「サーフィン発電」は、沖合の波を海岸に集めてきて押し寄せる波の力で強い水流を作り、その力で発電し、その電力を使って海水を電気分解して水素を作る構想です。
【最終的に水素を作るのに、なぜ”発電”なのか】
「サーフィン発電」を考え始めた当初は、”発電”までの構想でした。
しかし、波は地上で利用する太陽光や風力と比較して、高いエネルギー密度を有しています。
さらに、海が荒れるとそのエネルギー量は格段に増加します。
サーフィン発電に至っては、波のエネルギーを3次元的に集めて来るので、海が穏やかな時と荒れている時のエネルギーの差はさらに大きくなります。
これを、電気のまま系統電力に流すと、電力会社に大きな迷惑をかけてしまいます。
そこで、保存性に優れてクリーンなエネルギーである水素を海水の電気分解で生成することを考えました。
それでも、「発電」の名称を残しています。
これは、過去に特許庁に「サーフィン発電」を登録商標として申請した際の経緯に依ります。
特許庁に、「サーフィン発電」を登録したところ、拒絶判定を受けました。
その理由として
”サーフィン発電は、誰もが海の波を使った発電方法を想像する。このような場合は、登録商標とせずに、一般的な用語として浸透させるべくだ”という、考えが述べられていました。
私ももとより、この考えには同じであったので、
”サーフィン発電を全く他の用語として使われたくないので、サーフィン波を利用した発電方法の言葉として確保しておきたい。”
という旨の反論を書いて、その結果、登録商標として受理されました。
その後は、登録料は支払えずに権利自体は消失しています。
(先願の記録は残っています)
それ故に、現在もその時の約束に沿って、「サーフィン発電」の普及を目指しています。
【サーフィン発電のアドバンテージ】
日本には長大な海岸線があります。
そのところどころには、強い波で海岸線が浸食されるのを防ぐため、コンクリートなどの人工物で固められています。
このような場所は、遊泳禁止区域であり、観光客もあまり近づかない、人々があまり近づかない土地が多くあります。
サーフィン発電はこれらの人工物を強固な足場として、海に向かって翼を広げ、波のエネルギーで未来を創ります。
主要な設備を、陸上の一か所に集中できるので、土地の取得コスト、設備コスト、運用コストの面で有利です。
さらに、サーフィン波は、無料で、強力で、尽きることの無い自然のエネルギー源です。
海水は、無料で無尽蔵の水素を提供してくれます。
なので、サーフィン発電は、コストと原材料の面で圧倒的なアドバンテージがあります。
あとは、それらを結びつける技術を示して行くことです。
1985年ころ、核融合ブームが沸き起こりました。
当時、クウォークやニュートンなどの科学雑誌が多数販売されており、こぞって核融合の記事が掲載されていました。
私も、トカマク、ヘリオトロン、レーザー核融合などの記事をわくわくして読んでいた一人です。
その中の、雑誌の一つに、海岸に打ち寄せる波を利用した発電に関する記事が、地味に載っていました。
1986年、私は、海洋科学の分野で学位を取得した後、全く分野の違う半導体関連の仕事に就きました。
そして、半導体業界で20年、その後、自動車業界で10年、暮らしてきました。
その間の、半導体や自動車に係る技術の発展は凄まじいものがありました。
この間に取得した知識や人脈をこつこつと繋ぎ合わせてゆくと、サーフィン発電を実現できると信じています。
【サーフィン発電の開発ステップ】
サーフィン発電を大まかに分解すると次の4つのステップになります。
Step1.沖合の波をなるべく減衰しない形で、海岸の一か所に集めて来る。
(海に働くあらゆる力を味方につける)
Step2.波の終端で起こる砕波から強い水流を発生させる。
(波の海岸に押し寄せる強い力を利用する)
Step3.その強い水流 (海水の流れ) を使って水力発電を行う。
(誰でも知っている昔ながらの水力発電)
Step4.発電した電気で海水を電気分解して水素を生成する。
(安くて高効率な水素生成プラント)
この中で、Step1が一番大変で、不確実な要素も含んでいます。
これについて考えをここに公開する予定はありません。
(サーフィン発電の肝なので.....。)
Step2からStep4は構築しようと思えば、移動式の小さなモデルであれば個人でも実現可能なことと思います。それを徐々に大きくして行く先に、素晴らしい世界が広がっていると信じています。
なので、今後はStep2~Step4に関して小さな実験機を作り、成果を報告しながら「サーフィン発電」を世に出す努力を続けて行きたいと思います。
みなさまに
波の力を利用すると、水素ってこんなに簡単に安くクリーンに作れるのか!!
と感動を与えられれば幸いです。
2025年2月5日 再編集
【参考1.】
10年前に行った、世界で一番ショボい海洋実験と自負する実験が下の動画です。
これを笑い飛ばすか、大きな可能性を感じ取るかはあなた次第です。
【参考2.】
年貢が収められなくて、維持できなかった「サーフィン発電」の登録商標と基本特許。
いつの日か復活させたいです。





