「国の怠慢のツケを食卓にまわすな」(志賀 櫻著  ぱる出版)を読みました。


豚肉の輸入に関する差額関税制度の問題点を指摘し、その是正策を提示する

ものです。


問題点の把握には示唆に富んでいる点、評価できますが、関税制度の制度設計

が稚拙であるという結論がすべての議論の出発点になっていて、論理の展開が

粗くて弁護士らしさに欠けるところが難点です。


参議院選挙が近づいており、プロパガンダの様相を感じ取るのは、深読み過ぎる

でしょうか。

異能の天才将棋棋士、加藤さんは心優しい猫好きですが、野良猫を世話したことで、

近隣住民とトラブルが生じ、迷惑料(?)を命じる判決があったと報じられています。


猫好きにとっては、許しがたい判決ですが、特に猫には住民の好き嫌いがはっきり

分かれるだけに、近隣問題の中でも難しいものの一つですね。


新しい動物愛護法では、動物との共生も迷惑防止と並んで推進すべき目的に

なっていますが、弱い立場の動物ですから、どうしても迷惑防止の方向に傾きがち

になります。


永遠のテーマで、いずれの立場からもそこそこのところで妥協せざるをえないと

思われます。

猫好きとしては、自治体からの補助もある避妊手術で無用の繁殖を避ける努力、

余裕のある住民がペットとして愛育すること、できれば地域で共生に取り組むこと

などが考えられます。


一度、その愛らしさに触れたら、猫嫌い派にも変化が生じると期待するのですが・・・

ベルリン・コンスピラシー(Michael Bar-Zohar 著、横山 啓明訳)を楽しく読みました。

それとともに、いまだにベストセラーを生むナチ問題の根深さ、深刻さに改めて思いを

巡らせました。その意味からは、楽しく読んだという表現は適切ではないかもしれませんが。


イラク戦争の時にも表面化した、米国とヨーロッパ(ドイツ、フランスなど)の対立を思い起こさせる

国家間の軋轢、米国とドイツ首脳部の作戦展開、CIAやMI6ら情報機関の活動など、スパイ

小説を思わせる緊迫感を味わえました。


著者も小説そのままに、複雑な生い立ちで、それでこそこのような作品を生み出すことが

できたのでしょう。