かずや算数はイメージが大切!

 

 幼児期の経験や体験はとても大切だとう話しをよく聞きます。ところが、数や算数に関連する経験や体験は何?と考えてみると直ぐには思い浮かびません。幼児にも家の手伝いをして貰う、実は、このことが数や、算数に限らず、他の教科も踏まえ、全ての土台になっている事が解ります。生活面では、家の手伝いと言っても、最後は親の手を掛けることになり、また、時間的にも早くできないことなどから、親が手を出し、口を出してしまうことになっているようです。ただ、誰もが、初めからできるわけではなく、親という立場は、「待つ」という二文字が必要なのだと言うことが身に染みて感じるのではないでしょうか。「待つ」という親の姿勢は、間違いなく子供の自立を早め、最近よく耳にする、非認知能力と自己肯定感を高める事につながるようです。

 

■計算の前に「0」の概念を

 

 数の概念の中でも、最も難しいと考えられているのが「0」の概念です。子供たちの計算ミスの中でもダントツのトップにあげられているほどです。計算のみならず、小数、大きな数、そして、単位換算では「0」の概念をしっかり持ち合わせていないと、学習定着もおぼつかなくなります。今の社会は情報過多なのですが、必要な情報は意外にも少なく、それらが発達過程にある幼児の目や耳を通し、歪んだ情報となり、いつしか定着してしまいます。

 リンゴが3、リンゴが2、リンゴが1,リンゴが0、こうして、あるべき物が”ない”、それを「0」と表すことをしっかり学びます。こうして、具体物、タイル、数字で表すと、”ない”というイメージが分かり易く伝えられます。”かず”はイメージとしての量がとても大切になります。「0」に何を加えても、掛けても「0」になるという事が解っているので、学習の指導現場では「0」の計算を省く傾向があります。その為、家庭や塾などで、しっかり「0」のつく計算をイメージ化してあげて欲しいと思います。

 ※下図 タイルを使った「0」の計算のイメージ図

 

■イメージ・操作・計算

 

 絵題から、言葉イメージから足し算を意識できてくると、「+」という記号の意味も膨らんできます。そこで、いよいよ計算の学習になるのですが、教えるお母さんやお父さんに、計算に対する知識を知って欲しいと思います。

 これは、今まで何度もブログを通してお話してきたことなのですが、それをまとめてみます。

 ①指で数える計算はけしてしない。

 ②必ずタイルを使い、頭で計算のイメージができるようにする。

 ③「指導順序」に沿って学習する。

 ④計算の過程を説明できるようにする。

 

 足し算の基礎計算は、全部で100題あります。この基礎計算を組み合わせて、2桁、3桁……の計算が構成されていきます。その為、基礎計算をしっかり行うことがこの指導の要になります。100題の基礎計算を、繰り上がりのない計算、繰り上がりのある計算に分けます。

繰り上がりのない計算は55題、繰り上がりのある計算は45題になります。計算の指導には順序があって、その順序通りに行うことで、子供の負担が減るだけでなく、分かり易い学習になります。この時、押さえておきたいのは、「0」という数は特殊であるということです。水道方式では、計算は全て型分けされています。

 ①4までの計算  6題 1+1、1+2、1+3、2+1、2+2、3+1

 ②5になる計算  4題 1+4、2+3、3+2、4+1

 ③5にたす計算   4題 5+1、5+2、5+3、5+4

 ④5をたす計算  4題 1+5、2+5、3+5、4+5

 ⑤①+③の計算 6題 6+1、6+2、6+3、7+1、7+2、8+1

 ⑥③+①の計算 6題 1+6、2+6、3+6、1+7、2+7、1+8

 ⑦5を作る計算  6題 2+4、3+3、3+4、4+2、4+3、4+4

 ⑧0にたす計算  9題 0+1、0+2、0+3、0+4、0+5、0+6、0+7、0+8、0+9

 ⑨0をたす計算  9題 1+0、2+0、3+0、4+0、5+0、6+0、7+0、8+0、9+0

 ⑩0と0の計算   1題 0+0

 

 計算指導は、上記の順で行います。タイルを使った計算では、5のタイルの定着が鍵になります。その為②の計算が大切になります。また、計算前には数の合成分解を行っておくと、計算前の良い頭の体操になります。(つづく)

 

