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AQA Diary

国産アパレルAQAの日記。
制作活動及び、日々の雑感を綴ります。
AQA:http://www.aqalotw.com/

先日、自宅の近くにあるスーパーの改装が終わり、
リニューアルオープンしました。

早速、妻と二人で偵察に行ってきました。

リニューアル前のそのスーパーは、あまり高級な素材は扱って
いなく、安くて、あと、何故か気になる
マニアックな商品を置いていて、妻というよりも
僕が気に入って良く使っていました。

リニューアル前、僕はそのスーパーでよく、
とあるメーカーが出しているイカスミソースを買っていました。
週に2回~3回は買っていたと思います。

あとは、真鯛の頭や、鶏の軟骨、冷麺などを
好んで買っていました。

改装中は、他のスーパーに行っていたのですが、どうしても
魅力に乏しい品揃えに不満を抱いていました。

さて、リニューアルオープンした店内に胸を踊らせて
入りました。
店内に入って思ったのは
「たいして変わってないな~」ということです。

店内入ってすぐは野菜コーナーなのですが、置いてある
野菜の種類や産地に変化はなく、レイアウトもたいして
変わっていません。

少し拍子抜けしつつ店内を進むと、レトルトのパスタソースや
スープがずらっと並ぶ棚が出現しました。
何か個性を感じないパッケージの表情を遠目に見た時に、嫌な
予感がしました。
歩を進めると、その嫌な予感は的中しました。

パッケージには、大手流通グループが展開するプライベートブランド
のロゴが。。。

それも、以前、そのブランドの「すき焼きのタレ」を使ってすき焼きを
食べたところ、当時2歳の息子の唇の周辺がかぶれたという嫌な思いで
があるブランドのロゴです。。ショック!

よくよく考えると、そのスーパーの運営会社は少し前に、
嫌な思いでがあるPBを展開している大手流通グループに買収されていました。。

野菜コーナーでは目につきませんでしたが、その他の豆腐や惣菜、
レトルト食品、調味料、お酒やジュースなどの飲み物などなど、
多くの商品に、プライベートブランドのロゴが。。。

一番ショックだったのは、僕が好きなイカスミのパスタソースの
姿が消えていた事です。

別にその流通グループを批判する気はないですが、いくら買収した
からといってプライベートブランドばかりを置くのはやめてもらい
たいです。
その方が、無駄が省けて、売上げが利益に結びつきやすいのでしょうが。。

あまりに画一化が進むと、結局は自分の首を締める事につながる
と思います。

現に僕は、そのスーパーは余程の事が無い限り利用しないでしょう。

横浜市の青葉台周辺で、このイカスミソースを売っているスーパー
をご存知の方は教えていただけると嬉しいですにひひ



AQAをスタートして、よくお会いする人に聞かれます。

「なんで麻のシャツを作ったの?」

僕はもともと、アパレルとは全く関係ない経歴で、
両親や友人からでさえ、「何でお前が」ということを
言われます。

デザインやファッションに関わる仕事をしたことも
なければ、特別ファッションに気を使うタイプでも
ありませんでした。

学生の頃は、部活のラグビーに熱中していましたし、
高校一年で留年してからは、気分が落ち込んで本を読んだり
ピアノを弾いたりと、自分で言っては何ですが、暗い
生活を送っていました。

あれ、あんまり麻とは関係ないですね。。ガーン

一番最初に麻に興味を持ったのは、高校生の頃、
とある洋服屋さんで買った、綿麻混合のTシャツが
とても着心地良かったということでした。

ただ、その頃は「気持ちいいな~」と思った位で、
麻というのが何なのか全くわかっていませんでした。
大麻やリネン、ラミーなど、麻という一つのカテゴリーの
中に含まれる繊維の種類が20近くあるということも、
全く知りませんでしたし、興味もありませんでした。

そのTシャツはよれよれになるまで着ていました。

高校3年の春休み、卒業を前にしてタイに一人で旅行
に行きました。
2週間近く行っていたのですが、バンコクのカオサン
というバックパッカーが集う安宿街から離れることなく、
ゲストハウスで日がなボ~と過ごしていました。
いや~暗いですね。。。ガーン

カオサンには、バックパッカーが集まることもありお土産屋さん
が沢山あります。どなたか存じ上げていませんが、勝手に拝借。
http://asian-cats.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05


そこで、今思えばヘンプだと思いますが、生成りの麻のジャケット
を買って日本に持ち帰り、自分で茶色か紺かに染めた事を憶えています。
ジャケットと言っても、安宿街のお土産屋さんで買ったものなので、
そんなたいそうなものではありません。

何で、自分で染めたのでしょう。。
今考えてもよくわかりません。服を染める、という行為はその時
初めての事でしたし、やり方も誰に教わることなく、本か何かで
調べて染料を買いにいったのだと思います。
確か、東急ハンズで買ったような。。それか手芸屋さんか。。

