩まされた。
それから1年以上が経ち、既に全快と言えるほど回復しているのだが、ランニングだけは未だに躊躇してしまう。
ヘルニアの再発が、怖いのだ。
走ることは健康には良いのだろうが、腰への負担も相当ある。
そんなわけで最近、ほとんど走れていないのである。
しかし、走れない自分にこのまま甘んじているのは御免だ、という思いもある。
何とか、今の状態から脱したい。
「走れる自信」を取り戻したい。
そんなわけで今回、久しぶりにハーフマラソンの大会に挑むことにしたのである。
ワタシはこの尚巴志ハーフマラソンを完走することにより、ヘルニアからの完全復活を果たし、「走れるヘルニア」になってやるのだ。
さて。
そうは言っても、そんなに甘くないのがハーフマラソン。
当然、簡単にはいかないもの。
ヘルニアからの完全復活を果たそうとするワタシの前には、数々の苦難が立ちはだかるのであった・・・
苦難その①「早朝」
尚巴志ハーフマラソンのスタート時間は、午前9時。
県外からの参加者のために、那覇から無料の送迎バスを出してくれる。
ありがたいね。
しかし。
バスの集合時間は、スタートの3時間前の6時。
いや、まだ夜も明けてないのだが・・・
昨日、泡盛を飲みすぎたため(調整不足だとか不安だとかさんざん言っておきながら前日に飲み過ぎるのは自分でもどうかと思うが、ひとまずマラソンが終わってから反省することとする)、重くなった身体を引きずるようにバスに乗り込む。
うーん、絶好調で眠い。
バスの集合時間、もう1時間遅くてもいいんでない?
おぉ、やっと夜が明けてきた。
スタートのゲートを見ると、俄然やる気が出てくるね!
天気、最高!!!
良い感じ。
途中、生バンドが応援で演奏してくれてたりして、かなり楽しいぞ。
4kmほど、平坦な南国道を走る。
順調順調。
苦難その②「新里坂」
4kmを越えたあたりから、坂道が始まる。
そう、これが尚巴志ハーフマラソン名物、新里坂(しんざとびら)である。
200mもの標高を一気に登るこの坂道、登り甲斐があるってものだが、マジ、キツい・・・
いや〜
無理だよねっ!
うほほーい!
これぞ、沖縄のマラソン大会だね!!
苦労して辿り着いた絶景は、普段より何倍も美しく見えるのであった。
苦難その③「夏」
新里坂を登り切りると、両脚の腿とふくらはぎがパンパンに。
いや、マジでヤバいよ、新里坂!
既に脚の疲労は8割くらい。
して、今は何km地点かと言うと、
念のため確認しておくが、残り7kmではないよな?
この時、ワタシの心の奥で「ポキッ」と不穏な音がしたが、聞こえなかったフリをして走り出す。
そしてここからは、やや平坦な道に。
しかし、平坦だからと油断することはできない。
そう、次なる苦難は、「暑さ」である。
11月と言えど沖縄は、夏の空気を引きずっていることが多く、この日も快晴の夏日。
気のせいだと思いたいが、道路脇の街路樹でセミがミンミン鳴いている。
セミよ・・・
たまらんね〜
これぞ沖縄のマラソン!
暑さが和らぐわ〜

という感じで、なんとか中間地点まで走ってきたのであったが、暑さで体力は奪われるし、脚の疲労は限界に近い。
うーん、果たしてあと半分、走り切ることができるのだろうか?
そしてワタシの進む先には、まだまだ数々の恐るべき苦難が待ち構えているのであった。
つづく。