全ては相性なのよ、と友はいう | 最後の呟き壺

最後の呟き壺

あと何年生きるかわからないけれど、今を楽しんで生きるつもりです。その時々の思いを忘れないように記録しています。

これは老女の備忘録として書いています。

先日、小学校の時からの友人と会いました。
彼女から、久しぶりにメールをもらって、地元で飲みました。
娘と彼女のお嬢さんが、これまた同級生で親しくしていましたから、親子二代にわたる
お付き合いです。
その昔、一緒にキャンプしたり、海外旅行にも行きましたっけ・・・
お互い、母子家庭のような状態でしたからね。

最初のビールで乾杯した後、すぐ聞いたことは、離婚したご主人が亡くなったということでした。
別れてから長い年月が経つので、最近のことは全然知りませんでしたが、とにかく、今年に入って亡くなられていたということです。
彼女の結婚した相手というのは、お金持ちの一人息子さんでした。
お金持ちといっても、ちょっと桁違いの富豪のお坊ちゃん。
それ故か、この方、働きませんでしたね。
お父様が早く亡くなると、さっさと勤めていた会社をやめて、家族を連れて遊びまわっていました。
それでも、資金が尽きるということはなく、悠々自適の生活だったようです。

一度、彼女に聞いたんです、「なんで別れたの?何の問題もなかったんでしょ?」って。
そうしたら、言ってました。「理解できないかもしれないけれど、とにかく束縛がきつかったのよ。」って。自分の自由になるお金はほとんどなく、すべて相手の言うがままの生活だったとか。「それはそれで辛いわね」と同情しました。

あれから、子供たちを引き離して、それぞれが養育していました。
元夫はその後すぐに海外に渡り、そこで亡くなったそうです。
今回は、彼の手元で育った子が一時帰国して、お墓に納骨したとか。
そして、その後の話がなんとも、すごいものでした。

結局、離婚していた彼女には何の権利もないのですが、手元で育てていた子供にはそれなりの遺産相続権がありますので、それを代理人弁護士の下で手続きをして、さらに、その子がお母さんにも一部分けてあげたいとの申し出があったとか。
父親と暮らしていたときは、ずっと母親のことを悪く言っていたそうで、それを聞くのが
辛かったと言っていたそうです。
とにかくいい子に育ったことはありがたいことだとも彼女は言っていましたね。
もう日本で住む気はないということで、祖父の代から所有していたいくつもある都心の物件を処分する手続きを取っているとか・・・

それにしても、こういう巡りあわせなのでしょうね。彼女は別れる時、持ち家もプレゼントされていましたし、その後の生活費も潤沢に渡されていたようです。
そんな彼女が、ふと、遠くを見るような目つきで呟いたのです。
「けっきょく、結婚がうまくいくか、いかないかはお互いの相性によるのよね」

「うん、そうね、そうかもしれないわね。でも、相性もあるけれど、経済的な問題で壊れることも多いんじゃないかしらねぇ?」と私が言うと、
「そうなのよ、お金があってよかったわ」と明るく言っていました。

幸せはお金では買えないけれど、少なくとも大方の不幸は回避できるのもお金のもつ力かも。
彼女とは、その後ワイン、レモンサワーを飲んで、少し酔いが回ったのか、たのしいおしゃべりで幕を閉じました。
そういえば、その日、彼女は今まで、私が見たこともないような大粒のダイヤの指輪をはめていましたっけ。

人生は様々、ふと島倉千代子さんの「人生いろいろ」の唄が浮かびましたね。笑