雪虫が飛ぶと・・・、



人々はいろんな想像をする。



妖精のように突然現れて



消えていく・・・。
















その正体は、



知らなくていい。



道端の鳴き声に引き寄せられて



ついつい抱き上げてしまった。





“ミャー、ミャー”



仔猫が私を見つめながら鳴く。



“ミャー、ミャー”










いったい何が言いたいの?



だから、どうしてほしいの?



お腹がすいたの?



寒いの?



母を呼んでいるの?





その声に応えることはできないけど



キミの幸せのために努力するよ。





誰かー、誰かー、



この子の世話をしてあげてー。





黒猫は鳴く。



私は叫ぶ!
人はそれを『○○君の乱』と呼ぶ。




「これでいいやんー」



「いや、そんなんではアカン!」



そう彼は主張し、計画は止まった。





そこでは学校跡地の利用を地域で考える話し合いが長い間続いてきた。



結局これといった案は出ず、無難に森林公園にする方向でなんとなく進んできた。



賛成意見は、波風は立てない反対ではないないという安易なものだった。



「それを作ってどうなるの?」



「後の維持管理は誰がするの?」



「それに費やすお金は住民にとって価値があるの?」



ゴールを見誤っていないかという彼の声は『○○の乱』と言われたが



私はそれは必要な声だと感じる。





未来への責任は妥協からは生まれないと思うから。








「アヤカですー」



“えっ、あぁ・・・”



「小学生の頃テニスを教えてもらってたー」



“あー、”(なんとなく思い出した)



その子は十数年前に私のやっているジュニアテニスに隣町から来ていた子だった。



「あの頃は楽しかったー」





土手の草を刈ったらみんなが段ボールを持って来て坂を滑ったり



クリスマス会でウンチ型のスーパーボールをまいたり



マイクロバスを借りて私が運転してスケート場まで行ったり



ほかのスポ少の野球やサッカーに負けてたまるかと頑張っていた。



当時は野球もサッカーもバレーボールも少林寺拳法も活動が熱心で



数名の指導者で勝つために厳しく練習をしていた。



親も試合や大会があるとカンカンになり、土日はまるまるそこに時間を費やしていた。




その反面、そこに賛同できない人たちやそこまでやりたくないと思いながらも



子どもたちに何かスポーツをやらせてあげたいと思う人たちの期待に応えるために



そして子どもたちが大人の都合や感情に振り回されることがなく



子どもらしく自分たちが中心になってできるようにと始めたのが私のジュニアテニスだった。



『子どもたちのスポーツの底辺を支える』



それが私の大きな目的であり目標だった。



「遊んでばっかりやん」



「上手にならんなぁ」



「やる気あるんか?」



いろいろ感じる人もいたようだが、テニスコートには子どもたちの大きな笑い声が響いていた。





「あれからもテニスを続けてましたー」



アヤカは言った。






金曜日の夜はナイターでジュニアテニスをする。








“初心忘るべからず”



自分がなんのためにこれを続けるのか。






子どもたちの自主性に任せるというのは辛抱と根気が必要だ。



もう今年で辞めようか。



来年になったら辞めようか。



迷う気持ちは、子どもたちの笑顔で何度も思いとどまる。



「体調不良でも休まんとやってやー」



あんなにふざけてばかりでもやる気はあるらしい。









初心忘るべからず



是非の初心忘るべからず



時々の初心忘るべからず



老後の初心忘るべからず





忘れてはいけないこと、忘れなければいけないことが私にはある。
NHKの番組『クローズアップ現代』で大きな社会問題になっている農業を特集していた。



農業従事者の減少



農地の減少



食料自給率の減少



その課題にJAが小さな農業の手助けをすることで改善に取り組む内容を紹介していた。


意識改革、地域の活性化、社会を変える。



若者に夢を!




美しい言葉を並べてそこに希望を繫ぐような番組に仕上げているが



正しい取材、実態からはほど遠い内容だと感じている。



小さな農業では安定した生活は確保できない。



人口減少、高齢化、農村の過疎化でそれがどれほど成果を望めるのか。





なぜ大企業は農業に手を出さない?



そこには農業従事者、後継者が減少するからという半世紀以上前の規制や



日本国内で政府に大きな発言力を持つJA(農業協同組合)が



組織を守るために他の企業の農業への進出を阻止する根深い流れがあると聞いたことがある。



国会議員にとっても政党にとっても



やたら馬鹿デカい農業協同組合の存在を守ることは



自分たちのためには必要なのだろう。



農業の衰退よりも、食料自給率よりも選挙を有利にする方が



政治家たちには大事なことだから。




マスコミも目先のスキャンダルや政権批判の方が国民受けするし



田畑を見ることのない都会の中では、小さな世界しか見えていないし



メディア自体が日本を潰したいもっと大きな力によって動かされているのが現実なのだろう。




大切な情報や、真実が必要ならメディアを信じてはいけない。



彼らは、自分に都合の良いことしか言わないし平気で嘘をつき通す。





これは、この番組を見た私の感想であり



証拠があるわけではないないので信じてもいけない。