ロックダウンが始まって以来、
私は2度ほど、猫がネズミを捉えて満足そうに歩いている姿をみかけた。
2年ほど前に生まれた、アパート敷地内に住みついている猫だ。
猫がネズミを追いかける、、、、というのはもちろん知っているけれど、
はじめて目の前でリアル”トム&ジェリー”を見たとき、
私はあらためて「ネズミがこの敷地内にもいるのかぁ、、、」と思った。
そして、「今まで一度もみたことないのに、なぜこの短期間に2度も、、、、」とほんの一瞬、不快感とも違う、妙なかげりのようなものを心の中に感じたような気がした。
一緒に見ていた友人は、「そりゃネズミくらいいるよ。約140世帯あるわけだからね。外からだってやって来る」と。
まあそうかもしれない、、、と私もとりあえず納得した。

そして昨日、我が家にある疑惑が浮上した。
実はここ4〜5日ほど、キッチンに置いてあったバナナ、パパイヤ、スイカなどに穴が空いているのを私は発見していた。
でも、なんだろうと少し疑問には思いつつ、あまり気にしていなかったのだ。
それが昨日の朝、夫がこれはネズミの仕業だと言った、、、私は信じられなかった。
ただでさえ、蟻やゴキブリ、リザードの侵入を許さないために、毎日キッチンやダイニングを中心に何度も何度も掃き掃除、拭き掃除をしているのだ。
たった2〜3ミリのビスケットのかけらでも、蟻たちは列をなしてやってくる。
床には何も落ちていないし、子供たちにもその点についてはかなり厳しく言っている。
(もちろん子供だから食べ散らかしたり落としたりするが、その都度私は必ず掃除する)
でも、夫が手にしたポテトを見たとき、私は「ネズミ、、、かもしれない、、、、」と思った。
本当に、かじられているのだ!!!! あのアニメで見たような光景が、、、、。
でも、、、何故!!! いつ、どこから、どうやって侵入したのだろう。
自分の家の中にネズミがいるなんてことがあり得るだろうか!!
私は、ほぼ決定的証拠となるポテトを見せつけられてもなお、にわかに信じがたい思いを抱えながら、とにかくキッチンの大掃除をし、果物やポテトは全て洗って冷蔵庫の中に入れた。
そしてその日の夜中12時過ぎ、目を覚ました私は、キッチンへ行ってみることにした。
電気をつけて、目と耳に神経を集中させながら、しばらくあたりの様子を伺った。
なにも変わった様子はない。
シンクにいくつか洗い物が置かれていたので、洗ってしまおうと思った、、、、そのとき、、、、
カサカサ、、、、チュ、、、、、!!!!
ハッ!と振り返ると、なんと、なんと、なんと、冷蔵庫の下から出て来て逃げていくネズミの後ろ姿が!!!!!!!!
私は叫ぶでもなく、ただただ手で口を覆って、大きく息を吸い上げていた。
「目を疑う」というのは正にこういうことを言うのだ!
こんなにも自分自身の目を疑ったことがこれまであっただろうか。
ネズミは扉が開いていたプレイルーム(子供部屋)に逃げて行った。
寝ていた夫を起こして報告し、翌日ネズミトラップをしかけようと決めて、、、、、そして寝た。
起こってしまったことは仕方がない。
今朝、アパートの友人何人かにネズミの話をした。
当然ネズミに対する嫌悪感は誰しも持っているけれど、「家にネズミがいた!」という事実に驚く様子はなかった。
「うちにも2年ほど前に一度出たことがある」と言った彼女は、とてもきれい好きで、いつも家はきれいに片付いている。
そんな彼女の家にもネズミが侵入したと聞いて、ちょっと安心した。
蟻もゴキブリもリザードもネズミにも、個人的には何の恨みもないし、トラウマもない。
でも家の中にいる生き物は、やはり容赦なく撃退してしまう。
日本では、こんなにも生き物を殺す必要はなかった。
戦争に行かなければ、大量に人を殺す必要はなかった、、、、という理論とはちょっと違うけど、
でも、状況が変われば生き物に対する扱いも変わってしまう。
と悠長なことを言っている場合ではない、、、今も奴はこの家のどこかに身を潜めているのだ。
今夜はネズミトラップ作戦を決行しなければ!!