なお、教材は、それぞれ、2歳・3歳・4歳・5歳・6歳の年齢別教材にタイルを組み合わせた、お得な内容でスタッフがセットしてくれました。限定になりますが、お声をおかけ下さい。詳細は、2、3日以内にお知らせ致します。

幼児のための”さんすう教材”

 

 幼児向けの教材は、種類は少ないものの、最近ではずいぶん充実してきました。40数年前私が、幼児教育の教材研究を始めた頃は、まだまだ幼児教育も標準化される前で、当初は、故水野茂一先生、故七田真先生と共に、幼児教育の重要性について全国を飛び回っていました。当時は教材も少なく、何を教えるのかさえ手探りの状態でした。幼児期の学習の柱は3つあり、その一つが「かず」という分野です。その「かず指導」にとても影響を与えたのが「水道方式」です。幼児にどのような教材が当てはまるのか、これは、とても難解な課題でした。幼児に学習は速すぎるという時代ですから、ましてや、「プリントなんて小学生じゃないんだ!」と怒られることもありました。

 

■何故、幼児にプリントなのか

 

 幼児にプリントというと、直ぐに「詰め込み教育」を連想し、教え込みを強要する印象を持たれるかもしれません。この間「抽象」という言葉が何度か出てきましたが、まさに「かず」という学習は「抽象」の学習で、プリントそのものが抽象です。そして、幼児期のプリント学習は、子供の今の能力を確認するためで、プリントの内容を無理に押しつけるものではありません。あくまでも「かずあそび」として捉えて欲しいのです。ということは、遊びを通した刺激ということになります。刺激の頻度で、子供の理解力は変化します。子供に対する知的刺激は普段の生活に追われていると、意外にも行われないことが多く、、その為にも、プリントを通し、どのような刺激が大切なのかをお母さんにも知って頂きたいのです。

 

■幼児プリントの作られ方、年齢毎の内容

 

 例えば、2歳・3歳・4歳対象の数プリントがあります。私の制作した「かずプリント」はその最初には、どの年齢も大小比較の問題が示されています。同じ大小比較でも、年齢が上がる毎に難易度が増すように作られています。これは、以前行った刺激を再燃し、理解と定着を深めるためです。その指導過程はらせん階段のような構造です。回りながらもまた、元の位置に戻ってくるのですが、高さ(難易度)は確実に上がっています。脳は繰り返しの学習を通し、記憶・理解・定着をしていきます。ですから、できないからと行って教え込む必要はありません。そして、数の基礎が終了するころから、一気に「かず」から「数」、そして「算数」という内容に変化していきます。加法(足し算)の導入です。指導と言うより、遊び、そして、刺激、幼児期の学習は、まずは楽しさ優先です。これが、小学生のプリントの仕方と違うところです。

 

 

■年齢毎のプリント教材

 

 プリントを行う場合、まずは年齢にあわせた内容で行うことをお薦めします。そして、大人の感覚で行うのではなく、あくまでもお子さんの年齢にそって行います。下記の内容は、2歳から6歳までの教材内容です。(石川教育研究所制作の教材)

 

  2歳:大小比較、大中小比較、多少比較、同数比較、タイル

  3歳:大小比較、大中小比較、多少比較、同数比較、3までの数、タイル(最年少)

  4歳:大小比較、大中小比較、多少比較、同数比較、9までの数、タイル(年少)

  5歳:タイルを書く、等号不等号、加法の導入、式の理解、計算(年中)

  6歳:計算体系による加法計算、減法の導入と展開、文章問題(年長)

 

 2歳から継続して学ぶ場合は良いのですが、途中から始める場合は、3歳、もしくは4歳の内容から始めます。その方が無理なく、数の概念を学ぶ事ができます。6歳のかずプリントは、小学1年生でも対応可能です。

 

 令和になり、来年は教育改革として大幅に教育内容が変わります。最近も、記事に書かせて頂きましたが、小学生の教科書のページ数が増え、ランドセルに入れた場合の重量が国会でも問題として取り上げられました。けして煽るつもりはありませんが、小学1年生で格差がついていることを考えると、幼児の間の準備は必然かもしれません。

 幼児教材について、「是非譲って欲しい」とのお問い合わせを頂いていますが、このブログをお読み頂いた方対象に、幼児教室などで使われている教材を特別に販売する事になりました。今準備中ですので、また、ご連絡させて頂きます。

明日は、計算の指導順序です。

 

 

できないから嫌いになる!             

