必要最少量の薬をモットーにすることは、当然と言えば当然でしょう。
患者さんに限らず、ひょっとしたら(?)、大抵の医師もそう心掛けている
のかも知れません。
私にとって衝撃的とも言える体験をしたのは、
もう20年以上前のことです。
当時、私は民間の精神科病院に勤務していました。
ある日、信頼している友人医師から入院依頼がありました。
某公立病院に入院中の患者さんを、
私が勤務している民間病院へ転院させて欲しいというものでした。
患者さんは、以前転倒して頭部打撲、脳挫傷を起こして一般科に
入院。しかし不穏興奮状態となったため精神科に入院となった方でした。
精神科では、患者さんに落ち着いてもらうために(鎮静のために)
一般に言う強めの向精神薬(抗精神病薬)が処方されました。
それで、不穏興奮状態は治まったが、1日中ボーッとして
色々な面で介助、介護が必要ということでした。
「脳挫傷後遺症(脳に実質的なダメージがあり、それによる精神症状)
なので、もう改善する見込みがなく、長期入院になるので民間の病院で
診て欲しい」というものでした。
受け入れましたが・・・(続く)