民間養子縁組あっせん機関への批判について。
こんにちは。ゆゆです。実子の5歳児を育てながら、特別養子縁組で0歳の赤ちゃんを迎えました。再び大変ご無沙汰をいたしました。松の内も過ぎてしまいましたが、あけましておめでとうございます。また、昨年来の各地の戦争に加え国内でも新年早々災害や事件事故が続いており、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。皆様の周りの世界が少しでも皆様にやさしくありますように、お祈りいたします。我が家の近況としてはあっという間に長女は小学1年生の3学期、長男はもうすぐ2歳になります。おかげさまで二人とも元気いっぱい、いっちょ前に喧嘩もするようになりましたが、本日はそういうお話ではなく。私、ちょっと怒っているのです。特にX(旧Twitter)で見かける論調ですが、あっせん団体さんの手数料に納得がいかない等で、きっと現実世界で他人に向かっては用いないであろうワーディングを使って特定の団体さんを貶めているポストを見かけることが以前から少なくありません。私は団体職員ではありませんし、社会福祉の専門家でもなく、政治家でも行政職員でもない、ただの一養親です。ただデータを見る限り、どう考えても前述のようなポストはお門違いです。お門違いである以上、一養親の私にとっては養子である長男や養子当事者の方、日々命を守るために働いているスタッフさんを傷つけかねない言葉の暴力にも感じられます。つきましては、公的機関が出しているデータを用いて、これらのデータの見方を事実としてまとめてみたいと思う次第です。ご興味のある方がいらっしゃいましたら、よろしくお付き合いください。ソースデータはこちらです。令和3年度養子縁組民間あっせん機関実態調査結果(知らない間に主管が厚労省からこども家庭庁に移ったようですね)調査対象は行政から活動許可を受けている民間のあっせん機関。対象期間は2021年4月~2022年3月の1年間です。活動許可を受けている22団体について、 事業者概要(名称、住所等) 職員配置(※団体ごとの相談員の資格・職種、常勤/非常勤、専任/兼任等の情報と各人数) 養親希望者からの申込み状況(※全事業者横串で都道府県別の件数、年齢分布) 児童の父母等からの申込み状況(※養子に出したいという申し出の件数、児童と申出者の続柄、実父母の年齢、申込み後の対応(実際に養子に出した、自分で養育することにした、等)) 成立事例について(※所要日数、児童の年齢、縁組成立後の養親子に対する支援の種類・件数) 事業者ごとの申込み状況について(※養親希望者、児童の父母等双方の申込み件数と成立件数、手数料額平均)がまとめられています。これはきっと項目の解釈を間違えておられるな…という外れ値(多分)もチラホラあるのですが、細かいところは置いておいて、概要のお話をいたしたいと思います。繰り返しになりますが私は専門家ではありませんので、できるだけデータから読み取れるファクトと推量は分けてお話ししますが、もし誤りや解釈違いがありましたら是非ご指摘ください!2. 職員配置について。22団体のうち4事業者は、常勤/非常勤のいずれも専任の方はいらっしゃらないようです。つまりこれらの団体のスタッフさんはあっせん事業が本業ではなく、医療機関等の本業の傍らであっせん事業を実施されていることになります。この4事業者のうち2事業者は医療機関で、調査年度中の縁組成立はゼロです。自院での必要性が生じた場合のみ、あっせん事業を行われているものと思います。ほかの2事業者は私は知らない団体さんですが、いずれも複数件の縁組成立があるようです。母体に公益社団法人/一般社団法人があるようなので、そちらとの兼任の方がいらっしゃるのかも?と拝察します。その他の事業者さんは常勤/非常勤の割合や人数は様々ですが、いずれも専任のスタッフさんがいらっしゃるようです。つまりどういうことかというと、特に常勤の方はあっせん事業で生計を立てておられる可能性が非常に高いということです。社会福祉士・助産師・看護師等の専門職の方もいらっしゃいますし、それなりの人件費が必要になります。この点は是非ご認識いただきたい部分です。3.…は養親に関することなのでスキップして。4. 児童の父母等からの申込み状況です。児童の父母「等」となっているのは、父母以外の養育者や児童相談所等(死別等)が申し出るケースがあるためと思われます。こちらでは申込み者の住所(都道府県)等が整理されていますが、(3)児童の父母(実親)の年齢のテーブル、こちらがいつもモヤモヤしてしまうところでですね。実父の年齢・実母の年齢と並んでいますが、総数が実父が174件、実母が248件です。差し引き74件の実父さんはどこに消えてしまったんでしょうか。