蜷川さん | 荒木の部屋

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日本の演劇界のパイオニアである、演出家蜷川幸雄さんがお亡くなりになりました。

この訃報を受け今日の稽古場は驚きとざわめきがおきました。
きっとどの現場でもこの話題になってると思います。
それほど影響力のある方でした。

演出家と聞いて、皆さんはどんなイメージがありますか?

とんでもなく怖い人
灰皿を投げつける人

こんなイメージだと思ってる人は多いのではないでしょうか?
日本での演出家のイメージって全て蜷川さんが作ってると思います。でも、このイメージの言葉の最初に
愛、故に
とつけることが1番、蜷川さんのイメージに合うような気がします。

僕は何度も彩の国の稽古場へお邪魔させて頂いたのですが、その時の蜷川さんはとにかく演劇に対する愛情に溢れ出てました。その時は灰皿こそ投げてはいませんでしたがやはり役者に対する愛のダメ出しは凄まじいものでした。
稽古場には皆さんも認知してるほど有名な方々が顔出しや覗き見にいらっしゃるのですが、その方たちの前で、ある役者が蜷川さんにボコボコに言われてました。
自分も役者なのでわかるのですが、その役者さんの心情を思うと心が折れるほど居た堪れなくなり、そして、自分を責め、眠れない日々が続いたと思います。
しかし、その後のその役者さんを舞台やテレビで活躍してるのを観てると明らかに人として大きくなってるのがわかるんです。

そのダメ出しの最後に蜷川さんはこう言ってました。
「このダメ出しを俺の遺言だと思え‼︎」
と。
その役者さんにとっては宝のような言葉だと思います。

ご病気なのにも関わらず僕と何度もたくさん話して下さった蜷川さん。
1度お話を頂いたのですが、どうしてもスケジュールが合わず出られず仕舞いでしたが、シェイクスピアや芝居の話ができたその時のことは一生忘れないですし、僕にとっての大事なキャリアとなりました。

実花さんの心情をご察しします。

合掌