ちなみに、染めるのに使った、実家の寸胴鍋に染料の匂いがついて、
母に文句を言われたのは憶えています。

大学に入り、いつかは記憶が確かではないですが、とあるブランドの
麻のシャツを買いました。リネンシャツですね。

肌触りが良かったから買ったのだと思います。
色も薄いピンクで奇麗でした。

それから、麻という素材に自覚的に興味を持ち、何着か麻のシャツ
を買った気がします。ただ、そのころは「麻」ということだけ
わかっていて、リネンやラミーなど、種類については全く知りません
でした。

何着か着ていて、段々と不満に感じてきたのは、
1薄いから透ける
2色が淡い

この2点です。

まあ、そんな不満を抱きながらも、別に自分で作ろうとはその時は
思ってもいませんでした。

大学を卒業して、会社勤めをはじめました。
その会社では色々と勉強させてもらいましたし、
今でも元の上司や、その時に知り合った方々にお世話になっています。

結局、その会社には7年程いたのですが、
3年程経った時から「このままでいいのだろうか」と考えることが
多くなりました。

特に、月曜日朝の通勤電車で良く思いました。
月曜日の朝に自殺する人が多い、というのをどこかで聞いたことが
あるのですが、月曜日には何かあるのうでしょう。

僕がよく考えたのは、「休日と平日」「仕事と遊び」という線引き
がある生活が馴染まないということでした。

今は毎日、仕事をしていますが、今の仕事というのは「真剣に遊んでいる」
という感じなので、実は仕事という認識がありません。
金銭のやり取り、それに伴う責任が発生するので、決して遊んでいるという
ことではないのですが。。
対人関係、金銭面、制作面、色々なプレッシャーはあるのですが、
それでも「仕事」という感じはありません。

僕が抱いていた「このままでいいのだろうか」という時よりかは、
納得した日々を過ごせていると思います。
この先、どうなるかは全くわからず、破産する可能性もありますが、
「このままでいいのだろうか」とは思う事がありません。

またちょっと話がずれましたね。。

会社勤めの生活に「?」を持つようになったころ、
「自分が着たいと心から思える麻のシャツはどうやれば作れるのか」
ということを、考えることがよくありました。

そこで、色々と調べていくと、滋賀県の湖東産地という琵琶湖の東側
が麻織物の産地で、今も工場や職人さんが残っているということがわかり、
週末を利用して、滋賀県に行くようになりました。

知り合いも誰もいないので、飛び込みですね。。
今思えば、よくあんなことしたなあという感じです。。

何社かの工場、何人かの職人さんにお会いさせていただきましたが、
なかなか自分が思い描くような形にすることができませんでした。
それは当たり前で、工場や職人さんからしたら、「何だこいつ」
という感じで、あちらとしても、僕が何をしたいのかわからなかったの
だと思います。

う~ん、どうしようと思いながらも、やはりモノを作る現場を
見せていただいたことが大きかったのか、自分の中で、どういう
麻のシャツを作りたいのかという具体的なイメージを持つ事ができるよう
になってきました。

恐らく、モノを作るにあたっての素材やデザインの知識というのは
学校で学ぶのだと思いますが、僕は邪道的な勉強の仕方をしていたのだなと、
今考えると思います。
滋賀への交通費が、学費といった感じでしょうか。

イメージを紙にまとめ、送ったのが、今もAQAのモノ作りにとても協力
いただいている林与さんです。

林与さんとの出会いから、AQAは本格的に動きだし、林与さんのご紹介で
縫製職人の北山さんにお会いすることができ、大変ご協力いただいて、
今に至っています。

林与さんの出会いから今までを大分というか丸々省略していますが。。。

なので、「なんで麻のシャツを作ったの?」というところに戻ると、
・自分の生き方に疑問を抱いていた
・何故か麻という素材にひかれていて、自分で着たいと思える
 麻のシャツを作りたかったから

ということになるかなと。

長い、、ですねあせる




ここ数日、株価と為替が目まぐるしく変動しています。

こういう状況に直面すると、だれも確かな根拠を持って
株や為替の取り引きをしていないのだなと思います。
(不正取り引きは別だと思いますが。。)

「何となくの雰囲気」によって人々は取り引きの判断
をしているのでしではないでしょうか。

昨日、安倍首相が言った、
「国民総所得を10年後に1人当たり150万円以上増やす」
というのも、明確な根拠など無いでしょう。

生活を送るうえで、「何となく」判断してしまっていること、
というのは思っている以上にあると思います。

「Aさんのことを好き」「Aというブランドが好き」というのも、
自分が身を置く環境によって「何となく」好きになっている
場合があるでしょうし、そのまた逆もあるでしょう。

人というのは、面白い生物だと思いました。

とりとめのない話でした。

青い奇麗なお皿を。


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