ベビーベッドが片付けられて静かになったその空間には




まだ昨日までの余韻が記憶として残っている。









昨日、娘と孫を新しく完成した新居へ送って行った。



部屋のあちこちに積まれたいっぱいの段ボールよりも



そこにはそれ以上の夢があった。





子どもが生まれて新しい生活がスタートした。



そして新しい土地で新しい生活がスタートする。



こりゃ大変だ。



でもそれを『勢い』って言うのだろう。








アイツには余韻にひたっている時間なんてないんやろなぁ。












「おはよー!」




生徒たちに声をかける。




来春に開校する小中一貫校の工事が進む中、




現場の女子作業員が掲示板に書いたメッセージが新入生を迎える。









ただ工事をしているのではなく、かといってお喋りしなくてもコミュニケーションは成立している。





もうすっかり桜も散り、校舎のまわりは新緑が眩しい。



足下に残る桜の花びらに、つい最近が懐かしく感じる。








あいかわらず壊れたままの校門の時計だけが



時間に取り残されて、



でもあの場所で新しい春を見ているのだろう。








高校生活四日目の息子は、中学校の時より早く出かけた。









通学の電車の中では、まだ中学校の同級生たちと変わらぬ会話をしながら



駅を降りるとそこから新鮮で新しい春を楽しんでいる。





新しい・・・、



それはいいことだ。





車を乗り換えた。




問題が発生した。




今はもうMDを聴く装備が存在しないなんて・・・。




クルマから下ろしたMDだけが行き場を失い紙袋に残る。




あたりまえに使っていたものが、気がつけば過去の遺物になっていた。









広い新しい世界を見ずに、それがいつまでも続くと信じ込んでいた自分が



取り残された時代にポツンと立ち尽くす。



どうしょう・・・。



何もわからない・・・。



どうすればいいんだ?





まだ私は過去から抜け出せないまま



そして僕は途方にくれる。




もらったシイタケをさばいていると、

 

 

 

白いウネウネした虫がはっていた。

 

 

 

え~っ!

 

 

 

 

 
 
 
 
 
調べると、
 
 
 
シイタケにはよく虫がいると書いてあった。
 
 
 
ハエの幼虫らしい。
 
 
 
シイタケは洗って食べることができます。
 
 
 
虫は食べてもタンパク質だから大丈夫です。
 
 
 
人体に害はありません。
 
 
 
 
・・・、
 
 
 
表現は軽々しく言うが
 
 
 
虫やん!
 
 
 
食べたくない・・・。

年に一度の経過観察で一時間半かけてその病院へ行った。




予約は9時30分。




受付へ行くと、




「先に採血と心電図をお願いしますー」




はい。




並んで待って、並んで待って・・・。




やっと診察の順番が来たと思ったら




「エコーもやっときましょうかー」




はい。




並んで待って・・・。




再び診察のために並んで待って・・・。




会計が終わったのは2時半過ぎだった。




私もつらかったけど、お医者さんもご苦労さまです。




病院へ通うのは体力と気力が必要だ。




そのためには、健康でいなくては。





「また、来年ー」





病気になったら病院へ行けないから気をつけよう。