必要最少量の薬とはー副作用に気が付かない② | 便秘/原因不明の痛み(線維筋痛症など)/不安/不眠症...福岡県 あらき心療クリニック

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楽に深く息を吐いて、腹部の圧迫を和らげ、体を伸ばす。

転院して来られた時は、ややボーッとした感じですが、

ある程度の会話はできました。自発性低下というか、

自分から動こうとすることは少なく、何かと介助が必要な

状態でした。しかし興奮などはなく、その意味では周りの

人が迷惑を被ることはなかったのです。


脳挫傷で・・・脳波検査をしてみたところ

意識障害(混濁)が疑われました。厳密には違うのですが、

簡単に言うと

「(起きている間も)眠気が強い」状態と考えられたのです。


薬を減らして行くと・・・


会話、動きが活発になってきました。

しかし細かいこと、些細なことにこだわったり、訴えが強く

なったりで、看護師の方達が困るほどになりました。


しばらく辛抱してもらって・・・


何と!


普通の感じになったのです。

その後無事退院となり、外来通院となりました。

その通院も、意味・必要がなくなりました。


脳挫傷後遺症として、死ぬまで入院生活を余儀なくされて

いたかもしれない人が、自分本来の姿で生活できるように

なったのです。


心療内科・精神科の薬に限らず、薬の副作用には色々なもの

があります。薬疹とかなら一目瞭然ですが、全身倦怠感や

眠気などは、とくに軽微なものとか徐々に強まって行く場合

それと気づかれないことが多いようです。

薬の副作用で人生を棒に振るようなことになったら

大変です。


必要最少量がどれぐらいかは、難しい面もありますが

「薬の量が多過ぎはしないか。合ってないのではないか。」

「今の状態が本当にベストなんだろうか」という視点が

大切だということを強く思い知らされたのでした。