書く学習に「見る」「聴く」「イメージ」を!! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
今の時代だから!

■デジタル時代でも人間自体がアナログだから

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 我が子の学力向上を願う親御さんから、「先生の話や人の話を聴くことができず悩んでいます。授業でも話を聴いていないから、成績も下がる一方で、3年生になりだんだん勉強もむつかしくなってるし、とても不安です。」やはり、スマホで見る動画が好きなようで、映像という◇中心の刺激が多くなっているようです。

 

 昨日お話をした学習での「エンコーディング」、外部から受け取った情報を脳内で処理し、それを記憶として保存するためのプロセスを言いますが、このエンコーディングは、情報を短期記憶から長期記憶に移すために必要不可欠です。エンコーディングが効果的であるほど、情報はより確実に、そして長期間にわたって記憶されます。その為には次の学習要素が大切です。

 

  • リハーサル(反復練習)

    • 情報を繰り返し復習することで、エンコーディングを強化します。例えば、単語を何度も書き写すことで、その単語がより強く記憶されます。
  • 意味づけ

    • 情報に意味を持たせることで、記憶が強化されます。例えば、新しい概念を既存の知識と関連づけることで、より深く理解し、記憶に残りやすくなります。
  • 視覚化

    • 情報を視覚的なイメージに変換することで、視覚的エンコーディングが促進されます。例えば、文章を読むだけでなく、その内容を図やイラストにすることで、記憶に残りやすくなります。
  • エラボレーション(精緻化)

    • 情報を詳細に分析し、関連情報と結びつけることで、意味的エンコーディングが強化されます。例えば、学習した内容を自分の言葉で説明することで、記憶が強化されます。

 

どれも難しいことではなく、例えば、「書写」や「聴写」などは、書き写すという学習行為の繰り返しは、見て書き写す・聴いて書き写すという、学習の中に「見ること・聴くこと」の二大学習要素が組み込まれています。共通している「書く」は、見たもの、聴いたものを文字に変換、運動性言語中枢を経由し、手先、指先の神経を通り文字に書き表すという、脳が複雑な情報処理を行っています。

 

 この繰り返しが、「見る」こと「聴く」ことを脳が意識し、次第に集中力と、見たもの、聴いたものを短期記憶し、それを繰り返すことから、視覚記憶と聴覚記憶を長期的に記憶する為の脳内回路を形成していきます。やることはアナログですが、脳の仕組みはコンピュータ以上であるとも言われており、心を形成できるのですから、脳は鍛えることで本来の機能を発揮するのだと思います。

 

 書写は、文章だけでなく、図形も表もグラフも青の対象になります。聴写でも、読み上げられた文章から図形をイメージして描いたり、絵を描くこともあります。また、時には、漢字をイメージして書くこともあります。漢字当てゲームです。例えば、「太陽が一緒に出ると」→「」るいとなります。

 

 学習は、意識して見る、意識して聴く環境を作り、言葉から、文字からイメージていく、そんな学習がこれからは重要になってくると思います。あまりにも視覚的な要素の強い学習が多くなり、同じ視覚的学習でも書写などは、見る対象が限定されているのでより集中できてきます。聴写は、かなりの集中力を要します。今までも行われてきたこの学習法が、デジタル化されてきた学習にこそ行われるべき学習法なのかもしれません。