もうすぐ夏休み 長期休み明け、子どもの学力が下がる傾向! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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生活能力を高める!

■生活習慣の乱れが及ぼす新学期の成績

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 あと二週間ほどで夏休みに入ります。日々の流れに加速度がついたように月日の流れが速く、時間としては変わらないはずなのに、その感じ方は情報量に比例すると言われています。情報量の少ない時代、または、年齢では、月日の流れはゆったりしていたはず。実際、田舎に行くと時間がゆったり流れると感じるのは、脳に入り込んでくる情報量が少ないせいのようです。

 

 近年、夏休みという長期休みは、その過ごし方で、9月から始まる新学期の学習に大きく影響すると言われています。これは、小中学生に限らず、園児においても、せっかく慣れた園に通う生活習慣が途切れることで、新学期からの登園を拒否する園児も多くいます。

 

 学習面で考えると、長期休み中に学習が途絶えることで、習得した知識やスキルが忘れられることがあります。これを「学習ロス」と呼びます。特に算数・数学系や読解力などのスキルは、日々の練習確認が重要です。子どもの脳は非常に柔軟で、使わないスキルや知識は脳のネットワークから削除されやすくなるのです。長期間学習をしないと、学習に関わる神経ネットワークが弱まりやすくなり、計画的な学習習慣が重要な理由がここにあります。

 

 学校がある時期とは異なる生活リズムになることで、再び学校生活に戻る際に適応が難しくなることがあります。睡眠パターンの乱れや運動不足が影響することがあり、規則正しい生活習慣が、子どもの安定した生活リズムを刻むことになります。長期休み中の家庭環境が学習に対して支援的でない場合、特に低所得家庭の子どもたちが学習リソースや支援を得るのが難しいことがあります。地域で行われる学習支援活動があれば、積極的に参加することをお薦めします。また、登校時と同じ生活リズムを崩さないことも大切です。

 

 長期休みに関する学習との関係を脳科学で考察すると、子どもの脳は発達過程で不要なシナプスを削除する「シナプスの剪定」が行われます。この過程で使わない神経回路が減少し、使用頻度が高い回路が強化されます。学習がない期間が長いと、学習に必要な回路が削除されやすくなります。

 また、子どもの脳は非常に柔軟で、新しいことを学ぶことで容易に変化します。長期間学習をしないことで、この柔軟性が低下する可能性があるのです。

 

 解決策として、夏休み中も定期的に学習する習慣を維持することが重要です。毎日少しずつでも学習を続けることで、学習ロスを防ぐことができます。つまり、今から学習計画を立てることが重要になってきます。できれば、午前中は学習の時間に充てたいですね。夏休みの宿題を行うのも良いでしょう。

 

 大敵は睡眠不足です。夏休み中も規則正しい生活を続けることが大切で、適切な睡眠時間や食事、運動を確保することで、脳の健康を保ち、学習の準備が整います。夏休み期間だけでなく、睡眠不足が目立つ令和の子どもたち、大人と同じ生活時間は、脳の発達にも、学習の定着にも大きな影響を及ぼします。しっかり、睡眠時間を確保してください。小学生は、10時前には寝る習慣をつけておきましょう。保護者や家族が学習を支援する環境を整えることが重要です。読書の時間を設けたり、一緒に学ぶ時間を持つことで、子どもたちが積極的に学習に取り組むことができます。

 

 夏休みの過ごし方、成長過程ある子どもにとって、夏休みの過ごし方は重要課題です!