考えることのできる頭に | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

「衣食住育学」石川幸夫のブログ

教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
自分で考えられる子に!

■疑問・興味・関心・気づき・発見のすべてが思考力に!

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 皆さんよくご存じの子育て法の中に、「叱らない子育て」があります。この子育て法には、とても大切なことが隠されています。それは、自分自身で、して良いこと悪いことの区別や、その判断を持つことで、そこには、「考える」というとても知的な行為が前提となっています。

 

 「思考」という言葉は、様々な場所で使われます。それだけでなく、様々な「思考」があります。今、教育界で求められている論理的思考を筆頭に、空間認知能力の中にある空間的思考、今の社会を象徴しているCritical Thinking:批判的思考、幼少期の具体的思考から徐々に育っていく抽象的思考、さらには、将来を見据えた創造的思考、これらは、人に支持されて動くことから脱皮し、自ら考え、行動するための原動力になります。

 

 そのため、「褒めて育てる」という教育法に欠かせないことが、子どもに対する親から、大人からの適切なアドバイスであり、「こんな時どうすればいい?」というような質問に、自分で考え答えを出すという環境を作り上げる言葉がけではないかと思います。すると、子どもは、自分で考える場を数多く与えられたことで、自ら疑問を持ったり、興味や関心を示すようになります。この環境から得られる、物事に対し意識して臨む姿勢こそ、子どもの自立に向けた準備となります。

 

 この「思考」に含まれるのが「記憶」です。思考は、記憶を活性化し、新たな情報を自ら作り出していきます。それが、学習の場でも発揮され、与えられる公式ではなく、自ら考えだした自分自身の公式を考えだしたりします。時代は便利な道具で埋め尽くされ、子どもも、自分で考え工夫する場が少なくなってきたように感じます。また、教育現場も、あまりにも子どもたちに寛容になり過ぎ、自分で覚えたり、考えたりすることを先生や他人に委ねることが多くなりました。それは質問ではなく、指導を受けたはずの計算法や、公式であったりします。

 

 思考することの減少は、子どもの記憶力も奪っているのです。これは、学習の現場だけではありません。生活面でも、スポーツの面でも見られることです。「自分で考える」一見、当たり前で、常に行われているように思えることが意外にもできていないようです。子どもに考えさせる余裕が、大人側にないのかもしれません。そのため、結果優先で、大人が子どもの疑問に答えてしまうのでしょう。時には、その答えを子どもに振ってみましょう。「えっ!」と驚く回答をしてくるかもしれませんよ!