転院して来られた時は、ややボーッとした感じですが、
ある程度の会話はできました。自発性低下というか、
自分から動こうとすることは少なく、何かと介助が必要な
状態でした。しかし興奮などはなく、その意味では周りの
人が迷惑を被ることはなかったのです。
脳挫傷で・・・脳波検査をしてみたところ
意識障害(混濁)が疑われました。厳密には違うのですが、
簡単に言うと
「(起きている間も)眠気が強い」状態と考えられたのです。
薬を減らして行くと・・・
会話、動きが活発になってきました。
しかし細かいこと、些細なことにこだわったり、訴えが強く
なったりで、看護師の方達が困るほどになりました。
しばらく辛抱してもらって・・・
何と!
普通の感じになったのです。
その後無事退院となり、外来通院となりました。
その通院も、意味・必要がなくなりました。
脳挫傷後遺症として、死ぬまで入院生活を余儀なくされて
いたかもしれない人が、自分本来の姿で生活できるように
なったのです。
心療内科・精神科の薬に限らず、薬の副作用には色々なもの
があります。薬疹とかなら一目瞭然ですが、全身倦怠感や
眠気などは、とくに軽微なものとか徐々に強まって行く場合
それと気づかれないことが多いようです。
薬の副作用で人生を棒に振るようなことになったら
大変です。
必要最少量がどれぐらいかは、難しい面もありますが
「薬の量が多過ぎはしないか。合ってないのではないか。」
「今の状態が本当にベストなんだろうか」という視点が
大切だということを強く思い知らされたのでした。