おかしいですね。それはさておき、実母さん248人のうち、実際に縁組に進んだのは198件。次いで自ら養育が22件、翌年度に継続が15件(妊娠中の申込みでまだ産まれていないとかでしょうか)、施設・里親委託、消息不明等、親族養育、と続きます。自ら養育等となったケースについてもおそらくおめでとう!退院!さようなら!は難しいケースがほとんど。ここは主に各事業者の社会福祉士さん等が公的支援につなぐお手伝いをされています。この人件費はどこから出るんでしょう。まさか実母さんからは取れませんよね。5. 成立事例についてです。(1)で養親希望者からの申込み~同居開始~成立までの各マイルストンの日数が示されています。法令で決まっているのは「同居開始から最低6か月の試験養育期間」と「家庭裁判所での審判」。このため「同居開始~養子縁組成立」の欄では「180日以内」の件数はゼロです。ボリュームゾーンは圧倒的に181日~360日(178件)ですが、361日~540日も39件、541日以上も8件あります。お子さんが外国籍であったり実親さんと連絡がつかなくなってしまうと時間がかかるケースがあるようです。審判の申立ても、じゃあ養親が自力で頑張って!というわけにはなかなかいかないですよね。養親希望者の9割超が20代から40代、家裁なんて入ったこともないよ…という方がほとんどなのではないでしょうか。(私はそうでした郵便物の「出頭」の文字にドキドキしたものです)このあたりも各事業者のスタッフさんがサポートしている部分です。審判の過程でも、養親の適格性、養子に出す妥当性(本当にやむをえない縁組なのか)について家裁からあっせん団体に照会がいくようで、団体から家裁へA4何枚にもわたる調査報告書を提出してくれます。(3)成立後の養親子に対する支援のテーブルでは各事業者が同居開始後の養親子に対して行っている支援の内容が示されています。(面談、電話やメールでの相談、行事、会報、その他(SNS、サロン、オンライン面談、研修、児相連携、セミナー等))我が家がお世話になっている団体でも縁組成立後まで面談していただきましたし、養親の交流会やセミナーなどもしばしば企画されています。6. 事業者ごとの申込み状況等について。こちらで各事業者の養親希望者からの申込み件数、児童の父母等からの申込み件数、養子縁組の成立件数、手数料の平均額(min~max)がテーブルになっています。手数料については単位が書かれていませんが千円のようです。手数料は第一~三号に分かれていて、ざっくりですが 第一号:委託に要した経費(人件費を除く)や出産費用 第二号:児童や実親さんの支援に係る費用 第三号:研修やフォローアップ等を含む団体の運営経費等に充当する手数料という感じです。(ざっくりです。出産費用の部分等、法律の書き方が不明瞭なところもあり素人にはワカリマセン…)ソースのテーブルをご覧いただくと、医療機関ではなくあっせん事業が本業の事業者では第三号が大きくなりがちな傾向が見て取れると思います。一方、成立件数がありながら手数料欄はすべてゼロという事業者さんもあります。これはつまり養子縁組事業については全くの無報酬で実行されているということであり、素晴らしい志だと思います。また同一の協議会に所属しておられる医療機関さんが5つあり、そちらではあっせん事業での寄付や手数料のやりとりはせず、医療の一環として行うことを信条にされているようです。したがって第一号・第二号手数料(実費部分)は発生していますが第三号手数料は発生していません。ただ繰り返しになりますが一部の事業者さん・スタッフさんはあっせん事業が本業です。複数回に渡る養親向けの研修、面接、複数回の実親さんとの面談(一回の面談で意思確認を確定することはまずないでしょう)、養親審査、ペーパーワーク、委託後のフォローなどなど、それらの経費と人件費は手数料と補助金で賄われます。さて、あっせん事業が本業の場合。それで生計を立てようとして何か悪いでしょうか。社会福祉できちんと収入を得られる仕組み、私は全然悪くないと思っていて、特にその点闇とかなんとかは感じていません。福祉や社会的養護は無償や低賃金で行われてこそ素晴らしいとは全く思いません。普通に考えてみてほしいんです。予期しない妊娠や養子縁組を支援しようとすると具体的にこういう業務がこのくらいの時間必要で、それにこのくらいお給料を払おうと思ったら、このくらいのお金は必要、と。積み上げていくとそれなりの金額になると思います。是非、お金に勝手に名前をつけて貶めるのは控えていただきたいなと思います。本日のところはいったんこれまで。もう少し層別化して分析をしたり図示したりということもやってみたいと思いますが、それはまた追い追い。それでは、また。