受験の天王山にかかって来た頃、先生の本業のお仕事も立て込んできた事もあり、


ここからは、現役の塾の先生にお任せします。過去問の実力や、伸びしろを考えれば充分射程距離ではありますが、理科と社会の問題集を探しに行くのをどうしようかと思っていて。


息子の第一志望は私立の難関高。そして第二志望は都立のニ群高校。内申が振るわなかったので、理社を一週間で仕上げると言うギリギリの戦いとなります。


ユウ先生が理社の問題集を探すという事は第一志望に受からないことを想定していることにもなるので、先生も、優しいから、気遣って下さったからのお言葉でした。


本人にはもちろんそのつもりは無いけど、周りは準備が必要ですから、ここまでお世話になったついでに甘えても良いですか。


もちろん。丁度息子君が受験の時は仕事が立て込んでるかも知れないから今から問題集だけ選んでおきます。


数日後、先生から理科の問題集のリンクが送られて来ました。わざわざ大きな本屋に行って問題と解説を見ながら選んで下さってました。


それは、第一志望落ちた時の万が一の対策と言う一見不吉なものではありましたが、私にとっては、そのユウ先生の思いが心から嬉しくて、これはお守りだ、と、受け止めました。そして迎えた第一志望の日。



受けた日から、第二志望の準備に入る、と、息子は覚悟を決める分けですが、一週間強で、ノー勉だった理社を8割以上取ると言う難題。


第一志望に向けてして来た勉強に比べれば、楽。と言う息子に頼もしさを感じながらも、まだ発表までは待つよね、と、数日はユウ先生の問題集の話はしませんでした。その間にも他の高校をうけていたのもあります。そして第一志望の発表の日。お友達と、一緒にみて、


オマエ、落ちてるやん。


と明るく?受け止められたのを契機に、5分後にはユウ先生の問題集をAmazonで注文していました。切り替えが大事です。


仕事が多忙ながらも、出番と悟ったユウ先生が頻繁に連絡して来てくれます。


とりあえず、一回過去問を解いてみて、どのくらいか教えて下さい。


理科が62点でした。社会は、何とかなると言ってますが。


息子君の場合、英語は恐らく満点行けるのでそこでカバーしましょう。とにかく、引き続き、数学のサービス問題を舐めない様に言って下さい。


分かりました。


塾から帰宅した息子に、ユウ先生が選んでくれた問題集を手渡すと、


え、先生が選んだくれたの?いつ?俺が落ちてから?先生忙しいのに。


ユウ先生は、どこまでも味方なんだよ、、とにかく今は気持ち切り替えて頑張れって。息子にもユウ先生からLINEが来てた様です。


息子も、ユウ先生は、塾の先生と違って、完全な好意で指導して下さってるのを知っています。だからこそ、先生がわざわざ足を運んで選んで来てくれた問題集が嬉しかったのでしょう。


この問題集からやる。


息子が本気を見せたのはあの時だったなぁ、と、今でも思います。人の想いがスイッチを入れるんだ、と、母親としては、感謝の気持ちしかありませんでした。


続きます。