昨日、娘が出産した。




初孫の誕生だ。




13日が予定日だったのだが、




なかなかその時が来ず心配したが




元気に生まれた。









“おじいちゃんになってんー”



たまに鈍いヤツがいて



具体的に言わないとわからない。



まぁそんなこんなはどうでもいい。




他人にはわからない幸せなんだから



言い甲斐のある人に話そう!





しばらくはこの子を中心に生活が変わる。



それは良いことだ。





名前は『陽向(ひなた)』



生まれる前に名前は決まった。



早くから女の子だとわかっていたから。





今どきはふつうらしい。

「短い人生だった・・・」




昨夜、知人の通夜でご主人が語った。




妻が亡くなる2日前に話をしたんです。




「短い人生だったわ」




でもその間、いっぱいいろんなことに挑戦して頑張ったんだから・・・、






人生は長さじゃなく、面積なんだと思うよ。






その言葉が印象に残った。











なぜ・・・、



あなたを必要としている人間がこんなにいるのに。



なぜ・・・、



そんなに急いで逝ってしまうの。



55歳、



命はひとりのものじゃない。

「これからも遊びに来ていいですか?」




“いいよー”






でも、みんな来ることはない。




新しい生活が始まり、前に向かって進んでいるのだから




ここはもう必要はない。











笑いながらみんなで記念写真をとる。



笑いながら去って行く。





静かになった場所で、ひとり取り残されて・・・。









卒業おめでとう。



それは学校を卒業したことではなく



新たな世界へ旅立っていくことをいう。






卒業おめでとう。



私はもう君たちに必要な人間ではなくなった。



それだけ成長したのだ。



過ぎた時間はもう関係ない。



ここは過去なのだから、ここにいる必要はない。





毎年、毎年、この時期は



空を見上げため息をつく・・・。



卒業おめでとう。






私は大丈夫。



まだ、私も終わっていない。



ここでそれなりに生きている。




“ちょっと本屋さんへ行って来るー”




休日の午後、目的の本を買うために出掛ける。






あれ~、




誰か先に買ってしまったようでその本はなかった。




仕方がないので他に5冊ほど買って帰る。






次はこれを読んで、その次にこれを読んで、その合間にこれも読もう。




とりあえず本棚に買った本を並べていくと




ありゃま・・・、




今日買おうとしていた本がそこに並んでいた。




そら本屋さんにないはずやー




いや、なくて良かった。






時々やってしまう失敗がある。




同じものを何度も買う。






「これ、どうすんの?」




同じ本がいっぱいある私の本棚。

近づくと沈丁花の香りが優しい。



心地良さと疲労感の微妙なバランスの温度差の中で



上着を一枚脱いだり着たりを繰り返す。












春かぁ・・・。



なんかわからんけど



始まる気がする。




もうすぐ・・・。