 

 算数が嫌いになる原因の第一が、「解らなくなる」そして、「できなくなる」です。算数という学習は誤魔化しの聞かない学習で、わかる/わからないととてもはっきりしています。それは、考える力が必要だからです。その考える力も、一般的な思考ではなく、専門的には抽象的思考と論理的思考が必要になると言われています。人には、幾つもの知性が組み合わさり、知的能力を形成します。その第一が「言語的知性」で、そこに「論理数学的知性」という、人の思考力に関する知性が加わります。そして、、皆さんよくご存じの「空間認知能」です。こうした知性の基本が幼児期に形成されます。(下の図はMI理論で分類された知性の数々です。)

 幼児期のかず指導は、小学生になってから学ぶ算数にとても大きな影響を与えます。安易に指を使った計算指導を行うと、初めの頃は良いのですが、しっかり数をイメージし、頭の中で計算できる子と直ぐに差が出てきます。足し算も引き算も、意外と思われるかもしれませんが、幾つもの考え方を学ばなければなりません。足し算でも3種類の概念、引き算になると更に複雑な概念が登場します。子供たちの算数嫌いは、小学生からではなく、既に幼児期の頃から始まっているといっても良いでしょう。

 

■足し算の考え方”子供は、ここでつまづく!”

 

 足し算という計算も、直ぐに「2+2」などの計算では、文章問題という課題をクリアできません。多くの子供が文章問題でつまづき、苦手意識をもつのは、文を読み、そこから式を組み立てることができなくなるからです。つまり、計算はできるが、文章問題ができないという子にしてしまうのです。足し算でつまづくと、次の引き算では、計算方法がこの段階で2種類になり、思考する事に慣れていない子は、「足し算ですか、それとも、引き算ですか」と、既に理解していないと思える質問をするようになります。

 その為、計算だけでなく、足し算の考え方、概念が大切になってきます。そして、足し算の考え方で出てくる、足し算をイメージする言葉も指導の一つになります。これは、引き算でも、かけ算でも、割り算でも同じです。数字と数詞そして、その量をタイルでイメージできている子供は、次のステップで、文章(問題)から、数の流れをイメージします。算数という学習のポイントである、イメージ力です。

 

 ・足し算をイメージする言葉

  あわせる、いっしょにする、くわえる、みんなで、ぜんぶで、たす、いれる、くる、くっつける、   

  つなげる、まとめる、ふえる

 

 ・足し算の考え方

 ①合併 「右の皿にリンゴが5こ、左の皿にリンゴが3こ、リンゴはあわせてなんこですか。」

 ②添加 「ミキサーに、イチゴが5こ入っています。そこにあと2こ入れました。ミキサーの中

       には、イチゴはぜんぶでなんこ入っていますか。」

 ③増加 「こどもがこうえんで5人あそんでいます。あそんでいるうちに3人ふえました。い

       ま、こうえんでは、みんなでなん人のこどもがあそんでいますか。」

 

 上記の3題が、足し算に出てくる3つの考え方です。時間的な動きがあることがわかります。

 

■絵題から文章題、そして、計算へ

 

 足し算の指導は絵題から始めます。文章問題なのですが、絵を通してイメージできるようにします。そして、図のようにタイルを対応させ、式へと導きます。ここで大切なことがあります。これは、最近の子供たちの傾向なのですが、問題文を読まない子供が多く、目に飛び込んできた問題文の中の言葉を使い自分勝手な解答を導き出します。「教科書が読めない子供たち」というセンセーショナルな本が話題になりましたが、既に、「問題文も読めない子供たち」になりつつあります。その為、問題文をしっかり読む癖を付けるようにお願いします。問題文を読み、そこから式を立てていきます。初めから式ありきではなく、自分で考え立式する。この過程が論理数学的知性(論理的思考)の始まりです。ここをしっかり学ぶ事が、その先の算数の学習能力につながっていきます。

 こうして、絵題(文章問題)から足し算の考え方を学び、ようやく計算指導へと進んでいきます。計算問題も、分かり易い計算から、順を追って学んでいきます。この話しはまた明日に。

 プリントについては、明日以降お話をします。